マイナ強行 河野デジタル相、裏金議員へ“けじめ”発言に 国民の怒り

 

 

なぜ低い?国家公務員のマイナ保険証の利用率は4%台 

 「マイナカードの利用すら嫌」職員の本音

                                                 2024/02/16          AERA dot. 

 「 自分の個人情報が漏れてしまうかもしれなくて、怖くて なかなか使えないですよね 」

 

   国土交通省に勤務する40代の男性は昨年、マイナンバーカード を保険証として使う「マイナ保険証」

の登録をした。 最大2万円分のマイナポイントが欲しかったからだ。 ところが、現在まで

マイナ保険証を利用していないという。

 

   国家公務員のマイナ保険証の利用率が低迷している。 厚生労働省の資料によると、国会公務員の

利用率は 2023年11月時点で 4・36%だった。利用率は、医療機関が 受診者の医療保険の加入情報

などを確認する際に、従来の保険証でなく マイナ保険証が使われた割合

 省庁別では、総務省が 6・26%で、財務省や農林水産省などが 5%台、厚生労働省や文部科学省

などが 4%台、最も低いのは 防衛省の 2.50% だった。

 

 マイナ保険証をめぐっては、23年5月に 個人情報の漏洩や登録ミスが相次いだ。別人の個人情報

が誤って ひもづけられ、マイナ保険証を 医療機関などで利用した際、自分のものでない 医療情報や

薬剤が閲覧されたケースが起きた。

 

他人が閲覧できる状態

 加藤勝信厚生労働省大臣(当時)は 記者会見で「 入力時にミスがあり、別の人の情報がひも付いて

しまった 」と述べた。

 それだけではない。同月には、マイナンバーで行政手続きができるサイト「マイナポータル」で、

兵庫県職員らが加入する共済組合の組合員家族の個人情報が 約7ケ月間、他人が閲覧できる状態に

あった。漏洩した情報は、組合員1人の氏名や生年月日、住所、医療関係先などの情報だったという。

また、コンビニでの証明書取得サービスで、住民票などが誤って交付されるケースも相次いだ。

 

     最も利用率が低い防衛省の中堅の男性職員が言う。

機密に関わる仕事を担当しているため、個人情報の漏洩なんてされたら たまったものではない

そもそも マイナ保険証の登録すらしたくなかったし、マイナンバーカードの利用すら嫌だ

    また、公安調査庁に勤務するベテランの男性職員は「 漏洩事件が相次いだことから、一部の職員

は マイナ保険証を使うことに反対する人が多い。マイナ保険証だけではなく、マイナンバーカードの

使用にすら懸念を抱えている人もいます。なかには 毎日入館手続きの申請を紙でする人も 」と話す。

 霞ヶ関の各省庁は 数年前から、マイナンバーカードが建物の入館証を兼ねている。複数の関係者は

口を揃えてこう危惧する。

誰が入館しているか把握することができることため、マイナンバーカードが 外国情報機関などの

ターゲットにされかねない

 

不備だらけ

 経済ジャーナリストの荻原博子さんは こう憤る。

「 マイナ保険証については 国家公務員のほかにも、医療従事者からも批判が相次いでいます。

端末エラーなどの不備が多すぎて、受付窓口がスムーズになるどころか混乱をしています。

なかには マイナ保険証の不具合で 無保険扱いになりそうになった事例もあるんです 」

 さらにこう続ける。

「 個人情報の漏洩が しばしば起こっている始末で、国家公務員の利用率が低いのも当たり前なこと。

政府は 国民の不安を全く把握できていない。不備だらけの中で導入を突っ走っていったら、今後

大きなトラブルが起きかねません。今すぐ立ち止まって見直しすべきです 」

                            (AERA dot.編集部・板垣聡旨)