星乃はぐ
初主宰公演
『黙祷』
11/9(土) 初日マチソワ観劇してまいりました🙆





4編の短編と1編の中編。
5編を紡いだオムニバス‼️



1.蜉蝣
星乃はぐ…若い女(花歩)
深月要(KOTEN)…老婆




花歩は彼氏の家に向かう途中、老婆を車で撥てしまう。病院に連れて行こうとするも、老婆は見殺しにしてくれと懇願する…


花歩に轢かれた老婆がとにかく怖かった‼️
乱れた長い白髪で顔が隠れていて全く見えなかったし…低く唸るような声を発していた‼️

老婆は…じっとしててもなかなか死なないから、朝から晩まで徘徊していると言う。
花歩は、ホストのりゅーくんを見舞いに行く道すがら、彼に電話をしながら運転をしていた。
そして深夜1時に事故を起こす‼️

撥られて横たわる老婆は『いいから…いいから…行きなさい』と這いながら繰り返す。
花歩はもちろんそれでは困る
震えながらも『病院へ行きましょう?…お願いですから乗ってください』と声をかける。
このまま死なれては人殺しになってしまう。
老婆は、『私がいなくなっても誰も探さない。私がいなくなっても誰も悲しまない、だからあなたはこのまま行きなさい』と言う。
尚も繰り返す老婆は、急に立ち上がり
私はトンボでいい❗と言う❗
生まれて葉から葉へ飛び、あっとゆう間に命を終えるトンボでいいと…。
老婆はそう言うとバタリとその場に崩れ落ち、ピクリとも動かなくなった。

花歩は老婆が死んでしまった‼️と思い混乱する。
車に戻り、落ち着こうとタバコに火をつけようとするも、手が震えてできない。
そして助手席にあった袋から酒を取り出し、少し口にする。
しばらくして車から出てきて老婆を見下ろしながら…
『私は人間がいい…虫は嫌❗
生まれた日が雨ならどうするの‼️』
花歩はつらつらと、あんなことやこんなこともしたい‼️…とひとしきり叫んだ。


そして、ゆっくりと歩みを進め、老婆の顔めがけて酒の缶を逆さにした。
残っていた酒がドボドボと老婆の顔を濡らす…と
『はあ…』とゆう声を発した老婆が息を吹き返した?…いや気絶しただけだったのだ❗
(びっくりて腰が数センチ浮いた‼️(笑))
花歩は驚いてあとずさりするが…
急に肩をだらんと落とし…
『な~んだ…生きてんじゃん』
と至極軽い口調で声を挙げた。

ここで暗転して物語は終わる。


のっけから結構ヘビーなホラーwを見せられたw
要さんの老婆は兎に角恐ろしかった(笑)。

そして…、登場したはぐりん。
めちゃくちゃ高い声と、りゅーくんへの猫なで声を聞いた時…誰?って思ってしまった。
あんな声も出せるのね?w

なんだか考えさせられてしまった。
生きる価値のない人間←なんて考え、嫌だと思った‼️

おいらも虫は嫌だ❗

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2.浮世
米川塁(FULL MATCH project)…矢部
三枝ちえ(株式会社CROSS CALL)…小鳥
枝窪純子(白鳥歌舞喜)…弁護士



SNSで愛を育んできた男と女。女の"死にたい"というメッセージを信じた男が初デートでとった行動は--


『やべっちさんですか?』
『小鳥さんですか?』

『今日は、小鳥さんのしたいようにして下さい。小鳥さんの行きたいところへ行きましょう』
初会いな二人は、観覧車、映画館とひとしきり初デートを楽しむ…。

そして…歩きながら小鳥が切り出す。
『これからどうします?夕飯食べますか?それとも終わりにしますか?』
小鳥さんのしたいように…とゆう矢部に
『じゃあ終わりにしましょうか?』
と、小鳥は…終わりを選択する。

そこへスーツ姿の弁護士が現れ、
矢部がそのあと小鳥を殺したことを淡々と話し出す。
『はじめから殺すつもりだったんですか?』
との弁護士の問いに、
『いや、それを聞いたのは帰りの車の中でした…』
と、矢部は答えた。


小鳥は…死にたがっていた。
帰りの車の中で、矢部に『私が睡眠薬を飲んで眠ってしまったら首を締めて下さい。
苦しがると思いますけど…止めないでください』
小鳥はそうお願いする。
矢部は『わかりました』と快諾する。

