赤岳~白雲岳 | 独り言ちの山暦

独り言ちの山暦

「風の又三郎、又三郎、早く此さ飛んで来!」「この頂で赤道から北極までの大循環の自慢話を聴かせてくれ。」

 

 

20024.7.14。

この一週間。

ガブリエル・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」を読んで過ごした。

ほぼ諦められた「文庫版」が新潮社から出版された。

あの安部公房が「読む前と読んだ後では自分が変わってしまう」とまで

絶賛した本である。マジック・リアリズムと接してみて自分が変わってしまった

かは定かではないが。とにかく一気に読み終えた。

ふっと気が付くと随分、山とはご無沙汰していた。

この時期、白雲岳のゼブラ文様を見たいと思い起こす。

朋輩のKAWAさんと出かけた。

銀泉台の駐車場は午前6時過ぎには溢れかえっていた。

3連休の中日だ。さもあらん。

広がる青空が何とも言えなく気持ちが良い。

今日は凡そ12.1kmを5時間歩いた。

平地では5時間も絶対に歩き続けないよね、とKAKUさん。

5時間も歩き続ける。それは今更ではあるが、平たく山の魅力と

と言うこと落ち着く。

出発時は晴れ渡り日差しも強いこともあり、どれだけ気温があがるか

気を揉んだ。

だが、赤岳の頂上に近ずくにつれ風が出てきた。

そうして気温が下がってきた。汗が瞬時に引いていく。

ウインドウブレーカーを着込んだ。

涼風はとても気持ちが良いのだが、汗が冷えることを防ぐ意味も

あって着込んだ。

分岐からは緑岳に向かう人とお別れ。

白雲岳を踏んでから緑岳に向かってほしいなぁ、と思ったが。

白雲岳頂上も混んでいた。

期待していた表大雪の山々のゼブラ。

時期を少しずらしてしまったようだ。ゼブラ文様が粗いと。

それでもここからの眺望は素晴らしい。

頂上には5分ほど。

混み合い避けるように下山開始。

避難小屋との分岐で本日初めての休憩。

縦走装備の岳人。

憧憬である。もうあのような重い大きなザックは背負うことは無いだろう。

ふっと寂しさも。

赤岳に戻ってきたが。

甘いものに群がる蟻のように人そして人。

赤岳に寄ることなく真っ直ぐ下山。

何度でも来てみたい大雪の山。

そして感動を貰い、そして自分の現在地を知ることになる大雪の山々。

でも、この山々にマジックリアリズムあれば登山前と登山後では自分が変わって

しまうのかも知れない。