無事生還 | KYOU. room

無事生還

Mt, Fuji恐るべし!

私含め5名のパーティー。
4名は某有名ファッション誌の
エディトリアルデザインチーム。
アウトドア経験なしの4名だけど、
彼女達が誘ってくれなかったら
私も富士山は今年登らなかったと思う、
ので感謝。

バスで5合目に着いたときから
軽いめまいとふわふわ感。
これがゾクに言う、高山病。
いきなり2000mの雲の上に来ちゃうんだから仕方ない。
1時間程、登山口にある茶屋で身体を慣らし、
トイレ(200円)も済ませ、14:05いざ入山。

須走口は吉田口よりもマイナーなせいか、
人もそれほど多くない。天候も曇だけど寒くないのでまずまずだ。
6合半くらいまで、森に囲まれハイキング気分。
宿泊先の7合目の「太陽館」まであと1時間くらいと
いうところで、雨と風。
雷までは鳴らずとも、強風で吹き飛ばされそうになる。
気温もぐんぐん下がる。転げ落ちたら命はない。
レインを着たり、カバーをかけたりして、また強風の中登りはじめる。
分単位で天候がめまぐるしく変わる。

山道で出会った、富士登山20回目の
関西から来たベテランハイカーお父さん(72歳)が
私たちを勇気づけてくれたり、山の登り方や下り方、
終いには、一番ヘタってた友達を7合目まで引率してくれた。

17:30太陽館(7合目)に到着。
初山小屋にドキドキ。
寝袋の幅が自分のスペース、とにかくタイト。
5名とも高山病もそれほどなく、夕飯のハンバーグ定食もペロリ。
19:30ご飯を食べ終わったら、する事も無いのでタイトスペースで
横になり身体を休める。
周りはもう寝ている人もいて、何事もそーっと。

21:00には電気が消され、就寝。
が、全く眠れない。。。
他の4名も同じで、22:30にはごそごそ起きだし、食堂へ。
ヒソヒソ声で、このまま眠れないだろうから、
早めに出発しようということになり、
体力的にヘタってた友達を残し、4名で持って来た衣類を全て着て
0時に山頂めがけて出発。

酸素が薄いのがわかった。頭が痛い、寝不足のせい?高山病?
本8合目まで、マイペースで来れたのに
ニュースでもおなじみの渋滞がここからはじまった。
レイン&パック、同じ格好をした人たちが列を連ねる。
全く進まない。。。
雨風も強くなる・動けない・体温が下がる・頭痛い・
吐き気する・眠い・意識が遠のく=「もう下りようか」
悪条件が重なり、弱音が出そうになった。
が、人がすごくて下りることも難しい。
どんどん抜かしていく、半袖短パンの外人の方達もいて、
噂通りの、いや想像以上の光景だった。

結局雲に見え隠れした、ご来光を山道で見て、
山頂でご来光は拝めなかった。
が、太陽が雲の隙間から顔を出した瞬間は
あまりの美しさに感動と、辛い…という感情がごっちゃになって
声を出して泣いてしまった。周りから歓声があがり、
みんなで今日1日の幸福を拝んだ。

太陽はすごい!勇気と元気を与えてくれた気がする。
明るくなり、頭痛と戦いながら最後の岩を気力でよじ登って、
4名とも登頂成功5:00(涙)。

とにかく寒い、そしてバーゲンかってくらいの人・人・人。
頂上の浅間大社で、お守りを買ってから間もなく下山開始5:15。
お鉢巡りや郵便局でハガキを出す、ということも気力がなく断念。
下山の方が足に負担がかかるから、これまた大変。
太陽館に残して来た友達をピックしに、2時間かけて戻る。
7:15太陽館帰還。
山小屋のお兄さんに「あの天候で登ったの!?」と
びっくりされながらも
「今回は山小屋に泊まらせてもらって
水・電気がある、が当たり前じゃないっていう事に気づかされ
自然の大切さを教わりました」と伝えると
「自然の怖さも、美しさも知ったでしょ」と
すごーく説得力のある口調で言われた。その通りです、お兄さん!

食欲もなかったけど、朝食を少し食べて5名で下る。
標高が低くなるにつれ、身体も楽になる。
一番楽しみにしていた「砂走り」下山道。
コツをつかめば、靴で5mくらいすーっと砂利の上を滑って下れる。
石が靴の中に入って痛いけど、これが楽しいのなんのって。
足には自信があったので、誰よりも早く駆け下りる。
ゲーター買えば良かった。。。
9:30須走登山口到着。また泣きそうになる。
無事を喜び合い、また登ろう……、とは誰も言わず
そっと、終わりを告げた、罰ゲームのような富士登山でした。

温泉に入り、ビールを飲み、私もそこまでは
もう登るもんかって思ったけど、
家に帰り、寝て起きたら、また登りたくなった(猿かっ!?)。
今度は日が登ってから人があまりいない、
歩きやすくなった山道を秋に行こうとか、
腹式呼吸の練習をしようとか、考えてる自分にびっくり。
登ってる時は余計な事を考えられなかった。
大げさに言うと、生きるのに必至だった。無心になる。
下りてから、あの山はこうだったな~とか
人生に置き換えてみたり、山中を思い出したりする。
富士山に登れた事ははあまりにも大きい出来事だったので、
あと1週間は考え続けると思う。

まぁ、来年また行こう。かな。。。

※写真…山道から見えた影富士
頂上で石碑と記念写真を撮りたがる群れ
山頂から見た太陽(よくわからないね…)
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