原発「重要性増している」九電・池辺社長、川内原発の運転延長申請で 

                 2022/11/1    イザ!

 

 九州電力の池辺和弘社長は 31日、記者会見で運転開始から40年が近づく川内(センダイ)原発

1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転期間20年延長を原子力規制委員会に申請したことに

関し、「原子力は 二酸化炭素を出さない電源で、電力需給の安定からも重要性は増している。

特別点検で 60年の運転に耐えられるという評価結果も出た」と述べ、延長に理解を求めた。

   川内原発1号機は 令和6年7月に、2号機は 7年11月に稼働から40年を迎える。

原発の運転は現行規定で 原則40年だが、規制委が認めれば 1回に限り最長20年延長できる

九電は 延長に必要な特別点検を行い、運転開始から60年の時点でも安全性に問題はないと

判断し、10月12日に延長を申請した。

 

   また 池辺氏は、経済産業省が 原発の運転期間を原則40年、最長60年とする規制を撤廃する

案の検討に入ったことに関し「40年や60年は 科学的なベース(根拠)で決めていることでは

ない。米国では 80年の認可を受けているところもある。(今後の)審査も厳しくすると

いわれているので、それを前提に延長できたらいいと思う」と語った。

 

  合わせて発表した 令和4年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比 31%増の1兆106億円、

最終損益は 476億円の赤字(前年同期は453億円の黒字)だった。中間期としての赤字は

8年ぶり。 燃料価格の上昇が続いていること や 原発の稼働期間の減少が響いた。

大手電力会社では 電気料金の値上げを検討する動きが相次ぐが、池辺氏は 他社に比べ安い

電気料金を維持すれば、九州への企業誘致が進むとし、「(値上げせず)頑張れるところまで

頑張りたい」と述べた。(一居真由子)