Asia’s 50 Best Restaurants で4年連続でアジアナンバーワンレストランに輝くGagganと、36位のCorner Houseのコラボレーションが、12月2日にコーナーハウスで行われました。
このコーナーハウスとのコラボレーション、一つの見所は、Corner HouseのJason TanシェフもGagganと同じく「絵文字」メニューを作っていること。
Yoghurt Explosion
Gaggan のシグネチャーの前菜。
ラッシーを球体に閉じ込めたような一口サイズのヨーグルトで、ほのかに香ばしいライスパフのような香りがあります。
Smoked Eel Kristal Caviar
メニューにはこのためにデザインされた、可愛いうなぎの絵文字。
Jasonシェフのシグネチャーの一品を、小さめのポーションで。クリスタル・キャビアに、スモークしたうなぎ、うなぎのムースを合わせて、ゆずのジェルと共にいただきます。
Lick It Up Chicken liver, Mango, Chilli
Kissの有名な曲からインスピレーションを得た料理で、音楽が流れると、メニューを見なくても、あ、あの料理、とわかるGagganのシグネチャー。カトラリーなしで皿を舐めて食べることが面白いと、SNSでも人気。
幸運なことに、11月にもイタリアで2回、Gaggan の料理を食べる機会がありましたが、その時よりも、スパイシーな料理が好きな人が多いシンガポールを意識してか、辛さが強めだったのが印象的でした。
緑はグリーンピース、黄色がマンゴー柚子チャツネ、茶色が粒の大きい海塩をアクセントにかけた鶏のレバー、赤が唐辛子とパプリカのピュレ。
以前は緑がグリーンサルサ、真ん中がマッシュルームだったりしたのですが、場所に応じて変えているよう。ちなみに、緑と赤はJasonシェフが作ったもの。
Toriyama wagyu Bikini
再びJasonシェフから。鳥山牧場を訪問したこともあり、お気に入りだという、鳥山和牛のストリップロインをタルタルにして挟んだ、ビキニサンドイッチ。とびこのプチプチがアクセント、牛肉のタルタルということで、ややスパイシーに仕上げてあります。
Charcoal Salted Egg Yolk, Curry Leaves
GagganシェフとJasonシェフのコラボレーション。外側の、小麦粉デンプンと炭のパウダーで作った、天ぷらを思わせる「黒い爆弾」の部分はGagganシェフが、内側の塩漬け卵黄にカレーリーフやマスタードなどのスパイスと唐辛子を合わせたシンガポールらしいカレーフィリングはJasonシェフが担当しています。
Quail Egg Panipurri
Gagganシェフから。インドのストリートスナック、パニ・プーリ。じゃがいもを細かく刻んで揚げた巣のようなものの上に、うずらの卵をかたどった、コリアンダーウォーターの入ったホワイトチョコレートのシェルが。通常は、揚げた生地が膨らんで空洞になった部分にコリアンダーウォーターを入れるのですが、それをモダンにアレンジしています。
Cevennes Onion Black Truffle
Jasonシェフのシグネチャー。大嫌いだった玉ねぎが、この、フランス産の甘い玉ねぎ、セヴェンスオニオンに出会って大好きになったことから、その魅力を最大限引き出したいと作った一皿。62度で調理した温泉卵、黒トリュフのピュレ、キャラメリゼした玉ねぎのクリーム、そして蕎麦の実のパフと、細かく刻んだ黒トリュフ。
Mushroom Bun Black Garlic Pinenut
こちらもコラボレーションの一皿。パン生地はGagganシェフ、フィリングはJasonシェフ。マッシュルーム、黒にんにく、そして松の実が入った揚げパンのようなスナックです。
Foie Gras 100 Year Grand Marnier
Jasonシェフが、いつもは粉糖をかけて提供しているフォワグラチョコレートボンボンの変化形、じゃがいもを模った形に。中には鶏のレバーと、100年前に作られたグランマニエのフィリングが入り、上から柚子の皮を削ってあります。チョコレートで作った「土」を敷いて。
