プルルルル…プルルルルル。
無機質な電話の呼び出し音が僕の耳元で響いている。
プツッ。
ようやくつながったかと思い「もしもし」と呟いたと同時に返ってきたのは腹が立つ程落ち着きはらった女性の声。
「こちらの番号は、現在使われておりません。もう一度」
携帯のPWRボタンを強く押し、かけた番号のチェックを行う。
間違ってはいない。確認し、やはりあの男に騙されたのだと思った。
もう一度だけ電話をかけてみて、同じように落ち着きはらった女性の声が間違いを示すのなら諦めようと思った。
プルルルル…プルルルルル。
先程と同じように無機質な電話の呼び出し音が響いてる。
だが、呼び出し音が結構長い。
繋がっているのかもと期待を寄せた。
ガチャ。
「おかけになられた番号は現在」
その落ち着きはらった女性の声を聞いて愕然となった。
諦めるかと思い、携帯を耳から離そうしたときだった。
「ただし、この番号に二回以上かけたお客様なおかつこの私の説明を最後まで聞いているお客様には“心実屋”に繋げることになっております。繋いでよろしいなら1と押してください。」
僕は迷わず1を押した。
「ありがとうございます。心実屋でございます。さて、あなた様はどのような“心”を売りになりどのような“真実”を求めるのでしょう?」
不気味なまでに暗い声だった。
その暗い声で続ける。
「お金はいただきません。わたくしは“ドラマ”を創る者。“代償”と引き換えにあなたに“ドラマ”を与えます。」
そうして僕、戸山剛のドラマが始まった。