17歳の母 産後① | sakurakohakuのブログ

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17歳で長男を出産。
19歳で次男を出産。

そして、20年経ち、子宮摘出。
子供が二人成人したのでゆっくり過ごしていこうと思います。

一人きりの分娩室はとても静か…

わたしが動くと音が響くだけ…

少し開いてる扉の向こうで一体何をしてるのだろう……

赤ちゃんはどこにいるの…

泣き声も聞こえない…

何かあったのかな…

誰かに聞きたいけれど誰もいない…



嫌な予感がして、心臓がどきどきする…



その時、看護婦さんの声が聞こえてきた。

「こちら⚪⚪産婦人科です………………………………
搬送できますか?」

えっ………?

搬送………?

誰を………?

どこに………?

よく聞こえない………。


だけど、心臓がもう飛び出してしまいそうな程、ドクドクいってる………


また、同じ看護婦さんの声…

「こちら⚪⚪産婦人科です………………………」


どこに電話してるの………?

誰の話をしてるの………?


「ありがとうございます。よろしくお願いします。」


と、同時に扉が



バタンッ❗



と、閉まった………





その後、直ぐに


ピーポー!ピーポー!


救急車の音?


静かな夜に、救急車が鳴り響いてる………


もしかして、段々音が大きくなってる?


なってる?

なってるかも?

なってるよっ!



病院の前で止まった………

救急隊員の人が入ってくるのが聞こえる…

看護婦さんの声
「よろしくお願いします」






「待ってください!誰か来てください!お願いします!お願い…」




慌てて看護婦さんが来てくれました。


「どうしました?」

「救急車来てますよね?わたしの赤ちゃんですよね?運ばれるの?違いますか!違いますか?」

「誰に聞いたんですか!?」

「ごめんなさい、電話の声を聞いてしまいまし     た…」 

「そうでしたか……」

と、看護婦さんは考えた様子で


「赤ちゃん、熱があります。そして、お母さんも。お母さんはこのまま安静にしていれば大丈夫だと思うのですが、赤ちゃんは羊水をお腹の中で沢山飲んでしまっていて、今から大学病院に救急搬送することになりました。」


わたしは、よくわからなかったけれど、理解しようと必死でした……


「赤ちゃん、もう救急車に乗ってますか……?」

「今、乗るところですよ」

「赤ちゃんに、逢わせていただけますか?」

「えっ?今ですか?お母さん……大丈夫ですか?」

「わたしは、大丈夫です!だから、お願いします!救急車に乗る前に一目だけ!」


また少し考えた様子で


「わかりました。車椅子持ってくるのでお待ちくださいね」




数分だったはずなのに……

まだかな?……

救急車行っちゃう……

赤ちゃん、待って……



「お待たせしました。ゆっくり座ってください。本当は会わせてはあげられないんだけど、特別ですよ。お母さん本当に大丈夫?」

「大丈夫です。」



扉を開けると……

そこには、保育器に入って寝てるように見える赤ちゃん……



「かわいい……かわいい……頑張ってね……一緒に行けなくてごめんね……」



救急隊員の方もギリギリまで待ってくださいました……

看護婦さんは、わたしの手をぎゅっと握っててくれました……



「では、搬送します………」



エレベーターまで見送って………

だけど、笑顔で見送れなかった………

わたし、お母さんなのに………

涙がとまらなかった………



つづきます…