現金二万円生活!田舎暮らしの極意
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麦畑

 今年も実りました、アブさんの麦畑。
 7月初旬には刈り入れも済ませました。

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 アブさんは、自分の家の畑で麦を作り、自分の家で粉に​して、自動パン焼き機で毎朝のパンを焼いている。でも、これ、食べていいの?という感じの世の中であります。セシウム​入りパンになったら困るし。

 どこかの試験場で検査してもらわないと、自分の家で食べるにし​ても、やっぱり気持ちがいいものではないですよね。

 普段はのーんびりのアブさんもさすがに「これ、どうするかなー​」と思案している様子。

 昨年麦撒いて、イノシシ避けのかかしで守って、いろいろ世話し​て育ててやっと黄金色に実って収穫したというのに、食べられない​なんて。私も毎年麦が育つのをたのしみーにしていたのに。

 売り物じゃないから、なんの保証もでない。誰も謝罪に来ない。

 畑の農作物がやっと収穫できたのに、食べられない?​と不安に思うだけでも、それはあまりにもつらいことですよね。国​はこういう人にも精神的打撃を緩和すべく、保証すべきだし、東電​は謝るべき。土入れ替えとか、何かすべき。アブさんはもっと困っ​てる人がいるから、俺はいいっていうけど、私ならきっと役場行っ​て文句言うな。

 福島は注目されてていろいろ保証もあるようだけど、宮城は放射​能のことに関してはあまり発表がない。宮城の南側は50キロ圏内​にある。町では一応セシウムとヨウ素を測ってるけど、山の高台と町中じゃ、ぜんぜん違うはず。ホットスポットかどうかもわからない。アブさんの畑は、検査もこないです。

 麦はともかく、水はわき水だけど、どうなの?
 誰も調べていません。宮城県内の環境モニタリング情報にあるのは、水道水だけ。川の水は?わき水は?そっちのほうが問題では?
 
 宮城の不安に思う人たち全員に、ガイガーカウンター持たせた調​査員を派遣すべきじゃない?そして問題があれば、適切な指示をす​るべきじゃない?逆に問題ないことを証明して安心させるべきじゃ​ない?

 宮城は津波被害がひどかったから、手が回らない?でも、作物を​作った人の身になれば、たとえベランダ菜園だって、悲しいよ、こ​んなの。

 まるで、泣き寝入り。ひどすぎるよ。東北の人は我慢強すぎる。

白髪太郎くん

 先日ご紹介した、被災地三か月目の様子の動画。
 わかりにくいとのことなので、こちらにもアップします。



 アブさんと旅した被災地のこと、たぶん一生忘れないだろうな。

 さて、そんなアブさんの庭では今、栗の花が咲いているそうです。
 その花に擬態した、すんごいのがいたそうです。いやー、りっぱな毛虫くんだ。白髪太郎という名前の蛾の幼虫です。


 クリックでおおきくなるよ。



 生きるため、花に身体を似せて栗の葉を食べているのです。こんなにきれいな毛虫なのに、成体は地味な色の蛾になるんだって。なんだかいじらしいね。

 アブさん庭のブルーベリーも、今は鳥さんどうぞどうぞ状態のよう....。アブさんも、少しは食べようよ、鳥や虫に負けないよう、ビタミン補給しないとね!


 追加写真。白髪太郎は別名で本当は、クスサンという蛾らしい。

 これは、まゆ。

 栗の花と一緒にいる、白髪たろーちゃん。みつけた。


三ヶ月目の被災地

 宮城県伊具郡のアブさん宅まで、やっと行くことができた。
 ちょうど震災から三ヶ月目の6月11日、南相馬から多賀城まで、アブさんとともに見舞ってきた様子はこちらに書いておいたので、興味のある方はぜひ読んでほしい。

南相馬市から多賀城へ
http://kyotacom.tumblr.com/post/6641839315


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さて、アブさんの畑の様子である。彼の家は固い地盤の上に建っているので被害はなかったが、裏の畑には地割れがおきている場所があった。




 20年程前に造成し、盛土した場所が崩れたらしい。切土した場所は異常なかった。土と言うのは、人間が勝手に動かしてはいけないものなのかもしれない。20年前の盛土でも、安定してないとは....。


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 植物は何事もなかったかのように、芽吹いていた。瑞々しい植物たちの報告は、また後日。

