〈機密文書入手〉

韓鶴子総裁と統一教会幹部、ラスベガスのカジノで64億円“豪遊” 

   9億円の損失を出していた

            文春オンライン   「週刊文春」11月10日号

 

 統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の韓鶴子総裁(79)と教団幹部らが 2008年から

2011年にかけて 米国ラスベガスのカジノを訪れ、日本円に換算して 約64億円をギャンブル

に注ぎ込み、約9億円の損失を出していた疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。

    教団の機密文書を入手した。 【画像】韓鶴子氏や教団幹部たちの“カジノ豪遊記録”  

 

  統一教会を巡っては、過度な献金などが問題となり、日本では 解散命令請求への カウントダウン

が始まっている。そんな中、教団のトップである韓鶴子氏が ギャンブルに興じていた疑いが

明らかになった。

 

  小誌の手元にあるのは 60枚にわたる文書。ラスベガスを拠点とする統合型リゾート運営会社

「MGM」グループが統一教会側に発行した、教団幹部たちの“カジノ豪遊記録”といえる資料だ。  

    韓国にある教団世界本部の元幹部が補足する。

    「それは、税金を支払うにあたって カジノに発行してもらういわば“収支報告書”です」  

   リストが発行されたのは 2012年8月。最初に登場するのは、当時 ラスベガスに居住していた

「Mrs. Hak J Han」。統一教会の教祖・文鮮明氏(故人)の妻、韓鶴子氏その人である。  

リストでは、米12カ所のカジノごとに 勝敗が記載されているが、直近の2011年、韓氏が

興じていたのは、全て ラスベガスの施設。驚愕すべきは その投入金額だ。賭け金の合計額を

指す「Coin-In」は、約69万7000ドル。現在のレートで換算(以下同)すると約1億円に上る。

対して、手元に戻ってきた「Coin-Out」は 約56万ドル(約8300万円)で、諸々を総計した

年間の最終収支は 約4万5000ドル(約660万円)の損失となっている。

 

教団幹部ら12人で「約64億円」注ぎ込んだ

 リストに登場するのは 韓氏のほか、直属の側近女性の鄭元周総裁秘書室長、当時の

北米大陸長や秘書など、国外の教団幹部ら12人。 彼らの勝敗が 克明に記録され、各々が

ギャンブルに注ぎ込んだ合計金額は 実に 約64億円、損失額は 約9億円にも上る。 

 この文書について、韓国の世界本部に尋ねたが、締切までに回答はなかった。  

 

  教祖一族のカジノ好きは筋金入りだ。文氏の長男・孝進氏の元妻・洪蘭淑氏が 1998年に

上梓した「わが父 文鮮明の正体」(小社刊)では、当時からカジノに入り浸る教祖夫妻の実像

が描かれている。その原資が、信者による献金や霊感商法によって収奪された他者の財産である

ことは言うまでもない。

 

  今回、小誌が入手した資料によって明らかになった統一教会幹部らの豪遊の実態は、大きな

波紋を呼びそうだ。 現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および「週刊文春」11月10日号では、

小誌が入手した機密文書の詳しい内容に加え、賭け事を厳格に禁じている統一教会で教祖一族

が唱えてきた“カジノ摂理”の内容、カジノにも同行した“教団ナンバー2”男性の正体、日本で

批判が強まる中で韓氏が幹部の前で嘆いた言葉などを詳しく報じている。

                                             「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年11月10日号