世界は思ったより早く動いている | エグゼクティブ・コーチ 和気香子

エグゼクティブ・コーチ 和気香子

普段の思考パターンではどうしても出てこないことが、ふとした瞬間に閃くことがあります。
そんな状態を意図的に作り出して、色んな気づきを得てもらうことで将来の夢・ビジョンを明確にしたり、課題解決のためのヒントを見つけるお手伝いをするのが私のコーチングです。

この前、サンブリッジグローバルベンチャーズが開催した「Innovation Weekend 2016 Grand Finale」に、ご縁があって参加してきました。これは、将来有望なベンチャー企業を発掘し、シードマネーを供給するプラットフォームで、サンフランシスコやニューヨーク、ベルリン、ベルリン、大阪などで、スタートアップのピッチコンテストを行い、その優勝者や準優勝者が東京に集まって最優秀者を決めるイベントです。ピッチ以外にも起業家や投資家がスピーカーとして参加され、パネルディスカッションもあり、かなり充実したものでした。ちなみに、今回の最優秀はDashという、リーズナブルなデバイスを付けるだけで、車がスマートーカーに変身するというものでした。ビジネスの内容もさりながら、ピッチも素晴らしかったので、順当な結果だった思います。

 

このイベントで最も私が衝撃を受けたのが、スピーカーとして登壇されたリブライト・パートナーズ代表の蛯原さんの話されたことでした。スタートアップ及びインターネット業界における中国やインドのすさまじい成長について、中国については成長と言うよりも既に”進んだで地位を確立した”感じですが、お話されたのです。「中国、インド、人口も多いし、くるよね~。既に少しはきてるっぽいし」と私だって思ってました。10、20年の内には日本を追い越すことは当然とも思ってました。でも!!!衝撃だったのは、”その内くる”ではなく、既に”マジにきてる”こと、そして、その規模感です。

 

詳しい内容は、添付の蛯原さんのブログで読まれた方が良いと思いますが、簡単にまとめると、以下のような内容かなと思います。

 

●2016年のスタートアップ資金調達額で、中国はアメリカとほぼ同じレベルの規模になっている(上半期で約3兆円)対して、日本はどうかと言えば、2016年の数字はありませんが、2014年の数字をJVRが発表してます。1,154億円。2015年、2016年と少しは増えているのではないかと想像しますが、でも、”兆”の単位には達してないでしょう。せいぜい2千億?

 

●ユニコーン(時価総額1,000億を超えると言われる未上場企業)でも9月1日時点で、全世界計171社のうち、社数ベースで19%(33社)、金額ベースで29%を中国企業が占めるそうです。日本? メルカリ1社?

 

●世界における上場インターネットの時価総額トップ5は、1位:Alphabet(≒Google)、2位:Amazon、3位:Facebook、4位:テンセント、5位:アリババだそうです。

 

●将来の経済成長の一つの指標になるR&D投資額も、世界1位のアメリカに中国は肉薄している。

 

そして、最後に蛯原さんも書かれていますが、たった6年前までは中国は日本より小さかったということ。アリババやテンセントより日本のネット企業の方が大きかったということです。私もVCに居た頃、中国案件を検討してて、中国市場を調べている時に、新しく出来た企業として「テンセント」(設立は1998年らしいですが)の名前が出てきたりしたことがあります。それってそんなに前じゃないんです。ほんの2010年頃。いやあ、テンセントが伸びているのは知ってましたが、こんなにとは!!!

 

そして、インドも10年遅れ位で中国と同じ成長曲線を歩んでいると、ブログには書かれてませんが、登壇した時に蛯原さんは仰ってました。蛯原さんはアジアで投資をされているので、書かれた&仰ったことを本当に肌身で感じていらっしゃるんでしょうね。そして、10年くらいしたら、米中印3強時代になるんでしょうね。10年ってそんなに先じゃないんですよね~。

 

さて、これを書いたのは、あまりに衝撃を受けたことが理由ですが、その他にも、「じゃあ、どうするの?」と考えてみてもいいかなと思ったからです。ビジョンを作って、それを実現するステップの目標を作って、目標達成のために日々目の前のアクションを地道に行う、これがビジネスでは大切なのだと思いますが、ビジョンや目標を作る時に”3強時代がくる”ということを念頭に入れてみるだけでも違うかな、なんて。

また、毎日さほど変わりばえのない日々を送っていても、世界は激流のようで、その中に否応なしに飲み込まれているんだなあとも感じました。

 

米国テック一強時代は終わり、米中二強時代が始まった

 

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