詳しい事は今行われている総本部の冬合宿で発表になりますが、自分なりの考えをご紹介します。
(あくまでも私見です)
正確なルールは冬合宿後にわかりますが、現在のところ僕がわかっているのは
顔面への突きあり(寸止め)
下段廻し蹴りなし
上段前蹴りなし
というものです。
以前にもブログで紹介しましたが「極真がセミコンタクトルールになる」と誤解している人もいるようですが、あくまでも新しいカテゴリーとしてセミコンタクトルールというのが始まるという事です。
現在行われているフルコンタクトルールの大会と型の大会。
そこにもう一つセミコンタクトルールの大会というのが加わり、大きく分けて3つの大会を柱として活動するという事です。
このセミコンタクトルールの採用は賛否両論あるようですが、僕の見解としては賛成です。
少し長くなるかもしれませんが、その理由を紹介します。
まず大前提として「空手」というのは「競技」ではありません。
人それぞれの「空手道」というものがあり、それを歩んで行く中で「競技」というものに挑戦しているだけです。
例えて言うと、日本を縦断している事が空手の道を歩いているとするなら、その途中のルートに険しい山道を入れるのか、平坦な道を歩むのかの違いのようなものです。
今の時代、これだけ競技の歴史を積み重ねると現在のフルコンタクトルールの競技で実績をあげる事を最大の目標にしている人もたくさんいます。
もちろん険しい山に挑戦するからには最大限の努力で山頂を目指すのは当たり前です。
しかし、山登りは山頂に立ち、無事に下山できれば終了ですが、空手の道にゴールはありません。
現在のフルコンタクトルールの競技も長年の歴史の中で様々な進化は遂げています。
空手の理想は一撃必殺ですが、現在のフルコンタクトルール上、ど突き合いの組手になってしまうのも仕方ありません。
また「魂のど突き合いこそが極真だ!」という人も多いと思います。
しかし、本来の空手はありとあらゆる戦いに対応できなけれいけませんし(相手が複数、武器を持っている等)それができるように稽古をしていかなければいけません。
組手も型もそのための稽古方法の一つです。
ただ現状のフルコンタクトルールの競技は全ての戦いに対応できるかと言えば、少し無理もあります。(個人差はあるでしょうが)
現在のフルコンタクトルールの大会で細くて非力な選手が、大男のパワーファイターと戦っても、まず勝てません。
どんなに叩かれても一発で効かせる事ができるからです。
現在は効かなければ避けなくても大丈夫。という発想もどこかにありますが、効かないから避けないでは技術の進化はありません。
もし非力な相手の突きが、刃物だったら?
刺されて終わりです。
相手の攻撃を瞬時にかわし、一発で決めるというのが本来の空手ですから、今回のようなセミコンタクトルールの導入で、技術的な進化は加速すると思います。
これからの時代は「型の大会」「フルコンタクトルールの大会」「セミコンタクトルールの大会」の三本柱で稽古をしていくと、その人の空手はかなり進化すると確信しています。
僕が極真会館に入門してから30年は超えていますが、微調整はあってもルールの根本が変わった事はありませんでした。
一昨年のフルコンタクト競技の新ルール導入でも、かなり組手が進化しましたが今年のセミコンタクトルール導入で、またさらに組手が進化する事がとても楽しみです。
道場では型、フルコンタクトルール、セミコンタクトルールの3つをバランスよく指導して、空手の技術を進化させていきたいと思います!