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代かきとカラス

 標題にあるように、アブさんは月二万円生活をしています。
 自給自足も現実的には、100%というわけにはいかないです。
 というわけで、田植えの時期は、近所の農家の手伝いをして、現金収入を得ています。
 アブさんは器用でなんでもできるため、とても重宝がられていて、いろんな仕事が舞い込んできますが、田植えの時期と、稲刈りの時期は必ずお声がかかります。定番のお仕事です。

 田植え機で植え付けをする前に、代かきという作業があるそうなんです。
 田んぼを平らにならす作業、つまり整地作業です。
 田んぼの水もれを防いだり、水の深さにむらがでないようにしたり、苗が同じ深さに植えられるようにするため行う作業です。今は代掻き機で行うのが普通ですが、昔はこんな器具を牛や馬でひいて、行っていたようです。

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 アブさんの撮ってくれた動画で見ると、代掻きした後の田んぼは、まるで鏡のように整えられていました。





轟音を立てるトラクターのような代掻き機に、カラスが近寄っていたので不思議に思い、「怖くないのかな?なんでだろう?」とアブさんに聞くと、「虫がびっくりして飛び出てくるから、それをカラスが待ち構えてるんだよ」と教えてくれました。

 カラスも日本の農業のサイクルの中で、生きているんですね。たくましい。


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 昨日で田植えも終わったそうです。これからアブさんは、自分の畑の世話をするそうです。
 田植え期間ずっとほったらかしだったそうですが、麦の花はもう咲いていたそうです。

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 今年もいつも通り、田んぼは緑になり、作物は育ってきてる。
 何よりもこれらの作物を守って生きていくこと。
 それを優先させること。

 どんなに人間の生活が便利になり、進化したとしても、この営みなくして人は生きていけないのです。日本の農業をもっと誇りに思って、大事にしたい。ガラでもないんだけど、私は今、心からそう思っているのです。

田植えのしくみ

 田植えと言うと、私などは小学校の授業で体験した、バケツに植える田植えを思い出しますが、農家は限られた土地にできるだけたくさんの米を収穫するため、非常にシステマチックに田植えをします。

 アブさんが知り合いの農家の田植えの様子を撮影してくれたので、アップします。





 種モミは、催芽機を使ってふやかし、発芽を促します。最初は水に二日ほど浸し、その後水温を30度にあげて一日置きます。水温が上がると種モミから酵素が出て、発芽が促されるというのです。

 びしょびしょのままでは、機械で植えるときパラパラと落ちてくれないので、少し乾燥させ、それを機械にセットします。薄いトレイに流れ作業で、土が敷き詰められ、種モミがパラパラと撒かれ、水を掛けて、更に上から土を被せて表面を均します。これを一か月ほどビニールハウスで育て、田植え機にセットして、代かきで均した田んぼに植えていくのです。

 いっぺんに発芽させてしまうと、植えるタイミングがずれてしまいますから、植えられる分だけ、時期をずらしながら、この作業を繰り返すのです。毎年、より効率よく田植えができるよう、農家は日々、研究しているのです。

 アブさん曰く「ベテランの農家30年やったって、田植えは30回しかできない」。確かにそうですよね。そして、これが最高!という収穫なのかどうかは、最後までわからない。来年はもっととれるかもしれないから。思っていた以上に、面白そうな仕事です。もちろん、ご苦労はたくさんあると思いますけれど、知識や最新情報を常に頭に入れ、向上心をもたないとできない仕事ですよね。

 私は、催芽機というのをはじめてみました。まるで、洗濯機のようですが、やさしく水をかけながら、攪拌し、温度管理しながら発芽を促す機械。そして種モミはまるで精密機械のように、芽を出す。面白いですね~。

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 田植え機が、マット板状になった稲を一本ずつちぎり取って植えていく姿も圧巻です。こうやってまじまじとみると、田植えは、日本の農業の晴れ舞台とういうか、なんともかっこいいなぁと思うのです。

 ちなみに、私はこの農家のお米をいつも買ってます。本当に美味しいお米ですよ!

