先輩からのおすすめの一著。

クリスティーン・ポラス氏のシンクシビリティー:礼儀正しさこそ最強の生存戦略であるを読みました。

 

本書が伝えたい根幹の考えは

「他人に対して礼儀正しい態度で接することは、

自分に対しても、また周囲の人々に対してもいい影響をもたらす。」

というものです。

 

そんなのわかっとるわいと言いたくなりますが、

本当に自分が礼儀正しい振舞いが出来ているか、一度振り返ってみてください。

上司に対して、同僚に対して、後輩・部下に対して、

礼節と他者を認める気持ちをもって接していたでしょうか?

 

本書は、他者に礼節をもって接することのメリット、無礼な態度で接することによるデメリット、無礼な態度をどう矯正していくのか等、

礼節のある人間になるためのハウツーが、一から事細かく書かれています。

コンプライアンスや多様性が叫ばれる現代、殊に当社で働くうえでは必読の一冊といえます。

 

そこそこの分量がある本書の中で特に重要と思われる部分を2点紹介します。

①無礼な振る舞いによって周囲がどのような悪影響を受けるか

・周囲の健康を害する(パワハラによる精神疾患・自殺)

・利益に対する間接的な損失(退職や周囲のパフォーマンス低下)

・周囲の思考能力を奪う(怒られないかいつもビクビク、考えれなくなる)

・周囲を攻撃的にする(無礼な態度は伝染する、みんながイライラしている)

要は組織を無礼な態度でもって、パワハラや怒号、恐怖でもって従えたところで、

良いことは一つもないということです。

個々のパフォーマンスは低下し、みんなビクビクし、さらに下のものに当たり散らすような最悪の職場になってしまいます。

 

②礼儀正しい人間になるためには

・与えれる人になる(giverになる、しかし与える場面やリソースには注意、何でも欲しがるTakerの食い物にならないように心がける)

・成果を共有する(成果や良い事はみんなで共有、みんなで褒めあえるような環境)

・褒め上手な人になる(人間は基本的に褒められて伸びる)

・フィードバック上手になる(物事の良し悪しを適切に判断し、しっかりと伝えられる能力を磨く)

・意義を共有する(どうすべき:Doではなく、なぜすべき:Why・Purposeをしっかり理解し説明できるようにする)

上記5点を理解し、実践することこそが、礼儀正しい人物になるための第一歩であると結論付けています。

 

少々固めの文章で、差別や偏見などを取り扱っており、読みづらさを感じる本書ですが、中には筆者が長年の研究を通して導かれた、礼節にかかるエッセンスが凝縮されています。年齢、役職を問わず読んでいただきたいおすすめの一冊といえます。