国連事務総長、過去の奴隷貿易に対する補償訴え 

             2024年3月26日   ロイター 

[25日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は、「奴隷及び大西洋間奴隷貿易犠牲者追悼国連デー」

に当たる25日に発表した声明で、過去の奴隷貿易に対する補償の必要性を改めて訴えた。

 15世紀から19世紀にかけて、アフリカ大陸から 少なくとも 1250万人が 欧州の商人などによって

誘拐、もしくは 移動を強制されて奴隷として売られ、劣悪な航海を乗り切った人々は ブラジルや

カリブ海諸国の大農場で 重労働を強いられるなどの苦痛を味わった。

 

    グテレス氏は、こうした過去の出来事が「 白人優越思想に基づいた暴力的な差別のシステムの

土台を築いた 」と指摘。何世代にもわたる排除と差別の克服を 後押しするため、補償に向けた

公正な枠組みを求めると述べた。

   昨年9月に公表された国連の報告書でも、関係諸国が 奴隷制度に対する金銭的な補償を検討すべき

だと提言されている。