菜の花いろいろ

 あぶさん宅では、春の花が満開だそうです。
 可愛らしい花々が庭に咲き誇るのは、さぞ心が和むことでしょう。
 彼は「別にー」と言ってますが。

 彼にとってはお花も食べ物。お浸し用に菜の花を摘んだ写真を見せてくれました。

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 アブラナの菜種油をとる菜の花かと思ったら、これは白菜の菜の花なんですって。
 実は、小松菜や野沢菜、冬菜や赤カブも、菜の花が咲くんです。なのでもちろん、美味しく食べられるのです。


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 これって、いつも八百屋さんでみてる野菜と違う....。

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 こちらはなんともそっくり。
 菜の花ってこんなにいろんな種類があるんですねー。

 でも、小松菜の菜の花なんて今まで、みたことない....。その秘密を聞いてみると、あぶさん曰く「冬越し」にあるといいます。

 植物は、冬を越えて寒さを経験し、その後春を迎えると、根っこに蓄えていた栄養を全部使って、茎がにょきにょき、つぼみがついて、花が咲くというタイマーが仕込まれているそうです。でもそれだと上記の写真を拡大するとわかるように、葉はちょろちょろ。葉をメインで食べる野菜としては、これでは失敗です。

 だから農家は、葉物野菜を早春に植え、暖かいまま育てるのです。そうすれば、タイマースイッチがはいらないまま、ずっと葉を茂らせることだけに集中するわけです。植物としては、花を咲かせる方が正しいけど、作物としては正しく育てないのが正しいということなのでしょう。

 三月末に種まきした小松菜は、もうここまで大きく育ったそうです。


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 もう摘んで食べられるかも。一か月かからないで、ここまで大きくなるとはすごい。しかもこの小松菜は、花は咲かない。ずっと食べられるわけです。

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 我が家のベランダで育てた冬菜がこんな風になっちゃったのは、昨年の秋から育てていたため。6か月種から育ててこれだけ。葉っぱは小さくて食べるとこなし。んで、1か月も満たない間に、あぶさんちの小松菜はもう、収穫までいっちゃったと。

 無知では作物は育てられないね。種をまく時期って大事なんだね。
 冬中水やりして育てたのに....ふう。

...ちなみに、あぶさんちの様々な種類の菜の花たちは、こぼれ種から勝手に生えてきたものです。
 土地がいっぱいあるっていいね、、、。庭、ほしー。



被災地より:じっと待つ

 被災地で、未曾有のガソリン品薄状態の状況の中、一人籠城中のアブさん。

 ネットは開通してるので、近隣の避難所情報を見るにつけ、心配になってしまうアブさん。確認せずにはいられなくなり、電話したり、貴重なガソリンを使ってバイクで近くまで確認しに行ったり。ほとんどはすでに解決済みの情報が、リツイートされて、まわりまわって一人歩きしていたようです。

 とはいえ、避難所の様子は、餓死するとかそこまでではないにせよ、寒くて食料が乏しいのは、どこも同じようだ。

 また、アブさんのように自宅避難者もそうとういるんじゃないかと彼は心配する。

「まぁ、都会みたいに隣人と付き合いない家なんかないから、互いに確認しあってるだろうけどな」

 アブさんは、米が30kgとか、小麦が20kgとか、大量に食料はあるし、薪ストーブがあるので当分大丈夫らしいが、

「そういえば、好物の魚肉ソーセージは?卵とかは?」
「なくなったー。白菜のスープとご飯、パン、ブルーベリージャム、そんくらい」

 宅配便が動いたら、何か送りたかったので「何が欲しい?」と聞いてみると、アブさんは意外なものが欲しいと言ってきた。

「1.4~25V(最大5A)可変スイッチング定電圧電源キット。1000えん。二つくらいあってもいいな」
「.....。」

 秋葉原から通販で取り寄せたら、今日もう着いた。早い。
 開けてみると、謎の物体が入っていた。

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 おもちゃでしょうか?いいえ電源キットです。なんだこりゃ。


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 宅配便が営業所留めじゃなくなって家まで配達してくれるようになったら、魚肉ソーセージと一緒に送ってあげようと思います。

 ソーラー発電と何か組み合わせて作るつもりかな?まぁ、思うように動けなくていらいらしてるだろうから、エジソンみたく、便利なもの作ってください!

