今年3月24日に、アジアのベストレストラン50の発表会場となるはすだった、佐賀県。世界のフーディーたちの注目が集まっていましたが、コロナウイルス問題を受けて、残念ながらライブストリーミング放送での授賞式に。でも、佐賀に行かなくても行った気分になれる、そんな佐賀の魅力を満喫できる「佐賀の恵み×うれしの茶フェア」が、今東京赤坂ホテル、ANAインターコンチネンタル東京で行われています。

 

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その内の一つ、日本料理「雲海」で行われた、嬉野市の村上市長も臨席したオープニングイベントにお邪魔しました。

「嬉野は豊かな温泉が湧きだす癒しの町。400年の歴史を持つ焼き物、肥前吉田焼など、見所も多い」と村上市長。

 

実は佐賀は豊かな食材を産する地域、嬉野茶も、全国生産量の1.2%と、生産量こそ少ないものの、今年度の全国茶品評会で農林水産大臣賞を受賞、上位10位の内7点が嬉野茶であることから産地賞を受賞するなど、高い評価を得ています。そんな嬉野茶の生産者自らが、おいしいお茶の入れ方のコツを見せながら、美しい所作で茶を淹れる「茶芸」を披露しました。

 

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嬉野の若手生産者の取りまとめ役でもある、副島園の副島仁さん。

 

 

また、都心とは思えない広い庭が魅力の雲海には、嬉野で行われている市民手作りのランタンイベントの雰囲気を感じてもらおうと、ランタンが飾られ、雰囲気を盛り上げていました。

 

料理は、元々赤坂の老舗料亭の料理長を務めていた吉安健料理長の手によるもの。昼のメニュー、「佐賀の空」に夜のメニュー「佐賀の宵」からの品を加えた特別コースを頂きました。

 

雨水 お茶の出汁 (うれしの濃厚氷出し茶)

 

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今回やってきたのは、嬉野の7人の茶の生産者。「嬉野茶時」という共同ブランドで、茶葉のインターネット販売も行っています。

こちらは、釜炒り茶を水出しならぬ「氷出し」したもの。新芽の中でも特に先端部分だけを使った茶葉の上にロックアイスを置き、2時間かけて抽出します。氷だけで出したお茶は、渋みやカフェインが出ず、旨味成分のテアニンや甘みが出るのだとか。

 

 

茶時(前菜)    立春升盛り 季節の一口いろいろ

 

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前菜に合わせたお茶は、特上煎茶を浅蒸しにして、150度から200度まで、温度を上げながら軽く焙煎したもの。緑茶の甘み、旨味を感じられつつ、しっかりとした香ばしさ。この前に出てきた氷出しの煎茶とのギャップが楽しめます。抽出温度は70度。水出しでも楽しめるそうです。

 

ちょうど節分の時期ということもあり、イワシと柊、大豆が添えられ、手前の器には塩控えめ、雑味のないナマコとコノコ。かつおダシで甘めに炊いたタコ、エビの唐揚げは特にこの香ばしいお茶と合っていました。

 

春寒(御椀)    みつせ鶏すーぷ 笋羹(しゅんかん)仕立て

 

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春の花、瑠璃草柄のお椀に、佐賀のみつせ鶏のスープ。フランス原産の鶏を品種改良し、身のしまったみつせ鶏は低温調理して、煎った米の粉を鶏肉の上に一箇所だけ落としてあります。これは、嬉野の玄米茶から、玄米だけを取り出して粉にしたものだとか。鶏ガラ、昆布、生姜、ネギを1時間半ほど沸騰させないように煮込んで作ったみつせ鶏のスープにカツオ出汁を合わせ、早掘りの筍を添えて。

 

東風(造り)    本鮪 玄海真鯛 芽物いろいろ

 

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次は、お造りに合わせて、夏のお茶として開発された水出し茶。煎茶にレモングラス、レモンピールを加え、渋みを出さずに茶のすっきりとした旨味を生かしたお茶。

 

筍の姫皮に乗せた本鮪と真鯛、特に筍の香りをまとった鯛は季節感あふれる味わいでした。本枯れ節の出汁が聞いた土佐醤油につけていただきます。

 

伝統(焼物)    佐賀牛炭火焼きと雲丹 柚子胡椒 香の物

 

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炭火焼の佐賀牛、フキノトウのガクを乾燥させたチップ、フキノトウ味噌、卵黄のクリームとうに、甘いサツマイモのチップ。

 

名物(豆腐)    嬉野温泉湯どうふと佐賀の野菜

 

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嬉野温泉の温泉水で作った湯豆腐。に、オリーブオイルでコンフィした甘いねぎとアスパラを乗せて、特製ポン酢と胡麻味噌でいただきます。

 

 

春霞(食事)    竹崎蟹のおこわ

雲海自家製唐墨 白石蓮根のかすみ餡掛け

赤出汁 香の物

 

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おこわご飯の上に、ソフトシェルクラブのように柔らかい殻の蟹を醤油やみりんに漬けて唐揚げにしたものと自家製からすみ、春霞をイメージし、すりおろした蕪を入れたかすみ餡をかけて。味噌汁にはレンコンを揚げたチップを入れて、旨味を加えてあります。

 

夢(水菓子)    うれしの挽き茶の五倍あいすくりーむと佐賀の果実 濃茶そーす

 

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抹茶のメレンゲと季節の果物。アッフォガートのように、上から濃茶をかけて、メレンゲの下の挽き茶のアイスクリームを溶かしていただきます。

 

このデザートには、渋みの少ない、嬉野産の和紅茶を添えて。一次発酵の途中、二次発酵の前に真空処理をして3時間置くことで、茶葉のグルタミン酸がギャバ(GABA、ガンマ-アミノ酪酸)に変わるのだとか。こうしてできた茶葉には、1グラムにつき15ミリグラム、通常の茶葉の5倍ものギャバが含まれるのだとか。さらに半年寝かせて、味をまろやかにしています。やぶきたの2倍のグルタミン酸量を持つ「さえみどり」の二番茶を使っています。

 

嬉野の豊かな茶文化と、佐賀の食材が楽しめる「佐賀の恵み×うれしの茶フェア」はこの雲海の他、鉄板焼「赤坂」など、館内各レストランで、5月31日まで行われています。

 

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吉安料理長、そしてシンガポール時代からお世話になっている、マネージャーの安藤さんには、シンガポールの雑誌Epicure2月号の取材でもお世話になりました!

 

村上市長によると、嬉野市は来年度新たな企画も考えているそう。

嬉野の若手生産者の集まり、「嬉野茶時」にも注目です!

 

 

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■「佐賀の恵み×うれしの茶フェア」

会場:日本料理「雲海」他

営業時間:ランチ 11:30~14:30(L.O)、ディナー 17:00~20:30(L.O.)、無休

住所:東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京 3F

電話:03-3505-1111

URL : https://anaintercontinental-tokyo.jp/offer/unkai-saga-ureshino/