極上の日本の食材が食べられる日本料理店、葵匠。

何度かお邪魔するうちに、好きな食材を覚えて、しっかり準備してくれていたりする「ゲストの好みに合わせた『お任せ』」も魅力の一つ。

 

 

私が大好きなウニ、特に、先日、テレビ神奈川でお世話になった元同僚のカメラマンと共に、ビデオ撮影のディレクターとしてもお邪魔した佐賀・唐津の赤ウニが入荷したということで、行って来ました!

 

スタートは、旨味たっぷりのRoyal Brew Teaの宇治茶から。

 

 

まずは、シグネチャーのウニとボタンエビ。

 

 

米酢のゼリーに、フランスのクリスタルキャビア、もうシーズン最後だという、北海道・余市のウニを合わせて。

 

そして、刺身。

 

 

 

8月のビデオ取材でもお世話になった、唐津の大山鮮魚店の大山さんが神経締めした鯛を9日間寝かせたものに、同じく唐津の赤ウニを添えて。濱本シェフは、井上富夫さんという生産者の方のものがお気に入りで、唐津の市場に入荷がある時はいつも購入しているのだとか。一緒にいただくと、赤ウニの余韻の長さが、鯛の余韻も長くしてくれます。

 

 

石垣貝は、1週間寝かせることで、塩の角が取れてまろやかになるのだとか。メロンのような独特の良い香りがしっかりと感じられます。

 

つぶ貝も1週間寝かせてあるそうですが、サクサクした食感がまだ残っています。しっかりと味の濃いつぶ貝です。

 

そして何よりも私がこの日気に入ったのが、北海道・網走からのキンキ。クリーミーと言いたくなるような、香ばしいバターの塊のような脂の味と乗りは、まさに好きな味ドンピシャでした。お聞きすると、私の好みだろうと思ってわざわざとって置いてくださったのだとか。

 

そして、殻に盛り付けた毛ガニ。

 

 

彩豊かな内容は、サクサクとした生食用すずかぼちゃの自家製漬物、岐阜の銀杏は低温でコンフィにして、鮮やかな黄緑の色合いとむっちりとした食感を残して。

 

車海老はさっと茹でてから、酒と醤油、みりん、青ゆずにつけてあり、少し酔っ払い海老のようなアルコール感を残して。

 

クリーミーなあん肝は、唐辛子とわけぎをアクセントに。

 

 

 

私にとって今年初物の松茸は、キンキと百合根と共に茶碗蒸しに。

 

 

上の餡は、松茸100%のすり流しで、濃厚な松茸の味を楽しみます。

 

 

 

皮の下の脂がしっかりと楽しめる秋刀魚は、甘めの醤油で味付け、皮目だけ炭火で優しく火を入れてあたためて。

 

 

皮のパリッと香ばしい部分、刺身のような生感のある身の両方が楽しめます。

 

 

備長炭の上に直接乗せて火を入れた鱧。

 

 

炭の香りの強さに負けない濃厚な味の鱧を選んでいるからこそできる一皿。

 

 

自家製の完熟梅干しピュレとわさびをアクセントに。

 

 

 

こちらも唐津産の、クロアワビ。真空で1時間、74度で火を入れてあります。昆布のような濃厚な旨味がしみ出るアワビ。特に唐津のアワビは、ウニをたっぷり食べて育っているのだとか。ということで、唐津の赤ウニを挟んで。

 

 

特に、端っこの「口」の部分が、柔らかく旨味が乗っていて好きでした。

 

アワビを漬け込んだ汁にアワビの肝を混ぜた肝醤油には、最近赤酢の種類を変えたという酢飯を入れて。

 

 

 

ここからがお寿司。

鮮度が良く脂ののった北海道のイワシ。

 

 

 

唐津の大山さんからの、ギンガメアジ。キンキに似た、クリームやバターを思わせる質の良い脂がたっぷり乗っていて、好みでした。

 

 

 

ボストン産の100キロのマグロの赤身。キメが細かい赤身

 

 

そして中トロ、どちらも一週間熟成のもの。

 

 

 

香ばしく炙った秋刀魚。

 

 

 

1週間寝かした小柱は、磯の香りを生かして軍艦巻きに。

 

 

こちらもボストンで、2週間寝かせた蛇腹の部分。

 

表面を炙っていただきます。

 

 

 

そして、ここからがウニの食べ比べ。

まずは、北海道のムラサキウニから。

 

 

まるひろ 身がつまっていて、ナッツっぽい香りが強く、とても好きでした。

 

橘 瓜系の香りのあとナッツミルクのような甘みが追いかけてきます。こちらも好み。

 

 

 

東沢 ナッツっぽさよりも、磯の香りが印象的なウニ。

 

 

 

そして、ここからが赤ウニ。

淡路島 木箱に入っているので、木の香り、シトラスのような香りが強く、やや水分が多めです。

 

 

 

 

壱岐 やや小さめ、ナッツ感よりミルクやクリームの印象が強いウニで、この中で一番好きでした。

 

 

糸島 瓜の香りが強く、粒が大きいウニ。塩水ウニなので木の香りではなく、純粋なウニの香りが楽しめます。

 

 

 

そして、季節の小鍋は、昆布森の牡蠣。

 

 

昆布出汁にふんわりとした食感で濃厚な旨味の牡蠣が。大黒しめじ、赤水菜、季節の名残の賀茂茄子と共に。

 

 

デザートは、こちらも取材でお邪魔した、福岡の吉積ぶどう園のぶどう。

 

 

梨のようにみずみずしく、酸味の少ない雄峰、甘みが強くて香りの良いクインニーナは、皮にやや渋みがあるので、皮を剥いて提供されます。梨、メロンのグラニテと共に。

 

ほうじ茶アイスクリーム入りの最中、抹茶の生チョコレート、お客さんが来てから作り始めて作りたてを提供しているというわらび餅。

 

食材の美味しさを、思い切り楽しませてくれる日本料理店です。

 

 

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■Ki-sho(葵匠)

営業時間:ランチ 12:00〜14:00(平日のみ)、ディナー 18:00〜 22:30、日曜休
住所:29 Scotts Road Singapore 228224
電話: +65 6733 5251

アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩11分ほど