今注目のペルー料理、シンガポールで駐シンガポールペルー大使も招いての、ペルー料理イベントが行われました。

 

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会場になったのは、Ola Cocina del Mar。ペルー出身のDaniel シェフは、マリーナベイサンズにあったスペインの三ツ星レストラン、Santi の支店のヘッドシェフを経て、自らの店、Olaをオープン。さらにペルーを代表する料理、セヴィーチェの専門店Tonoを出すなど、ペルーの食文化の普及の活躍しています。同じペルー出身ということで、以前から仲の良いVirgilioシェフにキッチンを渡してのポップアップ。

 

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去年8月にオープンした、Virgilioシェフの妻、Piaシェフがエグゼクティブシェフを務める、Kjolleのお披露目も兼ねてのイベント。

PiaシェフはこれまでヘッドシェフとしてCentralを取り仕切って来ましたが、新しくCentral自体も移転し、その2階を使って新しいコンセプトのレストランを行うことになったのです。Kjolleとは、ペルーに咲く黄色の花のこと。

 

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まずは、イベントの前に、ペルーから持ち込んだ食材の紹介が。

ミントひとつとっても、ペルーのミントはオレガノのような香りがあり、知っているミントとは全く違う味。

Biodiversity(生物多様性)というテーマがぴったり来ます。標高に合わせてメニューを構成するCentralの構想に沿ってのコース展開です。

 

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(ちなみにこの日は、メディアだけでなく、Corner HouseのJasonシェフ、JaanのKirkシェフ、Labyrinth のLGシェフ、さらにバンコクからLe DuのTonシェフなど、多くのシェフたちも参加し、ペルー料理への関心の高さが伺えました)

 

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(Jason Tanシェフ)

 

Depth of the sea

 

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シンガポールのマテ貝、Mashuaという、ナスターチウムと同じノウゼンハレン科の植物の地下茎で、赤い色素を持つものの絞り汁を使ったセヴィーチェのような酸味のあるドレッシングに、ペルーではBahuajaと呼ばれるブラジルナッツのスライスを乗せて。このブラジルナッツが、サクサクした食感を加えるだけでなく、ベーコンのような旨味があって驚きました。

 

High Valley

 

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アボカドとウニ、キヌアの仲間のCanihua(カニューア)。

生のアボカドに、テクスチャの重なる質の良いウニ、素揚げにして、発酵したパッションフルーツとキャラメリゼした玉ねぎで作ったソースで、甘しょうゆのような甘辛い味をつけた香ばしいカニューア、アボカドとミントのソース、ロブスターの殻のようなコンソメを最後に入れて。

 

Sacred Mountains

 

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柔らかくとろける食感のラングスティーヌと、様々に調理したかぼちゃの一種、スクアッシュ。

 

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カリカリのスクアッシュのチップ、黒いものはラングスティーヌのパウダー、リゾーニパスタ、スクアッシュのクリームなど。

マリーゴールドの仲間のHuacatayの葉の清涼感をアクセントに。

 

Coastal Foothills

 

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味も見た目もまるでカタバミのような、酸味のあるオカの花、芋のようなオカの地下茎を使ったニョッキ、アンデスで食べられているルピナスの種、キャラメリゼした玉ねぎとバナナパッションフルーツ(Tumbo)に、やや動物性のゼラチン質を足したようなソース。そしてオカのエスプーマを加えて仕上げます。

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(右がオカ)

 

Extreme Altitude

 

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アマゾンのジャングルで作っているという、セシーナと呼ばれるベーコンをイメージして、豚肉を真空調理し、黄色い唐辛子とチーズがベースの、伝統的なソースにココナッツミルクを加えたものをかけて。

 

Cacao Diversity

 

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カカオ、マカンボ、マカを使ったデザート。マカの根を粉にしたもの、カカオの仲間のマカンボなどのコンビネーション。ペルーではコカの葉を使っているものの、シンガポールには持ち込み禁止ということで、マカの根を使っているのだとか。チョコレートはさっぱりしてフルーティーなタイプで、とても好みでした。とても珍しい、カカオの仲間、クプアス(Theobroma Copoazu)の生の果実と、エスプーマ。クプアスは、サワーソップを思わせる、少し乳酸飲料のような甘酸っぱい味わいです。同じ種類なので、カカオの豆を包む果肉の部分の味とよく似ています。

 

 

Citrus Coast

 

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アマゾン産のレモン、レモンバーベナのようなセドロン(Cedron)、ウリの仲間のカイグア(Caigua)というハーブのグラニテをかけたヨーグルトのような味のソルベ、下敷いた全粒粉のクッキーがアクセントになっています。

ハーブのグラニテはオキザリスのような、甘酸っぱさと緑の味が感じられるものでした。

 

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今回シンガポールで初のお披露目となったKjolleのPia Leonシェフは、リマ出身、リマのコルドン・ブルーでフランス料理のシェフとしてのトレーニングを受けた後、10年前のオープニングからVirgilioシェフと共に働き始めたそう。Centralの2階に位置するKjolleは、Centralのように長いコースではなく、5コースの短いメニューで、アラカルトもあり。緯度が同じ作物だけを組み合わせるCentralと違い、緯度に縛られない料理を作っているとか。

 

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スタッフはどちらかに所属するものの、両方の厨房の行き来はとても簡単。食材も共有し、違ったコンセプトのファインダイニングという位置付け。ラテンアメリカのBest Femaleシェフを受賞したPiaシェフのこれからも楽しみ!素晴らしいイベントを開催してくれたDanielシェフと、Olaのチームにも感謝です。

 

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(献身的にサポートに徹したDanielシェフ(左)と、Carlos Raul Vasquez Corrales駐シンガポールペルー大使)

 

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■Ola Cocina del Mar presents “biodiversity” by Central

日時:2019年1月17日(終了)

■Ola Cocina del Mar

住所:Marina Bay Financial Centre Tower 3,#01-06 12 Marina Boulevard, Singapore 018982

電話:+65 6604 7050

アクセス:MRTダウンタウン駅徒歩3分