●今注目されている「和婚」
結婚式には、「神前」「仏前」「人前」の形式があります。その中で、「和婚」と呼ばれるものは、‘和‘の要素が取り入れられた結婚式のことになります。結婚式場は、神社やお寺、新郎新婦の実家などで行われることが多く、服装は和装になります。今また、白無垢に憧れる女性が多くなり、和婚は注目されています。凛とした美しさと控えめでいて優美な日本独特の文化。そんな良き日本の伝統を、是非伝えていきたいものです。今回は、神様の前で結婚を誓う、神前の結婚式の歴史をみていきたいと思います。
●最初の神前式
「神社」は、神様を祀る神聖な場所です。山や森、川など、自然の中に神様が存在すると考えられていて、その神様をお祀りする聖地として神社が建てられました。その神社で挙式が行われるようになったのは、明治33年に大正天皇が宮中賢所大前にてご成婚の儀を執り行われてからの事です。具体的には、大正天皇の挙式の翌年に、京都の日比谷大神宮(京都大神宮)で一般の人に向けた結婚式が執り行われるようになりました。歴史的には120年程と浅いのですが、日本らしい和服での結婚式は伝統のある結婚式と言えます。
●神社について
神社での結婚式の際、出席者も本人自身も神社のことを知っておかないと少し恥ずかしいかもしれませんね。鳥居からが神社の敷地になりますが、その中にはいろいろな建物等があります。マナーも含めて、少しだけ紹介していきます。
鳥居
神社の玄関にあたる鳥居から神様の聖域にはいります。会釈をしてからくぐりましょう。
参道
参拝までの道です。神様の通り道でもあるので、真ん中を歩かずに端を歩くようにします。手水舎:手と口を清めます。手先を清めたあと、水を手に受けて口をすすぎます。
舞殿
神楽などを奉納している建物です。
宝物殿
宝物を収める建物です。社務所:神社の事務所で、お守りなどの授与をしています。神木:神様が宿った木をお祀りしています。
狛犬
社殿を守っている霊犬です。拝殿:お参りや祈祷を受ける場所です。参拝は、会釈をして静かに賽銭を入れ、鈴を鳴らします。一般的には「二拝二拍手一拝」で拝礼します。最期に会釈をします。
本殿
神様がおられるところです。人は入ることが出来ません。
摂社
本殿の神様と関係の深い神様が祀られているところです。こちらも神様が鎮座されています。参拝を忘れないようにしましょう。