お金がかかるとか、面倒くさいとか、
その手の「いいにくい事」に対して、人は変な言い方をする。

先日、銀行で定期を作った際、
「投資信託について、ちょっとお話を」と頼んでもないのに、
慇懃な銀行員がすり寄ってきて、資料をドン。
「だから、いらん」と言っても、また別の営業マンが・・・。

「ほら、こんなに増えますよ!ほら、ほら」
「これからは信託の時代ですよ!」

つらつらと、いいことしか言わない。
最初のほうは大人しく聞いていたが、
そのエンドレスぶりに、だんだん腹が立ってきて、
「メリットばかりじゃなく、デメリットを説明しなさいよ!」と、
銀行員に一喝。モゴモゴムニャムニャの末分かった事は、
「うかつに手を出したら、確実に損するべ」という事実。
時間を返せ、まったく。

最近通いだした歯医者もそのきらいがある。
「もし、虫歯だといけないから、
 レントゲンとっておきましょうねぇ」とか、
「この詰め物も劣化してるから、
 詰め直しておきましょうね」など、
やけに丁寧で、やさしい言い回しをする。

しかし、それらは絶対必要な治療ではなく、
(実際、ほとんど虫歯はなかったし)、得てして「有料治療」だ。
なので、先生が「~おきましょうねぇ」と言ったら、
「あっ、料金追加」と理解している。

この手のものは、美容室の
「傷んでるからトリートメントしときましょうね」とか、
病院の「念のため検査しときましょうね」など、
巷に溢れかえっている。

いいのか、そんなんで。

なんか口やかましいおばちゃんみたいだけど、
その逆手に取ったような表現、本気で嫌い。
言い換えの妙では済まされない、あざとさというか、
人を馬鹿にしたような嫌らしさが見え隠れして・・・汚い。

「よっ、そこの美人、大根サービスしちゃうよ!」
みたく、適当なおべんちゃらのほうがよっぽど素敵なサービスだ。

親切風サービス、全面的に廃止してほしいよ、まったく。