5月某日

マンガカフェヨミガエルにて

第26回コミック読書会を開催いたしました。

テーマは石黒正数先生作『それでも町は廻っている』。

 

お菓子はべちこ焼きをイメージした

「べちこ焼きタルト」

現代の調理技術では再現が難しいのでタルトにしてみましたが、

ちょっと色がサワヤカになってしまいました。

もっと容赦なく着色料をぶちこめばよかったです。(^_^;)

参加人数は五名。トーク名は

井上雄彦先生・石ノ森章太郎先生・古賀新一先生・

鳥山明先生・サトウサンペイ先生です。

 

サトウ先生「アニメ化もされているのも知っていましたが見てなくて

課題に上がったので初めて読みました。想像してたのよりずっと

面白かったです!イメージ的に日常系のものを想像していたのですが

よくこういういろんな物語が思う浮かぶなあと感心します」

石ノ森先生「SFっぽいのとかミステリーっぽいのとか

いろいろありますもんね」

サトウ先生「とにかくセンスがすごくいい。昔のアニメや漫画を

引用した小ネタがあるのもうれしい。自分は紺先輩と宇宙人が残した

銃をうちまくる話が好き。結末を回収しない終わり方がすごくいいです。

あと、物語が基本一本完結で時系列もバラバラだけど

読めば読むほどパーツがうまっていく感じも楽しいです。すごく

プロットが練られていてすごいなあと思います」

鳥山先生「『廻覧板』によると、商店街のラーメン屋が閉店する話が

最後だそうですので、すごく早い段階からストーリーの大筋を

考えてらっしゃったんでしょうね」

サトウ先生「欲を言えば、もうすこし真田君との恋愛話をふくらまして

ほしかったなあ」

井上先生「そうですよね!」

古賀先生「でもなんとなく先生って恋愛話得意でなさそうですよね(笑)」

 

井上先生「とにかくまずゲラゲラ笑いました。途中から笑ってばかり

いられなくなりました。SFや紺先輩のエピソードなどまじめな話も入ってきて、

驚いたり、感動したり。とにかくただのコメディという枠にはおさまらない

作品だなあと思います」

鳥山先生「推理とかSFとかいろんな要素が入り込んできますもんねえ」

 

古賀先生「実は過去に初めて読んだ印象はあんまりおもしろいと思えませんでした。

ギャグも推理もそんなに目新しく感じないし6割くらいの感じだなあと。

読書会を機会に読み直してみましたが、全巻読破三周目くらいか

らじわじわと猛烈に面白くなってきました!

時系列がバラバラでも話が認識できるということは、物語の変化とか

人間関係の変化成長とかキャラの成長とか一切ないからこそ、

どこからよんでも理解できる。丸子町という永遠の箱庭の世界で、

やりすぎずほどほどのリアルの中でキャラクターが人形の

ように演じ続ける、ある意味むっちゃ斬新ですごいと気づきました。

エピローグは、歩鳥ちゃんもなにげに利発そうに成長していて

そんな箱庭からの脱却、卒業を感じさせて、すごく好きです」

井上先生「歩鳥ちゃん、歩く鳥から飛ぶ鳥になってますもんね」

古賀先生「ホンマや!気がつかんかった!(笑)」

 

石ノ森先生「読む前に思っていたイメージよりずっと面白かったです。

リアルの話と思って読んでいたら実は夢だったとか、

オチがトリッキーで楽しいです。一話一話丁寧に物語が

作りこまれているなあという印象。エピローグに関しては

あってもなくてもよかったのかなあと思います」

古賀先生「登場人物のちょっと未来のはなしが描かれると

最終話感がますというか、読者もああ、これで終わりなんだなあと

納得できる感じがあるじゃないですか。だからこれはありで

いいと思いますよ~」

 

鳥山先生「すでにほとんど皆さんに言われてしまった感はありますが(笑)。

時系列がバラバラなのにちゃんと物語がつながっているのが面白いです。

いろんなジャンルのエピソードがあるので、間口も広い。Tシャツに

暗号が書かれていたり、紺先輩を裏切った子の名前に銀河鉄道の夜の

登場人物の名前がオマージュされていたりと、遊びやメッセージが

忍ばされているのもいいです。自分は日常エンドを推したいので、

最終話は一番好きなエピソードでもある71話の「歩く鳥」だといいのになあ

と思います。ほんとの最終話であるラーメン屋の閉店の話ですが、歩鳥は

モブのラーメン屋が欠けることさえ恐れます。また、タッツンが告白しようとしたが

「今の関係を変えたくない」といってあきらめたことに対し「尊い」というあたり、

歩鳥がいかに丸子町という空間を維持しつづけたいかという気持ちがわかります。

最終巻の裏表紙の「それでも町は廻り続ける」というメッセージにすべて

込められているなあと」

一同「きれいにまとまった!(笑)」

 

この回はいまだかつてないくらいトークが繰り広げられた回となりました。

このエピソードはこういう解釈じゃないのかな?自分はこのエピソードが好き!

というふうに、作品と同じくバラエティ豊かな感想がとびだしてきて、

大盛り上がりの一日でした。

次回は7月14日(土)19時より

「SFマンガ」おすすめナイトです。

皆様のご参加

楽しみにお待ちしております!