こちらも…過ぎてしまったけど


7月24日は
2015年『FREESTYLEII』個展開催初日。


こないだ『FREESTYLE2020』情報解禁の時に
嬉しくて号泣したことを話を書いたけど、
『FREESTYLEII』開催を知った当時も涙が止まらなかったのをよく覚えてる。


2013年夏に智くんのファンになって

2015年の個展開催の時って、ファンとしてはまだまだ新米というか。なのに、あんなに嬉しくて泣けたのはなんでだったのかなぁ…なんてことを考えてた。


『FS2020』の情報解禁時とは
ファンとしての気持ちの深さも智くんの状況も全く違うわけだし。


よく覚えているのが

どうしてもどうしても『FSII』に行きたくて、
「ああ、個展に行けるなら夏の国立コンサートの当落にハズレても我慢します」って願っていたら、本当に個展に行けて宮城にはハズレたの爆笑

「うん。個展行けたから仕方ない」って納得したの、
いい思い出ウインク









『FREESTYLEII』作品集また観てた。

私、智くんの3回の個展作品集のなかで
これが一番好きかも。一番多く観てる気がする。



『FS2020』作品集で
インタビュアーの米川さんが、作品の管理倉庫で一気に今までの作品を出して確認した時に、
あらためて『FSI』と『FSII』の作品って、全然違うんだなって感じたんです。
うん…そうだね。違うよね。

と言っていたけど

3回の個展って智くんの個展でありながら、作品も智くんの気持ちも状況も全然違ってるから、内容的に全然違うのが面白いなぁって。それぞれがひとつひとつ違った楽しみ方が出来る感じ。なんか智くんの歴史を感じられる。


今日はそれぞれの個展を語ってみたい

前にも書いたけどあらためて私なりの視点で
あんまり自信ないけどでもやりたい。出来るかな







『FREESTYLE』。
まさにその名の通り自由


2008年『美術手帖』

『タツノオトシゴ』について
長い時は「5〜6時間経っていたことも」あるという。内から溢れる思いのままに''勝手に''手が動いていた約1か月半。その期間は「毎日、仕事が終わってから描いて、寝ないでまた仕事に行く」ような生活だった。だが、「むしろ忙しい時のほうが描きたくなる。忙しいことより、描けないことのほうがストレスだから」と笑う。

というように

智くんの中から溢れるもの。
それを放出しないとかえってストレスになるというほど。


この美術手帖でもインタビュアーをつとめる米川さん。
『タツノオトシゴ』について
・大野智を知る1つの鍵である
・これまでにない''自分が剥き出し''の作品
・大野智の中に渦巻く、あらゆる感情やイマジネーションが放出されている と。


米川さんが言うように『タツノオトシゴ』は
『FREESTYLE』の代表作のような作品だと、私は思う。のちに
上海個展でも、宮城コンの衣装でも使われて
智くんの中でも特別な思いがあるんだろうなって


今までは『これを描く』って決めて描いてきたけど、『何もない状態で描く』のは経験がなかった。好きに描いたら、その時の気分、描きたいと思ったもの、そういった自由な自分の感情が絵に出るんじゃないかなと思って。

だからこの絵を見ると、その時考えてたことが全部わかりますね。何にも縛られずに描いたから、自分でもどうなるかわからなかった。


こういう、アートに関する智くんの言葉からは
根っからのアーティスト気質、それも生半可じゃない域のものが伝わってくるから鳥肌もの。

この『美術手帖』に『タツノオトシゴ』のなかの''SATOSHI''部分あたりがドアップで載っているんだけど、描き込む細かさにあらためて見入ってしまう。語彙力なくて凄いしか言い表せられないんだけど、米川さんの
''大野智を知る1つの鍵''''自分が剥き出しの作品''
という言葉がホント、この作品を言い表している。


