2015年の交通事故から奇跡的に復活し、ミシュラン一つ星を獲得し続けている、Haikal Johariエグゼクティブシェフが率いるモダンヨーロピアン料理のレストラン、Alma by Juan Amador。スペイン生まれでウイーンにレストランを構えるJuanシェフですが、そのシンガポールの店ということで、メニュー作りはHaikalシェフが行なっています。以前日本にもレストランを持っていたHaikalシェフは、日本の食材や調味料を取り入れた料理作りが持ち味。

 

実は、Almaはワインのインポート会社Water & Wineとオーナーが同じことから、特にナパのワインの品揃えが良いことで知られています。

 

 

 

ディナーコースは4コース117ドルから、158ドルの6コースのメニューをいただきました。

 

シャンパンは、小規模な作り手の、Champagne Diebolt-Vallois。シャルドネ、ピノムニエ、ピノ・ノワールのバランスの良いブレンドです。

 

 

 

Strawberry with ikura, strawberry chip

 

 

いちごのキャンディーの板の下には、いちごといくら。通常は柑橘と合わせることも多いイクラ、カラマンシーのグラニテ、いちごと合わせることで、また違った面を楽しむことができます。フルーツやコーヒーなど、甘い味わいを料理のメニューに積極的に取り入れるのも、Haikalシェフの特徴です。

 

 

Black olive chip, tomato, crispy kale

 

 

黒オリーブの入った硬めのメレンゲの板に、蜂蜜、カルダモン、シナモンで味付けをしたトマトのタルタル、そして上にカリッと素揚げしたケールとマリーゴールドの花を乗せて。素揚げしたことで甘みがましたケール、トマトと、しっかりと旨味を感じるコンビネーション。ケールの下には、中東のヨーグルトの一種、labnehが。

 

Amaebi, sable, frozen yogurt, tom yam

 

 

レモングラスやシュリンプペーストを練り込んだサブレを土台に、キングクラブ、玉ねぎ、トビコ、チャイブを混ぜ込み、アボカドのクリームをのせ、フローズンヨーグルトのメレンゲでサンドイッチに仕上げます。トムヤムクンをイメージしただけあって、辛さがたくさんあるアミューズのアクセントになっています。上にはパプリカパウダーを散らして。

 

Foie Gras Toast, smoked eel, grape, coffee

 

 

さっくりとしたコーヒーメレンゲで鶏のレバーのパルフェを挟んだ、フォワグラトースト。りんごのゼリー、スモークしたうなぎ、そして海苔を挟んで。カヤトーストをイメージさせるような、「アルマ」と漢字で書いた紙袋に入って登場するのも可愛らしいです。

 

 

パンは乾燥させたジャガイモを使った生地で、押し麦とコーヒー豆が練りこまれています。

 

Okayama Muscat Grape

 

 

岡山産のマスカットに、本鮪の中トロにタマネギや松の実を合わせたタルタル、

ほんのりと柚子胡椒の辛味を効かせ、ナスターチウムのスープが緑の味わいとまた違った辛味を加えます。

 

 

ここで、ワインは程よい果実味のスペイン産のシャルドネ、Chivite Chardonnay 2010に。

 

 

Muirgen Oyster

 

 

アイルランド産の牡蠣のカスタード、黒トリュフのジュース、そしてベアルネーズソースにトマトを加えた、ショロンソースに、さらにウニとボタンエビを入れたムース、トリュフと揚げたケールで、盛りだくさんの海鮮の旨味をさらに押し上げます。カスタードやクリームの印象が、このワインにもよくあいます。

 

 

Reference Book 2008

 

 

ナパヴァレーから、マスタードの葉のような濃厚で刺激的な緑の香りがあり、バランスの取れた味わいの赤ワイン。

 

Iberico Pork Jowl

 

 

イベリコ豚の顎肉は、赤味噌を塗ってゆっくりと低温調理してから備長炭で焼き上げてあります。クリスピーなアーティーチョークとアーティーチョークのピュレ、黒ごまのピュレ。

豚のジュを煮詰めたソースには鰹昆布出汁が使われていて、甘辛具合が、日本の焼肉を思わせるようなバランス。シロップに漬けた丸いリンゴが、フルーティーでフレッシュなアクセントに。シンガポールらしい、ローカルフードに使われるウラムジャヤの葉が乗っています。

 

Ohmi

 

 

日本の近江牛を、赤ワインとビーツのソースで。赤い肉に赤いソース、噛むと広がる近江牛の上質な脂に、酸味を添えるカタバミ、山椒の葉の甘い香りが寄り添います。

 

 

中でも、カルトワインとして名高い、Screaming Eagleがなんとグラスでいただけます。

 

 

2007年のヴィンテージを、Joel Robuchonの立ち上げメンバーで、現在はAlmaで働いている、ソムリエのSaravana Gengappanさんがサービスしてくれました。

 

 

凝縮したプラムやブラックチェリーのような香り、そして鼻から抜ける時に、アメリカンオークの新樽由来の、バニラやクローヴの香りがあります。

 

 

Mango

デザートはマンゴーとヨーグルトのムース、ミョウガのグラニテをかけて。

 

Alma’S Petit Four

 

 

ドリアンとゆずの餅、カヌレの型に入っているのは、サワーソップとグラマラカを使ったフォンダンショコラ、ビートルートとラズベリー、ラベンダークリームのタルト、コーヒーメレンゲとオレンジのマーマレード、フォワグラのパルフェ、カラマンシーのジェルと、最初の「カヤトースト」とリンクするような形で締めくくります。

 

(左がHaikalシェフ)

基本的にはモダンヨーロピアン料理のレストランですが、どこか懐かしい日本の味わいをフルーツなどで南国風に表現しているのが印象的なHaikalシェフの料理、ランチはなんと38ドル〜、土曜日もこの価格でランチ営業しているので、オーチャード駅からほど近い立地といい、休日のお出かけにもぴったり。

自慢のナパのワインと共に、ぜひ楽しんでみてくださいね!

 

 

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■Alma by Juan Amador

営業時間:ランチ 12:00~14:30(火曜〜土曜)、ディナー 18:00~22:00(月曜〜土曜)、日曜休

住所: Goodwood Park Hotel , 22 Scotts Rd, Singapore 228221

(グッドウッドパークホテルの中に入らず、正面を建物沿いに右に進むと、左手にお店があります。)

電話: +65 6735 9937

アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩9分ほど