3.11以前の土壌汚染 まとめ(1)
3.11以前の放射能汚染は、
主に 1950年代から60年代前半にかけての大気圏核実験のフォールアウトによるとされます。
大気圏核実験は、1963年 部分的核実験禁止条約 (PTBT) で禁止。
米ソは 前年 1962年以降 大気圏核実験を止めた。
1945年から約半世紀の間に 2379回(内 大気圏内 502回)の核実験が各国で行われた。
そのエネルギーはTNT換算で 530メガトン(大気圏内は 440メガトン)で、これは 広島へ投下
されたリトルボーイの 3万5千発以上に相当。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/0d/Worldwide_nuclear_testing.svg/750px-Worldwide_nuclear_testing.svg.png
中国の核実験45回のうち 23回が大気圏内、22回が 地下核実験。
最初の核実験は 1964年10月16日(1967年6月17日 水爆実験)。
1980年10月16日に最後の大気圏内核実験、1996年7月29日に最後の地下核実験を行う。
以下、セシウム137による土壌汚染ついて。
「環境放射線データベース http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.top 」
長野県の放射能水準調査は、1977年3月から 長野市で行われてきました。
この年の測定結果は、2.405~9.99 ㏃/㎏ で、1980年は、5.92~19.24 ㏃/㎏で、
それほど 大したことはない汚染でしたが、さらに年を追っていくと、
不思議なことが起こっていました。
この年(80年)から2011年までのデータで、30㏃/㎏を超えた年を上げてみると、
1988年 2.8~ 47 ㏃/kg、 89年 6.3 ~79 ㏃/kg、 90年 2.2 ~ 45 ㏃/kg、
92年 23 ~140 ㏃/㎏、 93年 5.7 ~54 ㏃/kg、 96年 1.3 ~ 55 ㏃/kg、
97年 7.7~ 31 ㏃/kg、 98年 18 ~97 ㏃/kg、 99年 16 ~150 ㏃/kg、
2000年 3.8~ 46 ㏃/kg、 01年 7 ~66 ㏃/㎏、 05年 4.5 ~ 60 ㏃/㎏、
06年 13 ~ 77 ㏃/㎏、 07年 7.4 ~61 ㏃/㎏、 08年 8.9 ~ 61 ㏃/kg、
09年 8.5~59 ㏃/㎏、 10年 8.9 ~72 ㏃/㎏。
そして、2011年7月 4.9 ~ 133 ㏃/kg。
となっています。
長野市では 2010年まで 恒常的に 50㏃/㎏以上の数値が出ていて、
1963年から40年を経ても 一向に汚染が下がっていない。
( 1960年代から76年のデータを欠く )
88年以降の土壌汚染の増加の原因としては、86年4月の チェルノブイリも考えられるが、
デンマークの資料「全食事中の90Srと137Csの濃度の経年変化 」には、この影響が顕著
しかし、ヨーロッパ各国に降下したセシウム 、『放射性降下物』(放射線科学センターのHP)
をみると、ヨーロッパと比べて 日本の影響は 少なく、 また 日本人のCs137の体内量は
核実験による フォールアウト のピーク 1963年の1割以下だったので、88年以降の増加は奇妙です。
しかも 福島第一原発事故を経た 2011年7月よりも 高い汚染が、92年と99年出ています。
北隣の新潟県の調査結果をみると、
単位(㏃/kg)略
1963年 長岡市 25 ~139.4 、 村上市 25.8 ~ 71.2 、
64年 長岡市 23.4~ 33 、 村上市 41.3 ~100、
69年 中蒲原郡 39.4~285.2 、
70年 中蒲原郡 12.4~ 50.1 、刈羽郡刈羽村 19.2~145.7、
71年 中蒲原郡 2 ~ 11.2、 刈羽郡刈羽村 50.5~159、
【以下 刈羽村】
72年 25.5 ~117.9 75年 35.5~108、
76年 26.6 ~ 63、 77年 28.5~ 40.7
【以下 柏崎市】
78年 6.3~ 47.8、 80年 20.4~ 62.6、
81年 37 ~102.5、 85年 21.5~131、
86年 31 ~102.5、 88年 5.2~ 20、
90年 7.2~ 27.7、 91年 8.6~ 86.2、
92年 7.4~ 27.7、 96年 6.2~ 40、
99年 15 ~ 58.5、 2000年 5.3~ 21.5、
