おはようございます。

今日も一日は純との散歩(5時半頃)から始まりました。
今日も善い一日にしましょう。

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山田洋次監督作品『こんにちは、母さん』をGEOでレンタルして鑑賞しました。 

一言でいえば、 

「さすが山田洋次!」 

です。 


本作で大泉洋が演じた「大企業の人事部の上の方のポジション」と似たような立ち位置の親友が僕にはいて、その彼から「大企業の(人事の)ロジック」みたいな話はよく聴くんです。そのたびに、たいへんだなぁ、って思います。生き馬の目を抜く世界。実に世知辛い。 でも、その彼は、 

「ふたつ選択肢があるとしたら、こころが温かくなりそうな方を選ぶことにしてるんだ」 

と言っています。正しいか間違っているかではなく、得するか損するかでもなく、かっこいいかかっこ悪いかでもなく、楽しいか苦しいかでもなく、こころが温かくなりそうかどうかを(何かを判断する時の)基準にしているんだ、と。 (口先の美辞麗句ではなく)彼は本当にその言葉通りの、めっちゃ温かい人で、実際にそういう在り方を徹底しているんですよね。だから尊敬できるんです。 

本作における大泉洋も、大きな組織の中で「温かくなりそうな道」を懸命に探し、実践していました。 


吉永小百合、寺尾聰らが行っていた(家を持たない人たちへの)ボランティア活動も温かい。どうにかしてこの世界を温かく(優しく)変えられないかという思いの元に彼らは実際に行動していました。 


そして、吉永小百合が演じてみせた高齢者の恋。 凄くいいと思います。 

愛情や尊敬なんてとっくに失っているのにひとつ屋根の下で暮らす「形式だけの夫婦」はこの世にごまんといる。一度きりの人生の後半戦を「愛してない人」と一緒に暮らすなんて僕には悪夢としか思えないけれど(どんだけ絶望的な罰ゲームやねん。それなら断然独りがいい)、何かが理由で「そうせざるを得ない」ということなのでしょうか……。

僕も夫婦仲が超絶に劣悪な両親のもとで育ったから分かるんだけど、両親の不仲って子どもにとっては(特に幼い子にとっては)深甚な暴力以外の何物でもありません。なので、『子どものために離婚しない』という、よく聞く"理由"は理由として成立していないと思います。

 

政権与党に属する国会議員たちがこぞって裏金作りに没頭している一方で、「温かい世界」を作ろうと頑張っている一般人もたくさんいる。 

山田洋次監督は一般人ではなく、セレブリティの極致をゆく大監督だけど、一貫して「温かい世界観」を自作に投影し続け、「寅さん」がまさにそうだけど、恋を描き続けている(本作の中で、大泉洋が寅さんに見えるシーンがいくつかあった。吉永小百合も一瞬だけリリーになっていた。たまりません)。 

本当に凄い映画監督、偉大な人だと思います。山田洋次監督には長生きしてもらって、もっともっと映画を作ってほしいです