やがて…、止めた車の中で睡眠薬を飲んだ小鳥が、矢部の肩に頭を乗せ、
『今日は楽しかったです。ありがとう。
…昨日は仕事で失敗して怒られちゃって最悪な日でした…。』
と、静かな声で混濁しながら吐露した。
『…眠いですか?』
『…眠いです』
小鳥はそう言うと…深い眠りに落ちた。
矢部はそれを確認すると、小鳥をシートに寝かせ。
…ゆっくりと首を絞めた。
途中小鳥は苦しがるも…矢部は約束通り力をゆるめない。
やがて小鳥は動かなくなった…。

『そうやって首を絞めたんですね?』
首を絞めている矢部を覗き込みながらがら…そう聞く弁護士。
『ええ』
『止めようとは…思わなかったんですか?』
矢部はSNSを通じて小鳥が死にたいと苦しんでいることを充分知っていた。
『僕は小鳥さんの一番の理解者です。
軽々しく死ぬな!…なんて言えません』
小鳥の首から手をほどき、車を降りた矢部は弁護士と向き合いながらそう答えた。
そんな矢部に弁護士は、手に抱えてた書類の中から1枚のプリントを渡した。
それは、小鳥が前日に姉と交わしたLINEのスクショ画面のコピーだった。
『明日着ていく服はどれがいい?…って。
私にはデートを楽しみにしていて、とても死にたがっていたようには思えないんです。…あなたに止めて欲しかったんじゃないんですか?』
『でも彼女は….昨日は最悪な日だったって…』
矢部はハッとしながらプリントに目を落とす。
…そして、小鳥とゆう名前が本名じゃなかったことも聞かされた。
『僕は、知ってるつもりで…彼女の何も知らなかったんですね?』
と、肩を落とす矢部。

と…車のシートに横になっていた小鳥が起き上がり、時が逆再生されるかのように後ろ向きに歩みを進め、立っている矢部の前でくるりと踵を返し向き合った。

『これからどうします?夕飯食べますか?それとも終わりにしますか?』
矢部は頭を振り、小鳥の目を真っ直ぐに見つめる。
『止めて欲しかったですか?!
あの時僕が止めてれば…何か変わりましたか?!』
矢部の問いは、涙交じりの叫び声に変わった!

暗転。

もしもあの時…止めてれば悲劇は起きなかったのかもしれない…。
でも時は戻せない。
虚しく物悲しいお話だった。
冒頭の少し甘酸っぱい感じの恋愛ドラマから一転。弁護士が現れるくだりから徐々に暗闇に落ちて行く感じが妙だった。
小鳥役のみえちさんは可憐で、静かに命の灯火が消えていくのは見ていて辛かった。
米さんは真っ直ぐな好青年が際立っていたのが更に『何故?あんなことを?』と、微かな苛立ちを増幅させた。
ゆっくり諭すように語る純子ちゃんは凛としていて物語の中和剤になっていた。
そんな…とてもいいコラボレーションが悲しさを一層際立たせていたお話だった。

いい芝居だった。


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3.邂逅
星乃はぐ…ママ
草梛祐史(劇団GAIA_crew)…パパ
菊地智春…勝幸(かーくん)



男が目覚めると、そこは三途川だった。川向こうでは早世した両親が再会を喜んでいる。現世に戻るべきか、それとも--




女からの電話に、ディナーを共にする約束を交わすバスローブの男。

暗転。

椅子と椅子の間に白い太紐が斜めに張られた境界線の向こう側に二人の男女。手前に先程のバスローブの男がいる。

『パパ!かーくんよ!かーくんだわ!
かーく~ん!』
女がしきりにバスローブの男に明るく手を振る!
バスローブの男、勝幸はしきりに辺りを見渡したのち、俺?とゆう風に自分を指差す。
『人違いじゃ?』
『かーくん!パパだよ!』
『ママよ!』
矢継ぎ早な叫びに戸惑う勝幸。
境界線を越える勢いで勝幸に近づこうとするママを必死で止めるパパ!
パパは『ダメだよ!かーくんがこっちへ来たら戻れなくなる!』と叫ぶ。
ママは!だって~と膨れっ面でパパをなじり『バカバカバカ!』とポカポカとパパの胸を叩きじたばたする。
パパはそれを抱き上げ必死で止める。
ママは足をバタつかせている。
かーくんと呼ばれた勝幸は、目の前で繰り広げられれている光景に目をパチクリ。
ひとしきり暴れたママは、パパになだめられて静かになった。
『連れて行くのがダメならせめてお話だけでも』
と、ママは言う。