被災地より:目に見えるスギ花粉w

 アブさんの住まいは、福島原発から約50km離れた場所にあります。
 アブさんがいつも利用しているガソリンスタンドは、今は利用できません。
 なので、蓄えを使いながら、ガソリンが正常に買えるようになるまで、じっと我慢です。
 お米や小麦粉、畑の野菜、いのししの燻製肉、ブルーベリーの焼酎漬けや、梅ジャムなどが備蓄されているので、そこにいる限り、しばらくは大丈夫のようです。心配ではありますけどね。

 そんなアブさんとSKYPEで話していたら、「車が黄色くなるほどスギ花粉が飛んでるぞ」というので、ぜひ写真撮ってとお願いしてみました。これです。

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 車にのっけてる植物が杉なのだそうです。なんとも目がかゆくなる画像><

 また、ビニールをかぶせた畑の画像も。

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 これはなーにと聞いてみました。アブさんの答えは

「震災復旧の長期化を予想して、急遽作った小さなビニールハウスに、去年の残りの小松菜をまいた。既に新芽がでている。混乱しているばかりでなく、出来ることをやりましょう」

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 かわいい新芽!えらい!さすが、アブさん。

 そういえば、我が家のベランダ栽培の菜っ葉も、小さな芽を出していました。

 こういうとき、畑があるって強い。
 土地ってすごい。

「風と共に去りぬ」の名セリフが頭に蘇ります。

「この世で頼りになる唯一のものが土地だ。土地は永遠に残る」
「明日に望みを託して」

 そう。すぐへこみそうになる気持ちを奮い立たせ、先のことを考えよう。
 私も、ベランダに、もっと野菜の種でも撒こうかな。

被災地で過ごす

 このたびは、東北に未曾有の震災が起こりました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心から哀悼の意を表します。

 アブさんの住む街は、今回の地震の被害を受けました。市街地では、壁が崩れていたり、水道管が破裂していたりもしていたらしい。ただ、アブさんの住処は山側にあるため津波の被害もなく、地盤が固い場所であったため、揺れもそれ程ひどくはありませんでした。

 もともとガスも水道も使わないで暮らしていたアブさんですが、電気は使っていました。でも、今回の被災で、電気やネット回線等のインフラは遮断。東京に住む私とも、地震後数回のSMSメールでたがいに元気なのを確認したっきり、連絡が途絶えました。

 でもやっと昨夜、ネット回線が開通!電話回線はまだ不安定ですが、SKYPEを使って久々に長話を楽しむこともできました。一安心です。

 アブさんは実家や近隣の人を訊ねて、皆が安全なのを確認した後、ガソリンが限られてそれ以上移動できず、やることもないので、「江戸時代かぁ」などとつぶやきながら、手作業での畑仕事等をしていたようです。

 避難所等にいたわけじゃないので、福島の原発のニュース等、大事なニュースを聞き逃しているのではと心配していましたが、ユンボに残ったバッテリーを使い、インバーターをかませて直流12V→交流100Vに返還。その電力でテレビをみたり、ケータイを充電したりしていたようです。さすが、サバイバー。

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 とはいえ、ケータイを満タンに充電させるには、2時間ほど電力を作り続けなくてはいけなかったようで、車にガソリンをしっかり蓄えていたアブさんでも、さすがに、ケータイを充分充電させることは先のことを考えると、できなかったようです。私も、「ケータイいつ切れるかわからんぞー」とアブさんからのSMSメールに脅され(?)て、気が気ではありませんでした。テレビも短時間の充電中にみていただけ。でも、情報はしっかり得ていたのです。どうしてたかと言うと....。

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 古い壊れた街路灯のソーラーパネルの電圧を直し、ラジオに接続!
 さぁっすが!器用だねw

 これはとても良い方法のようで、震災時から数日、天気がよかったこともあり、ずっとラジオを聴き続けることができたそうです。なので、限られた情報ではあったようですが、福島のことも、ちゃんと把握できたのです。

 アブさん曰く、「ガソリンは確かに限りがあるから、やみくもに外出はできないけど、食べるものは自分で育てた麦があるし、米もあるし、火はいつもどおり薪があるし、わき水もあるし、問題なしー」とのこと。普段は、全自動パン焼き機を使ってパンを焼いているけど、薪ストーブでパンケーキにして、庭で撮れた自家製ブルーベリージャムとともに食べたりしていたそうです。買占めなんかしていた都会人は、アブさんに見習うべきですね。

