エッセイを読んでいたら、
フツーに死ぬ
という題で、彼女の愛猫の死の間際について書いてあった。
ガンであと1週間と言われた猫。
でも、佐野さんが美味しいご飯をあげようとすると、
顔を出して食べる。少しだけど。
諦念を浮かべながら、毎日を淡々と生き、
1ヶ月後に、亡くなった。
人間はフツーには死ねない。
猫はすごいという内容だった。

それで、思い出した。

一昨年天国へ行った実家の飼い猫の最期を。
その通りだな、と思った。
23年生きた。元は私が拾ってきた猫だった。
もうすぐ死んでしまうかも、と聞き、実家へ向かった。
私が見た時にはもう、顔の肉が一部取れ、骨が見えているのに、
私が実家へ行ったら、ゴロゴロしてくれた。
黙ってなでさせてくれた。
全然ものを食べなくなった、と聞いていたのに、
私が行った時には、お水も飲んで、エサも食べる、元気なところを見せてくれた。
その1週間後に、そうっと天国へ行った。

私には、そんなことできないだろうなあ。

そんなことを、思い出してしまった。