Jaanの冬のメニューをいただきに、お邪魔してきました!
KirkシェフはKrug Ambassadorということもあり、Krugのグランキュヴェ163editionを。
アプリコットのようなフルーティーさ、樽のナッティなニュアンス、時間が経つと樽の木の香りがしっかりと立ち上がってきて、時間の経過と共に楽しめるシャンパン。
アミューズは、バリでKirkシェフがデザインしてきたという新しいプレートに乗せて。
手前から、定番のBeetroot meringue, smoked eel
軽やかでふんわりとしたビーツのメレンゲに、ビーツのピュレ、スモークしたうなぎ、オリーブオイルのキャビアなどを乗せて。
Kirkシェフの出身地、Devonの州旗を立てたそば粉のパンケーキの中には、Kirkシェフの実家から5マイルしか離れていない場所で取れる、Devon産のチェダーチーズが。
Fish and chips tartlet は、牛乳とタラでブランダードを作り、タラを茹でた牛乳とじゃがいもで作ったタルト台に、ブランダードとセルフィーユなどのハーブを乗せて。
そして、新作の Duck sausage roll は、パスタ生地を作って成型し焼き上げたスプリングのような繊細なコイルの中に、鴨のリエット、ローストした玉ねぎのピュレを乗せたもの。コイルは毎サービスごとに焼き上げているそう。
定番のスープ、Roasted potato, truffle soup, Mini loaf, Devon butter は以前よりもクリーム感が軽くなった印象。サイドに小さなクロワッサン、そしてDevon産のバターを添えて。
内側がしっとりと焼きあがったサワードゥのパンも、Devon産のバターと共に。
Heirloom Beetroot
塩釜で焼き上げたピンクや黄色、赤いビーツは薄くスライスして、甘酸っぱいビーツのピュレやピクルスと共に。ヤギ乳のフレッシュチーズと、ブッラータチーズを半々に混ぜたものを敷き、ビーツのソルベを添え、イクラよりややプチっとした食感のある、鱒の卵、ドッグフェンネル、エジプシャンフラワーを添えて。ほんの少しだけ、ライムの果実の皮をアクセントに使っています。
Alaskan Langoustine
アラスカ産のラングスティーヌに、ラングスティーヌの頭や味噌で取ったビスク、下には甘酸っぱいトマトと根セロリのリゾット、根セロリのスライス、根セロリのピュレ。こちらにも、セルフィーユ、ライムとオレンジの皮を散らして、さっぱりと仕上げてあります。
ここからは、ロゼシャンパン、ベルエポックのロゼ、2006年で。
Scottish Scallop
スコットランド産の生の帆立貝に、サフランのパスタ、黒トリュフ、最後に自家製の塩漬け卵黄を削りかけて。エンジェルヘアのように細いサフランのパスタはしっかりと腰があり、テクスチャ、コクのあるホタテのひもなどと魚の出汁がベースになったソースとの相性も抜群。塩漬け卵黄がさらに旨味とコクを後押しします。
Confit Black Cod
鱈のコンフィは冬の時期らしく、根セロリやアーティーチョークなど、根菜を色々使ったものに。グリルで焼いて仕上げた鱈は、臭みもなく、高温で加熱した時につく、少しスモーキーな香りが感じられます。hippo cressと呼ばれる、ロケットのような清涼感のあるハーブが、魚の脂をすっきりとさせてくれます。サイドには、トマト、ケイパー、サワードゥのクルトン、ポメロなどの酸味のある付け合わせを。
Venison Loin
メインはこの時期らしく、フライパンでじっくりと焼き上げた柔らかい鹿。オレンジジュースで甘く煮たエンダイブ、ごく薄くスライスしたじゃがいもを重ねて表面をカリッとさせたグラタン、ケール、芽キャベツなどの野菜を添えて。ソースは、ジュに柑橘とチョコレートを入れたもの。野菜とキャラメリゼした砂糖のコクもあり、肉に旨味のベールをかぶせます。
スーシェフで、オーストラリア出身の日本人、佐藤清さん。
Limone for Simone
イタリア人のマネージャー、Simoneさんオススメの、今が旬の、全てイタリアから来た柑橘を合わせたプレデザート。
シチリア産のブラッドオレンジ、アマルフィ産のレモン、カラブリア産のクレメンタイン、ローマ産のリモンチェッロという組み合わせ。
カクテルグラスでサーブされる通り、まるでカクテルのようにすっきりとしたデザートです。
Pear Tart
薄くスライスした梨をもう一度巻き直してキャラメリゼさせ、下にカリッとしたタルト台を敷きます。
洋梨のピュレ、muscovadoという黒糖を使ったキャラメルソースで、イギリスのスティッキートフィープディングの味を表現、イギリスでHob Nobと呼ばれる、蜂蜜とオート麦のクリスピーな自家製ビスケットに、バニラビーンズがたっぷり入ったアイスクリーム。ベゴニアの花がキリッとした酸味を加えます。添えてあるのは、温かいバニラアングレーズソース。バニラアイスクリームと、温度帯を変えての提供です。
最後は、Kirkシェフが自分で作ったという、木製の花の形の器に入った小菓子。
積み重ねて収納できるように工夫されているのだとか。
中でも奥のピスタチオとラスベリージャムのケーキが、しっとりとした食感とナッツの味わいがあって好みでした。
ご一緒していただいたのは、友人で、シンガポールの経済紙、Business Timesのレストラン評論担当のSuanさん。
(Suanさん、Kirkシェフ、私、Simoneさん)
小さいポーションでの多皿構成、美しいプレゼンテーションも魅力。季節を感じづらいシンガポールではありますが、根菜を多用したイギリスの冬の味を楽しみました!
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■ Jaan (ジャーン)
営業時間:ランチ 12:00~13:45(L.O)、ディナー 19:00~21:45(L.O)、無休
住所:Level 70, Equinox Complex Swissôtel The Stamford, 2 Stamford Road, Singapore 178882
電話: +65 6837 3322
アクセス:MRTシティーホール駅直結