
“地味読”してます。
伊坂幸太郎・・・またかよ、です。
そもそも私は読書家じゃないんで、何でも誰でも、ってわけにもいかず、
肌に合うと思えば、とつとつと読み続けるタイプです。
「死神の精度」は、ブロガーさんおなじみとも言える作品
(やけに見る気がするのですが・・・)。
死神の七日間の調査で「可/不可」が決まるという物語です。
冴えないOL、任侠、殺人者、孤独な老女・・・6人が登場する短編でありながら、
伊坂さんお得意というか「決まり」の他作品のキャラがチラッと
挟まれたりしてます。
うん、普通にサラサラと読めました。
相変わらずチマチマした構成、演出がニクいし、
キザっちい台詞まわしもムフフな感じ。
んが、全体的にサラッとしすぎな気がして・・・。
死神自体のキャラがそうだから、そうなのかもしれないけど、
ぎゅーっと高まるか!ってところで、寸止めされるような、
あともうちょっと食べたいのに、皿を取り上げられるような・・・。
腹八分・・・食いしん坊には、もう少し食べさせて欲しかった(特に最後)。
かといって、心象に入り込んでゆく文章も読みづらくて嫌いなんですけどね。
好みからすると「アヒル~」とか「重力~」の方がいかなぁ。
伊坂さんの女子的ポイントに「カッコイイ男子が出てくる」
ってのもなきにしもあらずですし・・・。
(映画のイメージで「死神=金城武」が構築されているから、
なんとなく「かっこいいんだ・・・」と思えましたが)
とはいえ「外さない」っていうのも、伊坂さんの魅力。
ちゃんと書いてるというより、作ってるなぁと感心させれます。
意外と面白かったのが、最後の沼野充義氏の解説です。
難し過ぎず、簡単過ぎず、ちゃんと考察されてます。
芸能人のチャラい感想文とは違いますね。
そういえば、本屋大賞に選ばれてましたね。
「書店員さんに『あんなやつを選ばなければよかった』と
言われないように、今後も頑張ります」
嫌いじゃないです。このコメント。ニヤリ。