原発避難なお3万人 事故後11年余り、帰還5割―福島

          2022年06月18日  時事ドットコム (jiji.com)

 

 東京電力福島第1原発事故が起きた福島県の一部地域は11年余りたった今も人が

住めない状況が続く。なお 3万231人が避難を余儀なくされ、避難指示などが解除された

12市町村の帰還率は 全体で5割にとどまる。

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【図解】避難12市町村の帰還率

                         【図解】避難12市町村の帰還率

 

 復興庁によると、東日本大震災や原発事故で 一時47万人以上と推定された避難者は、

4月8日時点で 3万5110人に減ったが、大半を 福島県の帰還困難者が占める。 県内は

原発立地自治体の双葉町のほぼ全域が 立ち入り制限されるなど、7市町村が 帰還困難区域

指定されている。
 福島県民の避難先は、県外が 2万3677人、県内は 6549人、不明が5人。このうち

友人や知人宅に身を寄せている人は、県外避難者の半数以上、県内避難者の8割以上に上る。


 放射性物質の拡散により避難指示などが 一時12市町村に出されたが、除染やインフラの

復旧、生活環境の整備に伴い、徐々に帰還が進む。

   解除区域全体で、住民登録に占める帰還率(移住者含む)を見ると、いち早く解除された

田村市の地区は 92.1%に上り、大熊町の地区で 67.4%、南相馬市の地区は 59.8%と

なっている。
一方、富岡町 22.9%、飯舘村 30.2%、葛尾村 43.0%で、町の8割余りが
帰還困難区域

に指定されている浪江町は 11.8%止まりだ。
 「 誰もいない、何もない所には住めない 」「 生活に関わる山林、農地、水源の除染も必要 」

「 避難指示が長くなりすぎた 」。今月12日には帰還困難区域の葛尾村一部地域で 初めて

避難指示が解除されたが、先立って行われた説明会では こうした声が避難者から相次いだ。
 帰還を果たした半沢富二雄さん(69)も「 事故から11年たってようやく解除された。

ここからまた 11年たったら 80歳。(生活再建が)俺にできるかなという不安はある」と話した。