・・・(以下 2011年まで 40㏃を超える年はない)
新潟県は、1986年のチェルノブイリ以前から 高い汚染が見られが、
87年以降 目立った増加はなく、低減傾向を示した。
↙ この間、データを欠く
1963年 11 ~103.6、 64年 7 ~128.4、 ・・・・
72年 7 ~ 13.9、 74年 11.5~ 28.5、
76年 40.4~ 133.2、 77年 31.5~166.5、
78年 30.7~178.3、 79年 23.9~134.9、
80年 41.6~164、 81年 41.6~ 91.1、
82年 18.2~ 59.6、 83年 9.7~ 98.7、
84年 21 ~140.6、 85年 25.6~158.2、
86年 23.3~ 89.4、 87年 56.4~154.8、
88年 73.8~169.2、 89年 44.6~226、
90年 16 ~ 41.2、 91年 24.3~100、
92年 31 ~ 57、 93年 6 ~ 63.1、
94年 16.9 ~ 44.6、 95年 16.9 ~ 81.5、
96年 11.4 ~ 31.4、 97年 1.7 ~ 67.9、
98年 9.8 ~ 22.9、 99年 20.6 ~ 53.8、
2000年 16.9 ~ 47.5、 01年 1.2 ~ 42.2、
02年 15.2 ~ 30.3、 03年 14.5 ~ 27、 04年 8.4 ~ 27、
05年 21 ~ 51、 06年 9.2 ~ 46.2、
07年 10.3 ~ 47.7、 08年 9.4 ~ 47.7、
09年 12.3 ~ 43.1、 10年 9.1 ~ 47.7、
11年9月 21~35.4。
次いで、青森県の場合。
64年 31.9 ~87.5、 65年 45.3 ~78、 66年 4.2 ~43.5、
67年 9.7 ~33.4、 68年 27.4 ~60.6、 69年 9.3 ~88.8、
70年 12 ~55.9、 71年 1 ~ 5.4、 72年 0.6 ~1.4、
74年 2.3 ~ 4.1、 75年 1.9 ~ 5.2、 ・・・
86年 未検出 ~ 2.2、
87年 未検出 ~ 1.5、 88年 0.5 ~ 5.2 ・・・
94年 2 ~26、 98年 11.7 ~37、 99年 24.6 ~57、
2000年 未検出 ~ 3.9、・・・
北海道(札幌市)の場合。 年次を追って 最高値(㏃/㎏)を挙げていくと、
年次 63 64 65 66 67 68 69 70 71
53.5 54 22.3 12.2 50.6 35.1 46.8 49.7 -
72 74 75 76 77 78 79 80 81
41.7 12.5 53.5 66.6 28.5 47.8 51.8 48.1 59.2
82 83 84 85 86 87 88 89 90
48.1 51.8 30 44.4 31.1 31.5 36 44 40
91 92 93 94 95 96 97 98 99
38 38.4 37.6 29.4 27.9 36.9 28.2 25.2 21.4
2000 01 02 03 04 05 06 07
27 30.3 26.2 31.5 21.9 22.5 20.5 16.9
太平洋側に回って、
岩手県(岩手郡滝沢村) は、チェルノブイリ後の 1988年以後から データがあります。
最高値(㏃/㎏)を挙げていくと、
年次 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96
103.6 100 70 65 69 86 70 78 46 61
97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06
23.1 56 40 45 35 35 63.7 71 46.2 47.5
07 08 09 10 11
29.2 34.8 42.4 40.4 130
年次 64 (仙台市) 65 66 67 68 69 70 71 72 74
32.4 (56.9) 12.5 21.9 43.5 54 37.7 46.5 5.6 4.5 37
75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85
62.9 22.6 35.2 44.4 33.7 33.3 2.8 2.6 88.8 4.8 10.2
86 87 88 89 90 91 ・・・【以下大崎市】 2007 08 09 10
4.4 9.1 9.2 10.7 7.7 9.1 8.2 4 7.4 3.5