そこで、パパとママは、かーくんは自分たちの息子だと説明する。
勝幸の両親は、若い頃に他界していた。
にわかに信じがたい勝幸にパパとママは勝幸の生年月日と自分たちが死んだ日のことを話して聞かせる。
『合ってる…。てことはあんたは俺の親父?…お父さん?…』
菊さんが、体を斜に構えて顔をパパに向けながら指を指して発したもの言いがなんとも可笑しかったw
『パパだよ!』
『ママよ!』
なぎさんとはぐりんが、そう目を輝かせながら手を広げたところでどっと笑いが巻き起こった!
『いやいや、その顔からこの顔が生まれるとは遺伝子的に…』
勝幸がそう言い顎をさするとパパも同じように顎をさすっていた‼️
『ほらその顎を触る癖!そっくり‼️』
ママがまた目を輝かせて喜ぶ❗
そこからはもう、劇場内に笑いが止まらず…。

とにかく、自分がこの二人の息子とゆうことは揺るぎない事実…と認めざるを得なかった。
パパとママはかーくんに会えた喜びに震え『好き、好き、大好き!』とか言いながらイチャイチャしたり感動したりしている。

そう…、もうお分かりだろうか?w
三人の間に張られた境界線は、三途の川だったのだ。

だが、何故?

勝幸は、実は…自殺したのだ。

両親が死に、ばあちゃんの為だけに生きていた勝幸。
でも、そのばあちゃんも先日亡くなってしまった。
『知ってる。こっちで会った。今はバカンス中だ。』
と、パパはかーくんに地名を言うが、
『違うわ、今はモロッコでらくだに乗ってるわ』
と、ママw
勝幸は、ばあちゃんを亡くし生きる目的を失ってしまった。


…そして…自殺。

『何かやりたいこととか行きたいとこはないのか?…さっき電話で話してた彼女は?…勝幸に彼女がなあ…大きくなったもんだ』
勝幸は、そう感慨深そうに言うパパに向かって、『あれは元カノで、ディナーに誘ったら今カレもついてくる…と言ったらしい。』と悲しい報告を告げた。
踏んだり蹴ったりだ!

そんな情けない勝幸をママが一喝する。
『ばあちゃんそっくり』
勝幸はママのそのもの言いがばあちゃんにそっくりなことに感心する。
自分たちが死んだあと母がかーくんをしっかり育ててくれていたことに涙するママ。
パパはそれをなだめながら、思い直せと諭す。
『でも…』
勝幸がやはり死を選ぼうとすることに、思わず…
『やった!』
と喜びの声を挙げるママを止めるパパ。
ママはそれに怒って去って行ってしまった。
『とにかく、思い直せ、やりたいこと行きたいとこを考えなさい。…こっちに来るにはまだ早い。
人生をまっとうしてから来なさい』
パパもそう言ってママのあとを追って去っていく。

勝幸はしばらく葛藤し…考えたのち…決心する。


『やっぱり…ばあちゃんとモロッコでらくだだな…』
勝幸はそう言いながら三途の川を渡っていったwww

暗転。

まさかラテさんがコメディを‼️

しかしまんまと笑わされてしまったw
後日ラテさんが『まさか笑いが起こると思ってなかった』って言ってたけど…いやいやあれを笑わない人はいないでしょ?www
バスローブ男(笑)、菊さんのひょうひょうとした芝居。
はぐりんママの弾け切った底抜けに明るいキャラ。
なぎさんの、しっかりしてそうで、でもなんだか天然な尻にしかれ型パパw
まるでコントのようなお話だった。
一度ラテさんの長編な全編コメディな舞台が観てみたいと切実に思った作品でした。

でもしっかり死にまつわるお話でした✨(笑)



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もっと簡潔にまとめようと思ったんですが
やはりw長文になってしまうので
2ブログに分けます。 

そして、毎回ゆってますが
あくまでもきょろの記憶によりますので
シーンが前後していたり、セリフが違ったりと記憶違いがあるかもしれませんがご了承くださいませ。
ラテさんの世界観は崩していない自信はありますのでご安心をw

とりあえず前半戦はここまで✨


後半戦
4架空
5黙祷
レポもお楽しみに🎵

ではでは、あでゅ🙆

つづく…。