オーチャード駅からほど近い、コロニアルスタイルの一軒家レストラン、Buona Terraに行ってきました!

Dennis Lucciシェフのオーセンティックなイタリア料理に加え、ソムリエで、ビバレッジマネージャーのGabriele Rizzardiさんのチョイスのワインもいつもとても楽しみにお邪魔しています。

 

 

この日は、ランブルスコの赤のスパークリングからスタート。

 

 

 

アミューズは、様々なトマト。

 

薄いカカオバターのシェルの中に、パプリカとトマトの冷たいアイスが入ったもの。

 

トマトウォーターにバジルシード、レモンやタイム、アニスなどが入ったスープ。クリアなスープですが、濃厚な旨味があります。

 

トマトのタルト、赤と黄色のチェリートマトの下にはローマントマトのタルタル、ナスのピュレ。

 

 

自家製のパンとグリッシーニ。バターはピエモンテのBeppino Occelleブランドのもの。

 

 

つい先日、産地巡りも兼ねてイタリアに一時帰国してきたというDennisシェフとGabrieleさん、このオリーブオイルは、Dennisシェフのふるさと、ガルダ湖のもの。

 

 

オリーブを絞る際にきちんと種を取り除いているそうで、オリーブのフルーティさが楽しめます。

 

Gabrieleさんはエミリア・ロマーニャ出身。「子どもの頃、祖母がくれるおやつが、この揚げたニョッキに生ハムだったんだ」とのこと。

 

 

28ヶ月熟成の、黒豚チンタセネーゼで作ったハム。揚げたての甘くないドーナツのような揚げニョッキと良く合います。

シンプルですが、熱々で美味しく出してくれるのが嬉しいです。

 

ここでワインは、イタリアのスロベニアとの国境近くにある少量生産のワインメーカーRonco del Gnemizのソーヴィニョンブラン。

 

 

キリッと辛く、柑橘のようにさっぱりとしたフルーティーさがあります。

 

それに合わせたのは、モザンビーク産のスカンピと表面を炙ったレタスに薄いラードをかけて、バーニャカウダソースを添えたもの。

 

 

ピエモンテ産の200gもの白トリュフを、贅沢に削りかけて。

 

 

 

「今回の産地訪問で、トリュフハンターとのダイレクトなコネクションができた。パーティなどの際には、1週間ほど前に写真を見て、好きなトリュフを選ぶこともできる」のだとか。

 

 

J.Hofstatter Barthenau 2013

 

 

イタリアのドイツとの国境で生産される、ピノ・ノワール 100%のワイン。Urbanoという単一畑で生産され、やや芳香の強いフルーティさと、程よいボリュームの果実味とタンニンエレガントなワインで、次のコース、白トリュフのパスタにぴったりでした。

 

手打ちのタリオリーニに、バター、パルメザンチーズを合わせただけ、というシンプルさ。そこに、たっぷりの白トリュフを削っていきます。今回の白トリュフ尽くしのコースは、事前予約制で受け付けているそうです。

 

 

そして、パスタに続いてはリゾット。

 

 

ピエモンテのAcquerelloというブランドの、9年間エイジングさせたというカルナローリ米は、父から畑を受け継いだ息子、Piero Rondolinoさんが、なんと4500トンあった生産量を10分の1以下の400トンに抑え、質を追求して作っているという米。

ちょうどハロウィンの時期ということで、小さなかぼちゃに入って登場。

 

 

リゾットの中には、軽く湯がいて食感を残したかぼちゃが、そして器の部分はしっかりと甘く火が入っています。かぼちゃとクリーム、白トリュフ。文句のつけようのない、黄金律と言いたくなるコンビネーション。かぼちゃの甘みが溶け込んだソース、しっかりとアルデンテに仕上げられたリゾット。

 

 

ここで、ワインはイタリアの土着品種の、Frappato100%。濃厚なフルーツ感、そしてクミンのようなスパイシーさがあります。

 

 

これに合わせたのが、フランスブレス産の鳩。

 

 

オリーブオイル、ヘレスのシェリービネガー、ローズマリー、そしてバニラビーンズを入れたマリネ液に漬け込み、胸肉は56度、脚は62度と、異なった温度帯で、オイルでゆっくりと低温で火を入れた後、表面を強火で焼いてあります。しっとりと焼き上げられた胸肉も良かったですが、何よりも、パルメザンチーズのチュイルの下に隠れた、足の腿に近い部分の味が絶品。

 

 

鳩はとうもろこしを食べているので、添えられたポレンタ、そしてレンズ豆の煮込みとの相性も良かったです。モスカートのワインを使った、ほのかに甘いジュも好みでした。

 

デザートも、シンプルな良さを追求するDenis シェフらしい一皿。ヴァローナの、フルーティな酸味が特徴のマンジャリに水を加え、30度まで温めてブレンダーにかけて作ったというシンプルなムースに、先ほども登場したフルーティーなオリーブオイルをかけて。

 

 

ペアリングはなんと、1981年マッカラン、18年。樽の木の香り、バニラのニュアンスがフルーティーなチョコレートに奥行きを与えます。

 

印象的だったのが、一皿に使っている食材の数を抑えた、シンプルな構成。Denis シェフが、素材の良さを大切に、削ぎ落とした美味しさを追求しているのが印象的でした。ぜひGabrieleさんセレクトのワインとともに、ゆっくりとした時間を過ごしてみてくださいね。

 

 

<DATA>

■Buona Terra

営業時間:ランチ 12:00~14:30(平日)、ディナー 18:30~22:30(22:00LO、月曜〜土曜)、日曜・祝日休

住所:29 Scotts Road Singapore 228224

電話: +65 6733 0209

アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩11分ほど