これを

''何もない状態で描く''''何にも縛られずに描く''
こうなるんだ…っていう、そして

''自分でもどうなるかわからなかった''って
それって凡人の私にはなかなか感じることがない感覚


『FSII』作品集で
前回の時に、細密画『タツノオトシゴ』が楽しかったから。って言ってたそれは、その時感じた''感覚''が楽しかったんだろうなぁって思う。



そして、100体のフィギュアにしても
『FSI』作品集で、映画『黄色い涙』撮影期間
撮影が夜中に終わろうが、そこから朝まで作って、そのまま寝ないで現場に行った方がスッキリする。作らないとダメだったんだよなぁ。

100個作ろう!って思うこと自体が私には尋常じゃない感覚。そして100個作って、でも、もう満足って言う智くん。100個作って満足したんだねぇ…って思うと、そんな智くんが智くんらしくて大好きおねがい



智くんの中から溢れて溢れて仕方ないもの「自由」。
それを形にしていくのが
2008年『FREESTYLE』



『FREESTYLE』というタイトル

『FS2020』作品集でこのタイトルについて
''大野智 展''という案も挙がったし
''FREE STYLE''というワードを使うのかどうか、という議論があったと言ってたけど、本当にこのタイトルで良かったなと思うおねがい




『FREESTYLEII』。
7年後のそれは進化。


作品集冒頭の智くんコメント
今回発表する作品は、この7年間で新たに作ってきた''今の自分''です。大野智としても、嵐としての自分も、やっぱり前回の時とは全然違うと思うし。あれから、いろんな出会いもあり、葛藤もあり…っていう、この''7年分の自分''が見えるものになってるんじゃないかと思う。
前回の個展を経て、おいらがどう変わったのか?それが、全てだと思うから。


この智くんの言葉に…重みと深みが。


よく、自分を振り返る彼だからこそ、この7年間の自分をちゃんと振り返って、見て、ちゃんとそれを踏まえてる感じがする。

2回目の個展開催に至るまで、もがいて苦しんで、でもその葛藤と向き合ってきて今、ここに居る自分を感じながらのこの言葉、

なんじゃないかなぁ。



2015年『美術手帖』
山口晃画伯との対談。山口画伯の言葉に智くんの進化がある。

さっき(新しい作品集を)観まして。びっくりしました。進んでるんですよ。境地が。これちょっと冷や汗をかきましたね。こういう席でほめるといやらしいじゃないですか(笑)。絶対言うもんかくらいの気持ちできたけれども。ちょっとヤバいですよ。

奈良さんや草間さんに出会って衒いなく取り入れていて
あ、正面突破してるこの人、みたいな。

でもまったくかまわず、やってる。ちぢこまってないっていうのが気持ちいいですね。さらに謎が増している感じ。

自分にちゃんと直結したものとしての作品を創るとき、言葉としては自覚していないかもしれないけれど、大野さんは必要なものをちゃんと選びとっていける人だと思いました。


そう、この山口画伯の言葉、
''自分に直結したものとしての作品''

智くんの作品には嘘がない。そう思うのは、作品が自分に直結してるから、だと思う。智くんの中から出てきたものだから人間臭くて泥臭くて、そこがたまらなく魅力。なんていうか…ただキレイだなぁとか美しいなぁとかっていうものと一線を画す。


で、撮影後記かな感想的な最後コメント
大野智さんへ 山口晃
とても楽しいひと時でした。新しい作品集、本当にびっくりしました。趣味の楽しさが全面に出ていた前の作品集に比べて、美術作品としての面白さに溢れていたからです。正直これはうかうかしていられぬぞと、ちょっと冷や汗がでました。表面的な美術らしさではなく、自らの興味に忠実に、それを掘り下げて作品に至っていることが凄いと思います。

山口画伯、
作品集、前のと新しいのとちゃんと観て下さってて。

「前の作品集に比べて、美術作品としての面白さに溢れていた」と、智くんの進化を語ってくれて

「表面的な美術らしさではなく、自らの興味に忠実に、それを掘り下げて」そうそう、表面的ではなく自己の内側に向かっていること、見る人が見ればちゃんとわかるんだなぁって。





