ミシュラン一ツ星の中国料理、サマーパヴィリオンでも、総料理長のCheung Siu Kongシェフによる、旧正月の名物、魚生が提供されています。これまで訪れたレストランも、今年が亥年ということで、どこも豚肉を使った旧正月特別メニューが作られていますが、こちらでは、魚生にも豚肉が使われています。
Suckling Pig, Black Caviar, Jelly Fish Yu Sheng（大$276）
サイドにキャビアの乗った子豚の丸焼きの皮が添えられていて、これはそのまま混ぜるのではなく、あとで上に飾っていただきます。最近は西洋野菜を多く入れる魚生も多くなってきましたが、魚生自体は、揚げたワンタンの皮、中華クラゲや赤や緑に色付けされたピクルスが入った伝統的なスタイルです。生姜とカフィライム、カラマンシーやシナモンが効いています。
Australian Lobster Soup, Asparagus, Carrot, Egg White, Lobster Stock
そして、Kong シェフのシグネチャーが、ロブスターの殻と味噌で作ったロブスタービスクに炊いた白米を入れた料理なのですが、お米の代わりに卵白のフランを敷いた形にアレンジされています。オーストラリアロブスターは臭みもなく柔らかで、コクのあるスープとよく合います。オーストラリア産の人参とアスパラガス、上には揚げたケールを乗せて。
Braised Stuffed Prickly Sea Cucumber, Iberoco Pork, Preserved Vegetable, Winter Melon, Mushroom, Seasonal Vegetable
テクスチャーが気に入っているという、表面の凹凸が大きいPrickly Sea Cucumberに、イベリコ豚のフィリングを詰めて。普通のなまこのようにとろとろに柔らかく煮るのではなく、あえて少しプリッとした食感を残してあります。マッシュルームを射込んだ蕪、ゆりね、ほうれん草、ロマネスコなどの野菜を添え、伝統的なオイスターソースを使った甘辛いソースで仕上げてあります。
Poached Iberico Pork Glutinous Rice Dumpling, Cabbage in Superior Stock
とても気に入ったのがこの、湯円と呼ばれる団子の入ったスープ。丸いものは、中国でも和を意味するということで、家族が集まった時に丸い団子を食べるのは伝統的な習慣。甘いものもありますが、こちらは高温の油で炒めてスモーキーなWokと呼ばれる香りのついた、ニラや海老、マッシュルームなどの入ったフィリングを、もち米の生地で包んであります。「家は裕福ではなかったので、何もフィリングが入っていない団子を使っていたけれど、懐かしい母の味ですよ」とKongシェフ。コクのある豚と鶏のスープ、セロリのような香りのチャイニーズパセリを散らして。
Chilled Superior Bird's Nest, Pear Osmanthus Crunch Bar
デザートは、東洋梨を蒸してから乾燥した金木犀の花と氷砂糖のシロップで煮たツバメの巣を入れたもの。さっぱりした味わいで、サイドに添えられたくるみと揚げた米のパフ、胡麻をねっちりしたシロップでまとめた自家製グラノーラを添えて。
見た目に拘りつつも、根本的に大切なのは味わい。今回は色々なコースから抜き出したメニューをいただきましたが、旧正月のメニューはこちらから見ることができます。ヘルシーさと味わいの満足感のバランスがよく、食後感が重すぎないKongシェフの料理、ぜひ試してみてくださいね。旧正月メニューは2月19日までの提供となります。
＜DATA＞
■Summer Pavilion
営業時間：ランチ 11:30〜14:30 、ディナー 18:30〜22:30
住所：7 Raffles Avenue, Singapore 039799 Singapore
TEL：+65 6434 5286
URL: http://www.ritzcarlton.com/ja/Properties/Singapore/Dining/SummerPavillion/Default.htm
アクセス：MRTプロムナード駅から徒歩6分程