Hokkaido Scallop Uncooked Curry
牡蠣の殻の形の器の中に入ったのは、「調理しないカレー」。もちろん、カレーと言えばGagganシェフ。北海道産の帆立貝は細かく刻み、唐辛子とカフィライムにインフューズしたオイルと合わせ、ボッタルガの粉、カレーオイルのスノーをかけて。ボリジの花と、シーアスパラガスで海の香りを、シャキシャキとしたベゴニアの花も添えて。
Red Mullet Fish Paturi
マスタードでマリネした魚をバナナの皮に包んで焼く、Paturi。Gagganシェフにとっては郷土の味で、「人生の最後に食べるならこれ」というほど好きなのだとか。
コリアンダーリーフやマスタードシードなどを使った緑のサルサに、ヒメジの仲間のRed Mulletを挟んで。以前は普通にマリネした魚を入れていたのですが、今回は松笠焼きのように、カリカリに焼いた鱗をかけていただくのが新しく感じました。
Corner Houseは、オーナーがワインのサプライヤーをしているだけあって、フレンチワインのセレクションが良いのも魅力。この日の個人的なお気に入りは、上品な深みと、ほんのすこしの野性味のあるピノ・ノワール。
Mud Crab Curry Capsicium Bomba Rice
Gagganシェフがコラボレーションをする際に、必ずシメに出てくるのがカレー。コラボレーション相手のシェフが、合わせる炭水化物を担当するので、ご飯の時も、パスタの時も、ニョッキ、なんていうこともあります。今回、Jasonシェフが使ったのは、スペインのボンバという品種の米。魚介のスープでパエリアのように、表面をカリッと仕上げ、Gagganシェフが作った、マッドクラブの大きな身がゴロゴロ入ったインド風カレーに合わせます。
ここからがデザート。
Watermelon Soursop. Rose
Jasonシェフによるデザート。
酸味のある綺麗なピンクの花は、スターフルーツの花。
スイカのグラニテ、ランブータン、サワーソップのソルベ、丸く切った生のスイカには、味噌に漬け込んだという小さなスイカのスライスが。
Darkside of the Moon
ロック少年だったというGagganシェフの、最近のシグネチャーデザート。
1973年に発表されたピンク・フロイドのアルバムの名前から取ったメニュー名、そして見た目もアルバムのカバーそっくり。
三角形のチョコレートと、フルーツなどを使ったカラフルなソース。こちらも、カトラリーを使わず、手で混ぜながら食べる皿です。
Egg Nog Cocoa Nib, Dulcey
Valhonaの、ショートブレッドのような香りのあるチョコレート、Dulceyを使った「卵の殻」の中に、マンゴー、ココナッツパンナコッタ、ラム酒のアイスクリームが入った、Jasonシェフによるクリスマスデザートです。
最後に「答え合わせ」の紙が渡されます。
来年1月31日をめどに、海外でのポップアップやコラボレーションなどの仕事を辞め、Gagganにずっといることにするのだそう。「2019年はGaggan最後の年。自分に会いにレストランに来てくれるゲストのために、しっかりと出迎えたい」というのがその理由。2020年にGagganは閉店、福岡のフレンチ、La Maison de la Nature Goh の福山剛シェフと、福岡に新しいレストランGohganをオープンする予定です。
<DATA>
■Corner House x Gaggan A Four Hands Collaboration
日時:2018年12月2日(終了)
■Corner House(コーナーハウス)
営業時間:ランチ 12:00〜15:00(日曜は11:30〜) 、ディナー 18:30〜23:00、(月曜休)
住所:1 Cluny Road, Nassim Gate, Singapore Botanic Gardens E J H Corner House Singapore 259569
TEL:+65 6469 1000
URL: http://www.cornerhouse.com.sg/
アクセス:MRTボタニック・ガーデンズ駅からタクシーで5分程