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3日、4日と参加した、死の臨床研究会の報告です。
神戸での開催という事で、初めて参加した学会です。
終末期、進行がん、スピリチュアルケア、などがテーマですので、当事者の方や遺族の方は少し辛い内容かもしれません。実際に、患者さんで参加されていたのはほんの少しでした。
備忘録で個人的にはまとめていますが、抜粋したものと感想を。
死にゆく人に寄り添う姿勢として
①存在:そばにいること。自分の時間を相手に提供する。
②傾聴:何かに答えようとしなくてよい
③正直:同じ様に苦悩を抱く存在であると念頭に置く
④率直:ありのままの姿で苦悩を共有する。患者から癒されることも
⑤融通:柔軟性を持ち、「いまここから」を大事にする
⑥受容:何もできなくても、そばを離れず、変化を信じて待つ
⑦立証:自分にとって、死やお世話することの意味を考える
大切なことは一つではない。ケアする人として、自分を守り、患者も守る。支援出来る時には「支える」、支援出来ない時には「寄り添う」。
緩和ケアや治療医の先生からは、最近は標準治療が終わってから遺伝子検査が実施され、治験や新薬での治療が受けられることがある。
その治験薬が劇的に効く方もいるため、患者さんにとっては嬉しい誤算だが、効かなくなった時の絶望感や緩和ケアの介入、死の準備ができないことも。
治療医も治療の辞め時を、緩和ケア医も介入時期の難しさを感じている。
また、肺がん領域では治療薬の進歩で、かなり生存率がのびている。そのため診る患者が増えて、診療医の負担がかなり増えているという事でした。
患者の立場で、桜井なおみさんが「(進行がんの方は)治療をゴールにしないこと。QOLの為に治療をしたり、休んだりしてほしい」という言葉は、本当に私も思っていたこと
治療のために「今」の時間を台無しにしてほしくない。
進行がんの方で、毎日苦しい思いをして生活を犠牲にして治療を頑張り続けておられる姿を見ていると辛くなります。
それなのに治療が効かないと言われた時には、さらに大きなショックを受けます。
なので病状を理解し、今を大切に、自分で様々なことを選択し、人に頼ることも勇気とし、毎日を納得して過ごしてほしいと思います。
患者サロンでお会いする方は働く世代の方で、比較的元気な方や、がんと共存してどう生きるかという方が多いのですが、職場の病院でお話を聴く方は終末期の患者さんも多い。
ご本人の理解を否定せず、今の大切さに気付いてもらえるような援助が出来たらと思っています。
今回の学会では、医療の進歩と共に、がんの終末期の在りようが変化してきている事から、違う難しさに直面していることを学ぶことができました。
Hope for the best Prepare for the worst (最善を願い、最悪に備える)
これが本当に必要ですね。