ちょっとだけよ♥大河ドラマ風昔の話-第926話 | ちょっとだけね♥カクヨム・エブリスタに投稿中!

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天照空界・龍玄の徒然草。
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ちょっとだけよ♥大河ドラマ風昔の話

天海と二人の明智光秀-天照空界-第926話

             (九月十九日、水曜日分) 

 

 忠長の暴走は収まるところ知らなかった。

 家宝の家康の遺品も勝手に振舞うこともあった。

 その都度、秀忠は忠長を正したが、その裏では、

お江が甘やかし、忠長の反省、改心は得られないでいた。

 そんなある日のことだった。

 「父上、召し上がって頂きたいものが御座います」

 「うん、何かな」

 「これで御座います」

 「これは・・・」

 「鴨で御座います」

 「如何致した」

 「私が撃って参りました、西の丸で」

 「な、なにー。西の丸でだと。お前、世継ぎがいる側で

鉄砲を撃ったと言うのか。何と言うことを」

 「兄じゃのことですか。大丈夫ですよ。当たりませんよ」

 「その、そのようなことではない、わからぬのか」

 「分かりませぬ、それより早く召し上がってくだされ」

 「この、この馬鹿者めがー」

 秀忠は激怒して、一口も口にせず座を立った。

 さすがの秀忠もこの鴨事件で忠長に愛想を尽かした。

 それ以来、問題を起こしても秀忠の威光を借りて

切り抜けてきた忠長だったが、その威光に陰りが見え、

もみ消すことが出来なくなっただけではなく、

関係各所から無視されるようになっていった。

 秀忠はお江の反対をよそに、忠長の領地を没収(改易)。

 罪人扱いになり逼塞(ひっそく。昼間の出入り禁止つきの謹慎)を

命じ、武士としてのけじめをつけさせた。

 忠長に罰が下ったことによって、家光と正之は親交を深めた。

 次世代を担う若き者に天海は時を惜しまず、手を差し伸べた。

 「家光様にも良き、相棒ができ申したな」

 天海は、微笑み、夕陽を眺めていた。

 

月~水

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