ちょっとだけよ♥大河ドラマ風昔の話-第871話 | ちょっとだけね♥カクヨム・エブリスタに投稿中!

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天照空界・龍玄の徒然草。
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ちょっとだけよ♥大河ドラマ風昔の話

天海と二人の明智光秀-天照空界-第871話

 

 お江が不思議がるのも一理あった。

 秀忠と家光が、天海の勧めで京に向かった。

 不審に思ったお江は秀忠に問いただしたが、

言葉少なく、朝廷への挨拶とだけ返答してきた。

 その裏に何やら思惑があると感じたお江は、

問いただすのを止め、寧ろ、秀忠、家光が

不在であるこの時期を忠長の勢力拡大に

当てようと考えていた。

 天海もお江も、お互いの出方を牽制しつつ、

何事もないような趣を醸し出していた。

 まさに、それは、狐と狸の化かし合いだった。

 城内には、見えざる不穏な空気が漂っていた。

 太平次にとっては、久々の江戸城だった。

 「太平次、待たせたな」

 賄いを終えた貞丸が、太平次を迎えに来た。

 貞丸、太平次は伝助と合流して、酒宴を始めた。

 「太平次、ほら、あの家康様の・・・」

 貞丸は秘密の暴露に気づき、太平次の耳元で

 「影武者は何と言うたかな」

 これを機に膝を突き合わせた小声の会話となった。

 「恵最ですよ」

 「どう致しておった」

 「最初に会った時は、暇を持て余し、

信楽焼の狸のようになっておった。

 鷹狩りに連れ出され、当初は嫌々のダラダラ。

 それが七日も過ぎた頃には、散歩を喜ぶ犬のように

走り回っておったわ。その甲斐があったのか、

見た目にも動きが機敏になってきよったわ」

 「ほう、相にあっておったのかな」

 「血筋やも知れませんぞ」

 「それはなかろう」

 「そうだな、あははははは」

 

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