和久田哲也シェフが率いるミシュラン二つ星のレストラン、Waku Ghinに行ってきました!

 

 

まずはバーで、ヘッドバーテンダーの地井和広さんが作るカクテルを。武道と茶道を極める中から生まれた所作の美しさは特筆もの、しかもこのホワイトレディは、シェイクすることで繊細な氷の破片を作り、それを表面に浮かせている、高い技術を必要とするもの。甘さ控えめのきりりとしたスタイルで、食前にぴったりでした。

 

 

 

 

日本酒、磯自慢の純米大吟醸Mでスタート。メロンのような吟醸香がありますが、口当たりはキリッと辛口。

 

 

岩牡蠣を、米酢を使った三杯酢に、グレープシードオイルと、小豆島の新井さんの作ったオリーブオイルを混ぜたものを垂らして。刻んだチャイブが旨味を後押しし、生姜が口の中をさっぱりさせてくれます。

 

 

今日の食材のお披露目。クリスタルキャビア、マンジュニップのウィンタートリュフ、グリーンリップあわび、びっくりするほど大きなカラビネロ海老、そして季節の鮎。

 

 

 

そして、オレンジとの組み合わせが新鮮な、カツオのタタキ。

 

 

滑らかな肉質のカツオには、醤油をキャラメリゼさせたものを刷毛で塗ってあります。皮目の焦げた薄い層がとても軽くサクサクで、驚きました。シソとミョウガを刻んだものを乗せて。夏の太陽を思わせるような果実味のあるフレッシュなオレンジを乗せて。

 

そして、シグネチャーのボタン海老。

 

 

ボタン海老は、タラゴン、エシャロット、オリーブオイル、ウォールナッツオイルなどでマリネして。甘くてえぐみのない上質のうに、海の旨味を感じるクリスタルキャビアとともに。

 

 

各個室にある、日本から空輸したという分厚い鉄板は、4ヶ所で1度単位の温度のコントロールができるという優れもの。

中央の150度のところで焼き上げるのは、周りにうっすらと米粉をまぶした鮎。

 

 

蓼酢には胡椒を、鮎の下にはポメロと、細かく刻んだ紫蘇、ニンニクのアイオリソースが隠れています。

ニンニクや胡椒は強すぎると全体をカバーしてしまいますが、そんなこともなく、絶妙な味のバランスを保っているのがWaku Ghinらしい感じがします。

「炭火焼と違い、鉄板で焼き上げることでしっとりと仕上がります」と井上正彦シェフ。

鮎の繊細な身の食感も楽しめる組み合わせでした。

 

マーガレットリバーのシャルドネ。フレンチオークの新樽を使った乳酸の香りのあるブルゴーニュスタイルのワイン。ほのかにトーストした大麦のような香りも。

 

 

卵と、もっちりとしたマッシュポテト、その上にキャビア。

 

 

上からさらにオーストラリア・マンジュニップ産のトリュフをたっぷり削りかけて。

 

 

クラッシックなコンビネーションで、マッシュポテトの甘みやテクスチャ、キャビアと卵のコクといい、王道の一皿でした。

 

カツオ出汁と、ローストしない丸鶏を8時間ほど煮出して作った出汁を半々に入れて、青海苔と茎わさびの漬物を入れたお茶漬けの中に、綺麗に包丁を入れたアワビを浸して、出汁の熱で優しく火を入れます。

 

 

甘みが引き出されたアワビは、生姜の効いた甘めの肝のソースにディップしていただきます。

 

 

巨大なカラビネロ海老は炭焼きに。

 

 

程よい火の入り具合、甘みのある味噌と卵には、気づくか気づかないか程度に、醤油とみりんで味に深みを与えてあります。レモンの皮のコンフィが洋のアクセントになっています。

 

シラーズは、和久田シェフの友人が作っていると言うもの、丸みのある果実味に、ほのかに緑の香り。

 

 

鉄板の端の65度くらいの場所でじっくりと火を入れてから、150度にセットした高めの温度の鉄板で、肉汁が出ないように仕上げた鹿児島産のフィレ肉。

 

 

癖がなく上品な味。しっかりと脂のジューシーさもありながら、とろける食感。無駄な油を素早く丁寧におとす焼き方からは、雑味のない、素材そのもののフレッシュな味わいをなるべく引き出したいという思いを感じます。

 

 

シンプルに塩胡椒で調味して、辛味がマイルドだという、静岡産の大きめのわさび、ねぎ、おかひじきに少しだけすりおろしニンニクとオイルを混ぜて和えたもの、出汁醤油を添えて。

 

 

調理の際の美しい所作が楽しめるのも、Waku Ghinの魅力の一つです。

 

シンプルに、フランス産のとても甘いフルーツトマト、オリーブオイル、フレッシュバジルの千切り、塩、それだけ、というエンジェルヘアパスタ。

 

 

絶妙のアルデンテ具合でぷりっとした印象のパスタに、この自然なガスパチョのようなソースがぴったりの、夏らしさ抜群のパスタ。

 

静岡産のつゆひかりという品種のお茶の煎茶を、24時間冷水に漬けて抽出したお茶。玉露のような旨味が感じられる上質な味わいです。

 

 

デザートは、はちみつのようなニュアンスと、しっかりとしたミネラル感、酸味を感じるレーズンのような後味のトカイのワインと共に。

 

 

 

 

巨峰の皮と赤ワインビネガーのグラニテの下には、とても甘い巨峰が隠れています。フロマージュブランのソルベを乗せて。

 

 

フレッシュなイチゴ、ルバーブのジャム、ライチのグラニテ。上にはエルダーフラワーのソルベを。

 

 

南杏と北杏を使った、杏仁のパンナコッタに、アーモンドつながりのアマレットのグラニテ、フランス産のアプリコットのジャム、レモンバーム、はちみつのアイスクリーム。季節の「あんず」つながりで作ってある、コフレッシュなコクに、はちみつレモンのような甘酸っぱさが清々しい、今の時期ならではのデザート。デザート担当の石野泰嗣シェフは、「あんずを丸ごと味わって欲しい」と作ったそう。

 

 

実はWaku Ghinのバーでは、石野シェフのケーキも楽しめるのですが、こちらも追加でいただきました。

今の季節の日本の大粒のブルーベリーのチーズケーキ。

 

 

中にはブルーベリーのムースと濃厚なブルーベリーの薄いスポンジ生地が入っています。

 

小菓子はアマレットを加えたマスカルポーネと、卵黄にシロップを合わせたパータボンブを詰めたブラウンシュガーとコーヒーのシュー、ゆずのパートドゥフリュイ、Brutti ma buoni(ブルッティマブオーニ、「醜いけれど美味しい」という意味だそう)という、イタリアの郷土菓子、オレンジチョコレートと塩、フィユティンで作った土台の上に、オレンジチョコレートと卵黄、オレンジのジュースなどで作ったクリームを乗せたもの、シャンパントリュフ。

 

二回転制ですが、夕方5時半からの回は、デザートを食べる別室で、マリーナベイサンズのライトショーが特等席で見られるので特におすすめです。

 


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■ Waku Ghin(ワクギン) 
営業時間:ディナー 17:30〜又は、 20:00〜スタート、バー 17:30~深夜、無休
住所: L2-01, Atrium 2 The Shoppes at Marina Bay Sands
TEL:+65 6688 8507
URL: http://jp.marinabaysands.com/restaurants/waku-ghin-jp.html
アクセス:MRTベイフロント駅直結