以前ブログの「教えられた事」で実家の話に触れたけど、実家には多くの人が住み込みで働いてた。

今日はその人達の中の一人、「ばあや」に関する話を。


最初の頃(私が2-5歳位)ばあやは住み込みでなく、私の実家から車で10分位の所の自宅から、「通いばあや」として通勤してた。私の兄がしょっちゅう入院して母も病院に泊り込む為、その度に私はばあや宅に泊まってた。その他にも、よく遊びに行ったりしてた。

その家にはばあやの御主人もいて、私はとてもなついていた(らしい)。何で(らしい)を付けたかと云うと、ある事がきっかけで、その「おじさん」の記憶が皆無に等しくなってしもたから。

その「ある事」が今日のメインです~。


5歳頃のある日の昼間、多分夏頃、私はばあや宅にいた。今となっては理由は不明。

ばあやの姿が無かったのは確かで、買い物でも行ってたんかな。私は「おじさん」と2人でTVを観たり、何かわからへんけど、とにかく居間でくつろいでた様に思う。

そしたら「おじさん」がフト立ち上がって、網戸(今みたいなアルミ製と違い、木の枠組み)を背にして、座っている私を見下ろしながら凝視するの。

私は「???」と思いつつ、「おじさん」の目を見ていた。時間にすれば10秒位かなあ。


そしたら急に明るい緑(バスクリン色)のモヤモヤッとした霧みたいなんが、「おじさん」の周りを包み込む様に出て来た!「!!!!」言葉も無く驚く私!でも次の瞬間もっと驚いた!

「おじさん」が緑のモヤと共に音も無く消えたの!たった今まで目の前にいたのにパパって消えたんよ~!

腰も抜かさんばかりの私の目の前には網戸があるだけ!

「!!!★○×▲☆~!!!!」もうね、言葉にならへん驚きとはまさにコレ!


で!その後の記憶はブッ飛んでるんやけど、ばあやの証言によると私は、「おじちゃんがパッと消えた!パッと消えてしもた~!」とワンワン大泣きしてたらしい。

でも当然と言や当然で、その後も「おじさん」はちゃんと存在してたわけです。

ただその騒動のせいで「おじさん」は皆に、「パッと消えたおっちゃん」と言う不名誉なあだ名を付けられてしまいました。私のせいね、おほほ。でもこの話には後日談が。


その騒動のしばらく後、「通いばあや」は突然「住み込みばあや」になってしもたんです。家とられてしもたし。

何でかって言うとこの「おじさん」、妻には内緒の多額な借金があったらしく、突然蒸発してしもたん!

名実共に「パッと消えたおっちゃん」にならはったんですわぁ!


当時の幼い私はそんな大人の事情は知らんかったけど、ずっと後になって蒸発うんぬん話を聞いた時、「おじさんの未来みたいなモンを、ダイレクトに見てしもたんかなあ」と思いました。


今でも行方知れずのその「おじさん」の話を身内でする時には、名前ではなく「パッと消えたおっちゃん」と皆が呼

んでます~。ばあやは今年亡くなったけど、「おじさん」はどっかで生きてはるんかなあ。

今日はチョット(でもないか)物理学に反するお話でした。