なぜ、日本の国会や地方議会は、

  イスラエルのガザへのジェノサイドを

  即時停止する要請決議をしないのだろうか?

 

                合掌

  

 

ガザの停戦決議、米の拒否権で否決 国連安保理

             2023年12月9日    日本経済新聞

【ニューヨーク=佐藤璃子、三島大地】国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザでの

 人道目的の即時停戦を求める決議案を採決したが、常任理事国である米国が 拒否権を行使して

否決となった。 理事国15カ国のうち、日本を含む 13カ国は賛成に回った。英国は投票を 棄権した

  決議案は アラブ首長国連邦(UAE)が提出した。イスラエルとイスラム組織ハマスの双方に停戦を

呼びかける内容で、アラブ諸国や中国、ロシアをはじめとする100カ国以上が共同提案者となった。

 

   決議案は グテレス国連事務総長が6日、国連憲章の第99条に基づき、理事国に対して

「 人道的大惨事 」の回避と人道的停戦を宣言するよう要請したことを踏まえ提出された。

 

   午前の会合に参加したグテレス氏は「 安保理の各理事国に対し、早急な人道的停戦と市民の保護、

緊急援助の提供を強く求める 」と述べた。「 ガザにおける人道支援システムが完全に崩壊する危険性

が高い 」とし、周辺国にも 安全保障上の影響が及んでいると事態の深刻さを訴えた。

 

   これまでも 安保理は、6回にわたりガザ情勢を巡る決議案を採決にかけてきた。

採択に必要な賛成票を集めても、常任理事国は 拒否権を行使することで決議案を否決できる。

米国やロシア、中国が それぞれ拒否権を行使して対応がまとまらない展開が続いていた。

 

   11月中旬に マルタが提出した緊急かつ「 人道的な一時休止 」を要請する5回目の決議案が

ようやく採択された。戦闘は 11月24日に 一旦休止したが、12月1日には再開した。

戦闘再開で ガザ市民らの被害が拡大しており、累計の死者数は 2万人に迫る。

 

   そうしたなか 6回目の決議案が提出されたが 再び、常任理事国の拒否権で決議案が 反故に

なった形だ。米国が拒否権を行使した背景には 停戦を巡る表現の隔たりがある。

国連は 決議案が求めた「 即時停戦 」を両陣営の合意に基づく戦闘の停止と定義する。

  アラブ諸国などは 戦闘の「一時休止」では ガザ地区の民間人被害は減らないとみて 即時停戦を

求めるが、イスラエル側は ハマスへの降伏を意味するとして反対する。

 

   停戦になれば 戦闘員を休ませ、再武装する時間を与える点で ハマス側に利益をもたらすとの

見方もある。米国のウッド国連次席大使は「 我々は 即時停戦を求める声には賛同しない。

(停戦は)次の戦争の種をまくだけだ 」として、一時休止に こだわる姿勢を示している。

 

   国際社会も 当初は 米国の立場に理解を示していたが、国連職員や民間人の被害が広がる中、

米国との対立姿勢を強めている。実際、決議案には 米国が求めるハマスへの非難とイスラエルの

自衛権に関する文言は盛り込まれなかった。

   シンクタンク「国際危機グループ」のリチャード・ゴーワン氏は「 アラブ諸国は 米国が反対票

を投じると知りながらも(決議案の)表現に融通を利かせることはしなかった 」と指摘する。

そのうえで、今回の決議案は「 米国とイスラエルに戦闘を止めるよう国際的圧力をかける キャンペーン

の第一歩だ 」と分析する。

   国連事務総長が 99条を持ち出して 安保理の対応を求めるのは極めて珍しく、拒否権の発動には

重い責任がのしかかる。民間の犠牲が増え続ける中、中東和平に向けた現実的な解を見いだせなけ

れば、国際社会における 米国の孤立は深まることになる。

 

 

2018年収録    (26分)

岩上安身によるインタビュー  東京経済大学 早尾貴紀教授(当時准教授)

 

  同上     (35分)

  

  イギリスは 第一次世界大戦中に戦後の中東問題に対して、以下の三つの協定を結んだ。

    1915年10月 - フサイン=マクマホン協定( 中東のアラブ独立・公開 )

    1916年  5月 - サイクス・ピコ協定( 英仏露による中東分割・秘密協定 )

    1917年11月 - バルフォア宣言( パレスチナにおけるユダヤ民族居住地建設・公開 )

 

 

 

 

 

イスラエル軍が「非人道的兵器」使用、市民9人負傷…米軍が提供か

                 2023/12/12   読売新聞

【ワシントン=淵上隆悠】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は11日、イスラエル軍が10月に

  レバノン南部を攻撃した際に 米軍が提供した 白リン弾を使用し、少なくとも市民9人が負傷した

  と報じた。高温を発して 人体に深刻な害を与える白リン弾は 「非人道的兵器」と指摘されている。

 

     同紙の記者が、イスラエルと敵対するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが 拠点を

  置く町で 砲弾3発の残骸を見つけた。専門家が検証した結果、米国製と判明したという。

  米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は11日の記者会見で懸念を

  表明し、イスラエル側に 詳細を確認する意向を示した。

 

 

ガザ即時停戦決議を採択 国連総会、153カ国賛成 

  イスラエルは反発「テロリストの生存を確保」

                           2023.12.13           (ロイター) - Yahoo!ニュース

   国連総会は 12日、緊急特別会合を開き、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルと

イスラム組織ハマスの紛争について、人道目的の即時停戦を求める決議案を採択した。 

4分の3以上に当たる153カ国が賛成、米国やイスラエルなど10カ国は反対23カ国は棄権した。 

   米国は ハマスによる「 凶悪なテロ攻撃 」への非難を盛り込むよう修正案を提出。

オーストリアも人質が ハマスに拘束されていると盛り込むよう修正案を出したが、いずれも否決

された。

   イスラエルのエルダン国連大使は「 停戦が意味するところはただひとつ、ハマスの生存を確保

することだ 」と述べて決議に反発した。

         国連総会の緊急会合 ガザの停戦求める決議案 賛成多数で採択 | NHK 

         【棄権 23か国】

           アルゼンチン、ブルガリア、カボベルデ、カメルーン、赤道ギニア、
           ジョージア、ドイツ、ハンガリー、イタリア、リトアニア、マラウイ、
           マーシャル諸島、オランダ、パラオ、パナマ、ルーマニア、スロバキア、
           南スーダン、トーゴ、トンガ、ウクライナ、イギリス、ウルグアイ
         【反対 10か国】
           アメリカ、イスラエル、オーストリア、チェコ、グアテマラ、リベリア、
           ミクロネシア、ナウル、パプアニューギニア、パラグアイ

 

    国連総会は 10月にも緊急会合を開き、「 敵対行為の停止につながる、即時かつ持続的な

人道的停戦 」を求める決議案を採択していた。121カ国が賛成、米国など14カ国が反対44カ国

が棄権していた。 総会の決議に法的拘束力はないが、国際社会の総意を示すものとされている。

 

    ガザ地区の情勢を巡っては、国連のグテーレス事務総長が 安全保障理事会に対して停戦を求める

よう要請し、8日に人道的な即時停戦を求める決議案の採決が行われたが、米国が拒否権を行使して

否決された。