旧正月も終わって落ち着いた時期に入る2月最終週はコラボレーション続き。Esquinaでも、スウェーデンのミシュラン一つ星レストラン、BhogaからGustav Knutsson シェフを呼んでのコラボレーションディナーが行われました。
 

 

 

 

 

Snacks

 

Marinated “Gordal Olive”, anchovy, basil

大粒のゴルダル種のオリーブに、パルメザンチーズ、オレンジ、アンチョビとバジルを詰め、オリーブオイルの粒を飾ったもの。

 

Dried sour cream, trout roe, chives

ミルクスキンのような、乾燥したサワークリームにプチプチする鱒の卵と刻んだチャイブを乗せて。

 

Celeriac Tarte, thyme, puffed rye

やや固めのパイ生地にタイムの香りの根セロリ。

 

Uni & Chips

カダイフのようなジャガイモの上に、ウニを乗せて。

 

Lightly Seared Scallop (Gustav)

 

 

「自分が提供するのはモダンスカンジナビア料理。Bhogaは港町にあるので、新鮮なシーフードが豊富」と Gustavシェフ。ほんの少しだけ火を通したホタテに、クリアなスープを合わせたもので、スープはホタテとムール貝をそれぞれに最適な、別々の温度帯で調理し、それをブレンドしてから卵白で清澄あり、エクストラクションを思わせる手法。ほんの少しだけ焦がしバターを加え、ケイパーとカリカリした食感の香ばしいライ麦の粒が入っています。

 

Baked Sweet Potato (Carlos)

 

 

一方のCarlosシェフは、オーブンで30分じっくりと甘く焼き上げたオレンジ色のサツマイモの上から、ペルーの黄色の唐辛子、ají amarilloを使ったスパイシーなサバイヨンのようなソースをかけて。上にはさらにクリスピーなキヌア。食べ進むうちに、中からとろりとした卵黄の、スモークしたうずらの卵が登場して、嬉しい驚き。

 

Atlantic Turbot Grilled (Gustav)

 

Gustavシェフのメインは、ヒラメの仲間 Turbot。ゼラチン質の多いエンガワの部分はフライにして、無駄なくいただきます。

 

 

そして、身の部分は、スモークバターで真空調理し、表面を素早くグリルしてあります。上から、ローストしたTurbotの骨とトリムした部分、発酵芽キャベツなどで作ったクリームをかけ、上から鱗のように芽キャベツを乗せてあります。発酵はスウェーデンの伝統的な手法なので、よく使うのだそう。上からは、「発酵ニンニク」、黒ニンニクのパウダーで旨味を足して。40度ほどの低温で調理した Turbot で、上だけを熱々にして、温度帯のグラデーションを作っていきます。

 

Tsarskaya Oyster n1 (Carlos)

 

ロシアの皇帝(tsar)が好んで食べていたことからこの名前がついた、Tsarskaya牡蠣。サイズは1。海の味と陸の味のコンビネーション、鳩のジュを混ぜた卵黄のソース、ビーツのフォーム、黒トリュフというコンビネーション。

 

 

Raw beef (Gustav)

 

こちらは、生の牛肉の上に、マッシュルームを煮詰めて作った旨味たっぷりのソースを塗り、下には炒めた椎茸やエリンギなどが敷いてあります。牛脂のクリーム、甘みのアクセントに桑の実も入っています。

 

 

Ibérico Pork “Presa” (Carlos)

 

 もう一つの肉のメインディッシュが、Presaと呼ばれるイベリコ豚の前脚の付け根の部分。程よく霜降りの入った肉に、タイ・イサーン地方でグリルした肉に合わせる唐辛子や生姜、ネギ、レモン汁、パームシュガーなどを使ったnam jim jaewと呼ばれるソースを合わせて。下に敷いたオランデーズソースにはras-el-hanoutという、チュニジアやモロッコなどで使われるスパイスミックスを混ぜ込んであります。スパイスを多様する料理が多いシンガポールに長年住んでいるだけに、Carlosシェフはそんなスパイシーな味を使いこなしているように感じました。サイドにはエスペレット唐辛子を効かせたジャガイモのコンフィ。

 

Beer Stout Ice Cream (Carlos)

 

 

デザートは、黒ビールのアイスクリームに、小さなバナナケーキに、バナナのフォーム、温かいキャラメルソースをかけて。黒ビールの素朴な黒糖のようなコクは、バナナやキャラメルとの相性も良かったです。

 

Raspberry and red currant sorbet (Gustav)

 

塩をアクセントに加えたメレンゲの下には、ラズベリーとレッドカラントのソルベ、ローズヒップビネガーで酸味をつけたホイップクリーム。これはスウェーデンの伝統の味なのだとか。
 
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スパイスを多用した赤道直下らしいCarlosシェフの料理、そして赤道から遠く離れた北欧の味を表現するGustavシェフの料理。どちらも、油分の使い方のバランスが合っていて、調和の取れたコース構成になっていたように感じました。
 
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■Guest Chef Gustav Knutsson of Bhoga Restaurant

日時:2019年2月25日〜3月1日(終了)
■Esquina
営業時間:ランチ 12:00~14:30 (平日のみ)、ディナー 18:00~22:30 (日曜休)
住所:16 Jiak Chuan Rd, Singapore 089267
TEL:+65 6222 1616
URL: http://esquina.com.sg/
アクセス:MRTアウトラムパーク駅から徒歩9分程