内診が終わり、採血やら尿検査やら簡単な検査をしたら、今日はそのまま帰っていいとの事。

そして次回はパートナーではなく
身内を連れて来いと言われた。

手術についての説明と
家族の同意が必要だからと...

この日が来てしまった...


帰ったら...
母に今まで黙っていた事を
伝えなければいけない

病院からの帰り道

車内でパートナーと母に
どう説明するか話し合った。

「先延ばしにするより帰ってすぐ言う方がいいと思う。分からん事や曖昧な事あれば俺に聞いてって言うてみて。一語一句間違えずに話を聞いたから!何聞かれても答えられるから。」



私「分かった。とりあえず帰ってすぐ話せそうなら話すね。」


こんな時に限って、家にも早く着く。


パートナーと分かれ家へ...

母「おかえり」

何かと格闘している母がいた。

私「ちょ....何しゆの(笑)」

母「見て分からん?ガスレンジ磨きゆぅのよ(*´ω`*)」

台所で鼻歌交じりに掃除している母を見て安堵する。


ぁぁ...今日もいつものママだ...

....良かった...
もう今日はこのままご機嫌で居てもらった方がいいんじゃない?
夜まで様子見ようかな....明日にしようかな



...ダメ...




....話さなきゃ....



....ごめん...ごめんね.....



...お母さん....



私「ねぇ ちょっとその作業 急ぎじゃないなら手を止めて?話がある 」

母「どうしたん?もう終わったよ」

私「あのね、結構前から不正出血で〇〇婦人科通ぃよったやん?」

母「あぁ!!...何か分かった?」


私「うん、最初の〇〇産婦人科で...」
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「そこでの対応が..」
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「でね、医大紹介されてね」
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「今まで休みの日も仕事あるって出て行ってたのも実は検査の為で...」
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明るくとまではいかなかったけど
泣かずに淡々と説明できた。
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私「でね、今 全摘すれば根治は可能って言ってくれてね...でもどうしても子供諦めきれないなら 他県やけど話だけでも聞く事できるみたいでね…そこでも恐らく全摘は勧められるけど話聞くだけでもって先生が...」



母「...子供なんていらん!!!」


ずっと黙って聞いていた母が

突然 口を開いた。
気丈な態度で聞いていたが
自分の第一声で堪えていた涙腺が緩んだらしい...

母の大きな目から
次から次へと大粒の涙が

ぽろり、ぽろり、と落ちていく。



母「手術して悪い所、全部取ってもらい!!
原因が分かって....
本当に良かった...」


私「孫...産んであげれんくてごめん」

母「アンタが子供(ガキ)やのに..!!!
これ以上手のかかる子供なんて要らん!!」

母「あんたの命の方が大事に決まっちゅう             ろ....早く見つかって良かった...
....良かった...」

母「これからの検査はお母さん付いていく。同意書も書く。他に何か必要なのは?入院はいつから?」


母「最近 様子変だと思ってた…でもアンタ仕事忙しいの一点張りで...ごめん...ごめんね。丈夫に産んであげれんで...」


やめて...ママは一切悪くない。


せっかく綺麗に産んでくれて
大事に育ててくれた身体を
粗末扱って...ごめんなさい...


ごめんなさい...


私の目にも涙が溜まる。

今、私が泣いてしまうと 母はもっと自分を責めるだろう。

何か話題を変えないと...



私「うん、それでね...治療終わったら」



私「犬 飼いたい。その子をウチの子供として一生家族で迎えたい」


犬を飼う事を反対されてたのを
ちゃっかり便乗させてお願いする。

母「うん...うん...飼おう...飼おうね。ちゃんと世話してよ? うんと可愛いがろうね。その為にはちゃんと治して...
治してから迎えようね。」


私「うふふ! やったぁ!!」

私「飼おうね!!飼おうね!!」

母「うんうん。」

少しニッコリ微笑む母を見て
話せて良かったと安心した。

今日は
私の知らない所で母はまた泣くんだろう。私の母は今きっと、世界一泣き虫さんだ。


ごめんね。お母さん....


これから親孝行頑張るね。