この…2015年の『FREESTYLEII』。
『FSI』後、その個展を経験したからこその描けない時期があり、奈良さんに出会い、草間さんに出会い、東日本大震災があり、京都での匿名展示があり、長期休暇があり、お仕事としての創作を求められるようになり…そういうひとつひとつの事が…2回目の個展開催への布石になってる気がする。

こんなふうに書くと
智くんの7年間を簡単に書いてる気がして、なんかちょっと嫌なんだけど…

もっとこう…深い部分で作用してるような…。

だからこの、進化っていうのも
智くんが懸命に向き合って乗り越えてきた進化
それが2015年『FREESTYLEII』。





『FREESTYLE2020』。
自分とファンとのつながり。

『FS2020』作品集インタビューpart1、あらためて読んでると胸が痛む。

ー「描きたいものがない」っていう状態は、もう結構長く続いてますよね。
長い、ね。それは、やっぱり2回目の個展(FSII)をやった後…から、だよね。あそこから、反省の日々だから。

この取材が2020年1月下旬実施。
約4年とちょっとくらいかな、反省の日々だと言う智くん。


ジュリーさんに
「あなただけのファンの方もいるから。ちゃんと一つ、あなたができることをやらなきゃね」って言われて、それは何なのか、とたくさん…たくさん悩んで考えた智くん。

私、思うんだけど

さっきの
2015年『美術手帖』での私が大好きな智くんの言葉
僕、描くことに関しては、ファンの人に合わせることはできないんですよ。そうすると自分がどっか行っちゃうから。

これは智くんが智くんである為に大切なことだから、そこは絶対に譲れない部分、譲っちゃいけない部分だと思ってて、だから大好きな言葉なんだけど


でも

『FREESTYLE2020』は

''活動休止''という事を踏まえて、自分だけのファンのための個展開催になった、と思う


活動休止する前に
自分がずっと引っかかっていた事、クリアにしたかった事を…作品集でファンに全てさらけ出して、''あらためて描く''ことで…自分とファンの記憶の上塗りをした。


今回のこだわりとしたら、休止後も一個、俺もちゃんと身に着けるから、みんなも…っていう''通じ合ってるもの''が一個欲しいなっていう。それだけだよ。あとは、パグの絵のTシャツを…きちんと説明をした上で、出したいっていう。

その2点だね。


智くんがこの個展開催する上でのこだわりは2点。
・ファンのみんなと通じ合ってるグッズ制作
・パグの説明とあらためて描いてTシャツグッズ化



『FSI』『FSII』の2度の個展は…
作品自体、そして自分自身に向き合う作業だった

でも『FS2020』開催と創作は…
それまでの創作する時の考え方や思い、気持ちを変えるもの、だったんじゃないかと思う



でも、そんな中でも…
智くんはやっぱり…自分自身に向き合わなければ描けなかったんじゃないかと思って。だから『ジャニーさんの肖像画』が描けたのは本当に良かったと思う…。



だから

『FS2020』での作品、
『パグちゃん』『ジャニーさんの肖像画』『大型細密画』そのどれも、これまでとは違う作品だったよね。









この、3度の個展についてはその時々の感情でまた書くかも。でも、書くたびに内容が違うかも。智くんのアートは智くん自身だから、智くんの深い部分にあるから、深くって…書きたい衝動が先走ってしまう


難しい
でも楽しいおねがい





最後に
2015年『美術手帖』の奈良さんインタビューから

これは自分とすごい似てるんだけど、彼は、ただ描きたくて描いてるだけなんだよね。ひとりでさ。だから作品の意味を聞かれても困っちゃう。美大生だったら制作について友だちと語り合うだろうけど、そんな時間もないなかで制作を続けるっていうのは、精神的にすごい大変なこと。それでもやってるから、本当に必要なことなんだなって思う。絵がどうのというよりも、自分はその姿勢が好きなんだよね。

これから周りの環境に本人の望まないかたちで左右されなければいいなって、いつも思うけどね。



やっぱり
奈良さんは智くんの良き理解者なんだろうな…

奈良さんのこの言葉には、書けなかった時期の智くんの何かがあるような気がする。