西大寺

大茶盛式:茶碗は直径36㎝。

◆境内には、堂本剛さん寄贈の桜が。西大寺の幼稚園に通っていた縁で。

善財童子立像:ぽっちゃりとした体と、純真無垢な表情で祈る姿は、ノックアウトされそうな可愛らしさ。

愛染堂:前に植えられている菩提樹は叡尊お手植えの木と伝わる。菩提子と呼ばれる球形の果実は数珠玉に用いられる。蒙古襲来の大騒動の中、叡尊が愛染明王に祈ったところ、像が持っていた矢が九州に飛んでいき、蒙古の将軍を射止めたという伝説がある。宇治の十三重塔。

◆叡尊:叡尊は法華寺に戒壇を設け、正式な比丘尼(びくに/尼)を誕生させた。救済される側ではなく、救済する側へ、女性の立場を反転させたのである。弘安3年(1280)に造られた叡尊像に納められていた弟子や信者の名簿をみると、男性915人に対して女性633人41%で、女性の比率がとても高いことがわかる。叡尊像の顔の内部には白毫が取り付けられている。弟子たちは先生は人間ではない、仏様と思っていたのであろう。

 

大和西大寺駅:鉄道ファンに人気の駅。ジャンクション駅ならではの構内配線が複雑。四方向への路線、併設する車庫への出入り線、折り返し電車の待機線。ポイント(分岐器)が41基ある。タイムズプレイス西大寺には展望デッキがあり、大阪・京都方面への線路を見下ろせ、複雑な運行の一端を垣間見ることができる。

 

JR大和路線:郡山、大和小泉、法隆寺、王寺、三郷(さんごう)、河内堅上 連なる駅の名で57577になる。

 

猿沢の池

・「澄まず濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水八分」と昔から伝わる。魚7に水3分と言われるほど生き物が多い。

・もとは春日山を源流とする沢だったが、良い粘土が採れたので興福寺建造物の瓦に使用。掘り進めていくうちに窪みができ池になった。

・五十二段:仏門に入る修行の段階を表している。五十二段を上ると仏様と等しい位にまで登る。

 

 

 

鹿

◆鹿の角切り:毎年10月に鹿苑で行われる。1691年奈良奉行が始めた。

◆鹿せんべい:木ぬかと小麦粉で作られている。消費期限はない。無味。自販機がある。閉店後に観光客が鹿に自分のお菓子をあげてしまうことがあるため。包装紙などは、鹿が食べても無害な廃棄予定の米粉が使われている。

 

◆R4.7月事典では、1182頭程度。毎年1日1頭亡くなっている。そのうち疾病108頭。交通事故70頭。

◆酷暑の時の鹿の居場所は側溝。

◆日本の鹿注意の道路標識は、角の角度が真逆だが、奈良の標識は実物どおり。

◆毛にはマダニが生息しているので、触らない方が良い。

◆「ぴいと啼く尻声悲し夜の鹿」

◆「早起きは三文の徳」:江戸時代中期に発布された「生類憐れみの令」では奈良の鹿も手厚く保護され、危害を加えた者には三文の罰金刑が科せられていました。そのため、江戸の庶民は早起きをして、軒先に鹿の死骸がないかどうかを確かめたという逸話があります。「鹿が家の前で死んでいると、三文の罰金になる」「二束三文」

 

 

聖林寺(しょうりんじ) ★★

十一面観音立像:均整のとれた仏身、豊満な顔立ち、量感のある上半身、優婉な纏衣の美しさ、微妙な変化をみせる指先等、ミロのヴィーナスとも比較される仏像彫刻の優作です。

右手に水瓶を持ち、垂れた右手の指先がしなやかに反り上がっている。顔立ちも豊かで落ち着きがあり、身体全体もよく均整がとれている。

本堂脇の厨子は、十一面観音のためにフェノロサらが寄進したもの。内部に滑車を付け、火事などいざというときに外に運び出せるよう可動式になっており、文化財保護施設の魅とも言うべき工夫がなされています。

広めの肩幅に対し、ウエストの部分が極端にすぼまり、その分胸の膨らみが強調されている。お腹のあたりを見てみると艶やかさをも感じてしまうほど。姿勢良くすっと立ち、左手は花の刺さった水瓶を指先でそっと持っている。体の柔らかさに対して顔は厳しく、三輪山で秘仏として祀られていたことを物語っているよう。

和辻哲郎「古寺巡礼」:「きれの長い、半ば閉じた眼、厚ぼったい瞼、ふくよかな唇、鋭くない鼻、 すべてが我々が見慣れた形相の理想化であって、異国人らしいあともなければ、また超人を表す特殊な相好があるわけでもない。しかもそこには神々しい威厳と人間のものならぬ美しさとが現わされている」

 

 

浄瑠璃寺

参拝は、まず東の薬師仏をまつる三重塔にお参りして、宝池の対岸にある本堂をはるかに拝み、宝池の周りを歩いて、そのあと西の本堂をお参りするのが順序。

 

 

 

新薬師寺★★

新は「新しい」の意味では無く、霊験あらたかの意味と言われている。

本堂・薬師如来像:切れ長の眼と濃い瞳。暑い唇からは温かい説法が聞えてくるよう。眉、瞳、ひげなどに墨を、唇に朱を差すほかは彩色や金箔を施さない素木仕上げ。大きな目が印象的で眼病平癒に功徳があるとされる。

 

十二神像:日本最古で最大。伐折羅(ばさら)大将は戌の方向を護っている。独特の憤怒の表情であることから、奇抜な格好をした人や異様な者を指す言葉としても使われる。

像の軸足が、左右に6体ずつに分かれている。

鐘:多くの傷があるのは、鬼の爪痕といわれている。

 

香薬師堂:景清地蔵とおたま地蔵の2体が祀られている。この2体はもともとは1体で、おたま地蔵は景清地蔵の体内から見つかった。裸の像に木の衣を着せたものだった。