8月1日に一般病棟に移ってから毎日のように面会に行きました。


一般病棟に移り3日目の朝。

いつも通り面会に行き、いつも通り語りかけていました。

すると一瞬瞼と手が動いた感じがあり、必死に呼びかけてました。


すると口を小さく開け何かを伝えようとしてましたが気管切開もしており、体力もなかったため声を出すことができず手を握り動かすことで祖父が伝えたかった事を読み取ろうとしてました。


しかし結局何を伝えたかったのかはわからないままでしたが目から涙を流していました。


私の解釈では「ありがとう」と言ってるようで気づいたら私も「ありがとう」と祖父に向かって語りかけていました。


反応を見せてくれた奇跡から2日後の8月5日の夜。

この日はみんなが忙しく集まれたのは夜でした。いつも通り面会に行き、いつも通り語りかけていました。

すると祖母が「今日は病院に泊まるわ。1人で大丈夫だから。△△たちは家に帰って休みなさい」と言ったんです。


病院に泊まることも許可されていたため、そこまで不思議には感じずにいました。


私はただ、祖母のメンタルと体力が心配でしたが祖母が「1人で大丈夫だから」と同じ事を言っていたので、私たちは一旦帰宅することに。


祖父の病棟を出たのが夜9時30分くらい。

自宅に着いたのが10時すぎでした。


帰宅してからも落ち着かず、祖母と連絡はこまめに取っていました。


祖母も大丈夫だからと連絡が来たため、家のことをすることに。


ご飯を食べる気力もお風呂に入る気力もなく、家のことをしながら携帯と睨めっこ状態でした。


帰宅してから1時間後祖母から連絡が来ました。

さっき「おやすみ」と送ったはずなのにどうかしたかなと思い携帯を開くと、「もう危ない」と一言。


すぐに電話をかけ確認すると、「心拍が落ちてきてる。」と連絡があったためすぐに病院に向かいました。


病院に向かっている時にみんなには連絡を入れ、来れる人は来るように連絡しました。


そして、病院へ向かっている途中。

8月5日。23時38分。お空に旅立ちました。


せめて、私が着いてからがよかった。生きているうちに「ありがとう」ってもっともっと伝えたかった。「大好きだよ」ってたくさん伝えたかった。家族も同じことを思ったみたいで、泣きながら病室に来ました。


今思うと祖母の言葉「1人で泊まるから大丈夫。」

この言葉は最後祖父と2人きりで過ごしたかったのかなと思っています。


祖父が亡くなってからは月日が早くすぎていきました。


祖父のお葬式は家族葬で行い、涙しながら想いを伝え、最後のお別れは大好きな家族に囲まれながら旅立ちました。


祖父の遺影やお骨は今も尚祖母と暮らしていた家に置いてあります。


祖父を亡くしてから約4ヶ月。亡くなってすぐは心に穴が空いたようで、笑えませんでしたが今では祖父が見守ってくれていると思うとみんな笑顔で仏壇の前に座り1日の出来事を報告しています。


祖父がいなくなった穴は大きくそれぞれが心に穴が空いたような感じが残っており、祖父がいないクリスマス。祖父がいない弟たちの成人式。祖父がいない卒業式と祖父がいない思い出がこれからは増えていくと思うとすごく寂しい気持ちです。


これから楽しいことが待っていたはずの人生ですがたった一度の出来事で変わってしまう悔しさや苦しさ。

何もできなかった自分を責めることしかできない後悔。

一度は嫌いになった自分の職業。

人の命の儚さ、尊さを改めて実感し、祖父に考えさせられた出来事でした。


誰しも生きていれば同じような出来事を経験すると思います。

自分が同じ立場になった時、何を思って感じ、何を大切にするか。後悔のないように生きてほしい。伝えてほしいと思います。


私は祖父が亡くなってからも大切にしている言葉があります。


祖父が元気な頃、私の成人式の時私にこっそり、かけてくれた言葉。


「私の笑顔で周りの人が元気になれたり、勇気づけられたり、周りの人が笑顔になれる才能がある。

その才能にプラスして綺麗なたくさんのお洋服を着飾ることで輝けて、憧れられる存在になることができる。私の存在で助けられる人がたくさんいること、私みたいになりたいと思ってくれる人がたくさんいることを忘れないで」


祖父が私に残してくれた最後の言葉です。


この言葉を胸に一度は嫌になった看護師も続けています。


祖父の優しい声や優しい笑顔、暖かな温もりが大好きでした。


祖父からもらったたくさんの愛情を今度は私が周りに伝えていけるように前に進んでいきたいと思ってます。


最後に祖父に一つだけ聞きたいことがあります。


私が生まれてから21年間祖父は幸せでしたか?“


質問の答えは雲ひとつない空で答えてくれると思い

ます。


これからも祖父の思いを胸に、家族で前に進み続け、祖父が見たかった景色をこれからも見続けたいと思います。


ここまで見ていただきありがとうございます。

祖父と家族一緒に戦った3ヶ月間のSTORYはいかがでしたか??


私が忘れることのできない出来事をみんなに知って欲しくて、今苦しんでいる人にも届いて少しでも私の思いが伝わればと思いブログに綴りました。


一度嫌になった職業も後悔した自分も今はたった一つの言葉で前に進めてます。


このSTORYを読んで皆さんは何を思い何を感じましたか??


人の弱さや儚さ、尊さを少しでも感じてもらい命の大切さ、家族の絆をもう一度確かめる機会になれば幸いです。


これにて祖父と家族一緒に戦った3ヶ月間のSTORYは終了します。

これからは看護師である今の自分や学生時代の出来事などを綴っていけたら思っています。


part①からpart⑩まで読んでくださり本当にありがとうございました。