この度は昇段の機会を与えてくださりありがとうございます。山田師範、阿曽師範代、山辺師範代、鎌田支部長、いつもお世話になっている先生、先輩方、道場生の皆さんにお礼を申し上げます。
自分は5歳の時に東京城西支部の久米川道場に入門し、中学生の時に初段を取得させていただきました。そして、この度弐段に昇段することができました。初段を取得した後も稽古を継続し、多くの試合に出場しました。初段を取得してから弐段へ昇段するまでに大きく二つの変化がありました。
まずは一般の試合に出始めたということです。今までは、サポーターをつけて試合に出場していたのですが、高校を卒業してから素手素足の試合に出場するようになりました。当然、初めての一般の試合への不安が大きく、とても緊張しましたが、サポーターをつけていた時の試合の感覚とは別物でとても新鮮な感覚がありました。
ずっと指導していただいていた先生たちと同じ場所に立てる喜びや、本物の極真空手を試合を通して実感することができました。今までは観客として観る側にいた全日本大会も今では出場させていただくことができ、第53回の全日本大会では新人賞をいただくことができました。
第54回の全日本大会ではベスト16に残ることができ、あと1回勝つことができれば夢の舞台である世界大会の出場権を手にすることができたのですが、自分の実力が足りずに負けてしまいました。まさか、自分がずっと観てきた全日本の舞台に立てる日が来るとは思っていませんでした。
今年は世界大会が行われる年なので、6月の体重別の試合でしっかりと結果を出し世界大会に出場したいと思います。
WBCの決勝戦で日本代表の大谷翔平選手が試合前に「憧れを捨てて、勝つことだけを考える」というコメントをしており、自分も世界大会への憧れを捨てて、出場して結果を残すことだけを考えて練習をして、6月の試合に臨みたいと思います。
二つ目は指導する立場になったと言うことです。高校生の頃から土曜日の落合道場の指導補佐をしていたのですが、去年から久米川道場の指導を担当することになり、今までは生徒として参加していた稽古も指導員として少年部や一般部を指導することになりました。
指導を始めてまず最初に感じたのが教えることの難しさです。稽古では幅広い年代の道場生を指導するため、その年代に合わせた言葉遣いであったり、どれだけわかりやすく説明をすることかなど難しいことばかりでした。しかし、自分の知識や技術で少年部の子どもたちが成長していく姿や試合で勝つ姿を見るのはとても嬉しく、指導の楽しさややりがいを感じることができました。
今回の昇段審査を受けて、改めてここまで空手を続けてきて良かったと感じました。ここまで続けていなければ、憧れの舞台に立つことも出来ず、また自分自身の知識や技術を人に教えることもできなかったと思います。
これは自分の努力ではなく、空手を習わせてくれた両親のおかげです。練習で帰ってくるのが遅くなってもご飯を作ってくれるなど沢山のサポートをしていただきました。この感謝の気持ちを忘れず、結果などで恩返ししていきたいと思います。