 とはいえ、まだガソリンは町に降りても手に入りづらく、しばらくは不自由を強いられると思います(彼はへーきへーきと言ってるけど)。被害が甚大なので、本当にどうやったら元通りになるのか、想像もできません。アブさんも一段落したら、私がどんなに上京を勧めても、地元で復興活動を始めるのでしょう。

 ...被災地からのアブさんの声として、最後に書いておきたいことがあります。

 子どもがいる家庭や、高齢者のいる家庭は、現地からの脱出を考えているケースも今後増えるはず。
 未曾有の災害です。現地に行って支援するのでは、とても追いつかないと思います。
 各地で受け入れ準備が進んでいます。現地がガソリンを入手しやすくなれば、どんどん脱出してくるはずです。

 命からがら逃げてくる人たちを、私達は受け入れる。
 家族なら空家提供を、親を亡くしてしまった子どもは、一般の家庭へ。とにかく今は、行政の整うまでの一時的だけでも、被災者を受け入れること。

 そして、自力で支援に出かけられる人は、今は物資を持って行くべきであること。

 確かに、山のようながれきの片づけは、素人にはどうしようもなく、自衛隊等プロに任せるべきですが、神戸の時とは比較にならないほど広い範囲での被災です。物資が届いてないのです。しかも、自治体が機能してない場所は、支援品すら届きづらい状況のようです。物資を配るの疲れ切ったは被災者たち?自治体の消えた一人暮らしの高齢者が、一人で家でじっと、救済を待っているかもしれません。一軒一軒訪ね歩くのは、被災者自身?ボランティアに出かけて、手伝うことがないということは、ありえません。

 日本は総力をあげて、再建するのです。それは、元通りに直すというより、新しい世界を作ることになるのかも。アブさんの生活には、そのヒントが隠されているように思えてならないのです。

雪と暮らす

アブさんの住む町は、東北なので雪が積もります。太平洋側なので、今年はそれほどではないそうですが、

もちろん、畑にも積もります。畑の作物は大丈夫なのでしょうか。



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雪のかぶった白菜です。もちろん、夜のうちに凍ってしまいます。凍ると腐ってしまうわけですが、それは外側だけ。中のほうはちゃんと食べられるそうです。なので、雪が降ってもそのまま、雪の中に埋めておいて、食べるときに掘り出すのです。


 白菜ってあまり、生で食べる習慣がなかったんですが、収穫したての白菜は、とっても美味しいサラダになります。刻んだ白菜に、マヨネーズとしょうゆ、おかか、地元名産のうーめんとをあえた白菜サラダをご馳走になったのですが、これがうまい。東京に帰ってまねしたけど、白菜の甘みがやはり、違いました。白菜はもちろん、煮てヨシ、炒めてよしの万能選手。雪のふとんをかぶった白菜は、アブさんが冬の間困らないだけ、充分植わっていました。


高菜も少し雪に埋もれていましたが、さすがにしおれていました。アブさんは、雪の降る前にほとんどを摘んで、塩漬けにして食べていました。冬の間の貴重な青味です。


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 雪の下には、他にも、麦やたまねぎが埋まっています。


 麦は今は眠っているかのように、静かに雪の中に埋もれていますが、雪が溶ける頃、力を取り戻し、春には一斉に伸び始め、6月の刈り入れまで、ぐんぐん育つのです。


 アブさんの日常は、ご飯を作るため、火をおこしてから、畑に行って、その日食べる分の白菜を収穫し、調理するのです。


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 雪は、木にも降り積もります。俗世の音がまったくしないアブさん宅でも、雪がバサッと落ちる音は頻繁に響きます。慣れないと「何事!」と思うほど大きく聞こえますが、これも周りが静かなせいでしょうね。



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アブさん宅へ向かう、私道です。車が通る道です。このくらいの雪では、地元の車はびくともしないようす。でも、すごい傾斜なんです。あんまりスピード出してほしくないんだけど、アブさん、結構スピード出すから超怖い。


イメージとして、雪が降ると交通が麻痺し、畑には何もない冬というのが、東北のイメージだったけど、ちょっとの雪で交通が麻痺するのは東京のほうがひどいし、畑にも豊かな実りが眠っているのですね。

薪が充分用意できている冬のアブさん宅は、エアコンけちって上着着て暮らす東京の我が家より暖か。

冬も実り豊かで、暖かい生活ができています。いいなぁ、田舎暮らし。