手術の進歩とは器具の進歩である | 共立美容外科・歯科 千葉院院長 児玉肇のブログ

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共立美容外科・歯科 千葉院院長の児玉肇です。
美容医療について、みなさんに分かりやすくお伝えしてきます。

美容外科に限らず、どんな手術でも日々進歩している。

 

進歩というのは具体的に言えば「手術時間の短縮→患者さんの負担の減少」ということである。

 

手術時間を1秒でも短くする、これは自分のモットーでもある。それは焦って手術を行うことではもちろんない。

・無駄な時間を作らない

・無駄な作業は徹底的に省く

・必要な作業は徹底した効率化を図る

 

この中で最後の、必要な作業を効率化するというのが手技に関わってくる。もちろん決められた手術手技を正確に手早く行うことは大事であるがこれも限界がある。

 

そこでその限界を突破するのが手術機材の進歩である。

 

たとえば自分の源流である消化器外科の世界においても、昔はハサミで切って血管を一本一本糸で結紮を繰り返していたわけだが超音波凝固切開装置等の進歩で格段に手術の時間、そして難易度が下がった。自動吻合器も言わずもがな。Ligasureなんぞはまさに神様のような器械である程度の血管でれば完璧にシーリングできる。もちろんその反面、そのような器械なしだと手術が進まないという外科医を生み出す可能性もある。とある先輩はLigasureを評して

「外科医を下手くそにする器械」

と言ったが、言い得て妙だ。ただ、我々は先祖返りしても仕方が無いので機器の進歩に同乗し前に進まなければならない。

 

ところで豊胸シリコンバックの手術は上記機器の進歩とは縁遠い分野だった。内視鏡を補助的に使ったりはあるかもしれないが結局剥離等は昔ながらである。そんな中で最近使用しているのがFunnelである。

 

 

 

これは単純に生クリームの絞り器のようであるが、驚くほど小さい傷で挿入できる。これは最初に述べた患者の負担、時間短縮の両方に有用である。もう元には戻れない。

 

傷は驚くほど小さく、そして縫合も吸収糸で真皮縫合し表面はダーマボンドで透明にコーティング、抜糸の必要も無い。手術時間も1時間かからないことが多くなった。これからのスタンダードであろう。

 

ということで、なぜか11月に豊胸バックの手術がたて込んでいる千葉院でした。