ドイツ・バイエルン地方出身のシェフ、Benjamin Halatシェフが腕を振るう、Resort World Sentosa内のレストラン、Curateへ。8コースのテイスティングメニュー($188)をいただいて来ました。

 

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テーブルに着くと、いつも置いてあったナプキンも、ショープレートもなく、四角い「芝生」がテーブルのど真ん中に。そこに、バスケットが登場。春のピクニックをイメージしたセッティング、ナプキンとお皿、そして最初のアミューズがバスケットの中から登場します。

 

 

サワードゥとプレッツェル生地の丸いパンと、無塩バター、‘Obatzda’という

バイエルン地方のチーズスプレッドで、カマンベールなどのチーズとバター、クミンとパプリカなどを混ぜたもの、ベーコンのスプレッド。

 

「ドイツに住んでいた時、ピクニックができる気候になるというのはとても嬉しいことだった。みんなで食べ物を持ち寄って、そうそう、ビールも忘れずにね」とBenjaminシェフが次々にたくさんのアミューズを持って来ます。

 

過去にお邪魔した際には、英語のメニューだったのが、ドイツ語の名前に、そして下に英語で内容の説明がついている、というのも、より自分のルーツに忠実に表現したい、というBenjaminシェフの思いを感じます。

 

 ‘Brotzeit’ 乾杯のビール、上にはレモンバーベナの泡が乗っていて、まるでホワイトエールのような味わいに。

 

‘Krabben Broetchen’

 

 

海老をたっぷり挟んだ、ハンバーガーのような形のドイツのサンドイッチをイメージ。小麦粉の生地の中に甘エビに、マヨネーズにピクルスなどを混ぜ込んだレムラードソースで和えて詰め、生の桜エビを飾って。

 

 

‘Leberwurst Brot’

 

 

パンとレバーパテのコンビネーションを、フォワグラでアレンジ。軽いフォワグラのパテ。

 

 

 

‘Schweinshaxe & Sauerkraut’

 

 

 

英語圏のシンガポールではポークナックルとも呼ばれる、豚のすね肉を煮込んでから、表面を香ばしく焼き上げたドイツの伝統料理に、つけあわせとして欠かせないザワークラウト。古典的な組み合わせですが、大きな塊で食べる代わりに、煮込んだ肉を細かくほぐしてコロッケ仕立てにし、豚の皮を砕いたものをまぶして、カリッとした表面を表現。

自家製ザワークラウトはスープにしてから、ゼリー寄せに。ゼリー仕立てにすることで、ポークナックルのカリカリの皮の下のゼラチン質を味わっているような気分になります。

 

‘Almdudler’

 

 

オーストリアのジュースで、ハイキングに持っていく飲み物だったという、ハーブ入りのレモネードの味を、天然ハーブなどの40種類もの材料で作ったドリンク。シンガポールでも馴染みのあるすっきりとしたレモングラスの味に、ヨーロッパのハーブの清涼感が重なります。

 

 

 

‘Forelle Müllerin Art’

 

 

本来は鱒を一匹そのままフライパンでバターと共に焼き上げますが、こちらはそのアレンジ版。

 

 

 

鱒を松の葉入りのバターでコンフィして、クラッシュアーモンドと、乾燥させてクリスピーに仕上げた鱒の皮を散らしたもの。鱒の卵と共に上に乗っている季節のヤングアーモンドは、少し苦味のあるデラウェアのような食感。アーモンドクリームとパセリのエマルジョン、松の葉のジェルを添えて。

 

 

‘Spargelzeit’

 

 

ホワイトアスパラガスを塩漬け卵黄のクリーム、フランスのブランド牡蠣、Gillardeauに軽く火を通したものと蕎麦のパフ、ホワイトアスパラガスと牡蠣の殻の中にあったジュースでできたフォームを添えて。

 

 

 

‘Russisches Ei’

 

 

卵白を泡立てたスフレの下に、ポテトのクリーム、シャンパンの泡に、キャビアを乗せたもの。前回訪れた際に、キャビアをもう少し良いものにするともっと良いのに、と言ったら、なんとベルーガにアップグレードされていました。

 

 

シンプルな料理だけに、素材の味はとても大切、クリーミーな印象のベルーガにキャビアが変わったことで、味の印象がとてもグレードアップしたように感じました。

 

‘Himmel & Äd’

 

ドイツ語で天国と地獄、という意味。空に近いところで育つリンゴと、別名大地のリンゴとも呼ばれる、土の中で育つジャガイモとのコンビネーション。

 

ベーコンとリンゴのラグーに、蒸し煮にした玉ねぎ、マッシュポテト、大西洋産の鱈は、玉ねぎと炭の入ったオムレツでストライプの生地を作って巻き、85度で4分間加熱したもの。マージョラムのオランデーズを添えて。

 

‘Zwiebelrostbraten’

 

 

霜降り度8のWylarah のオーストラリアビーフは、炭を使ってグリラーで75〜80度でグリル。

 

 

牛肉のジュ、チャイブオイル、玉ねぎのソースを添えて。サマートリュフを乗せたドイツ風のニョッキ。

 

‘Sanddorn’

 

 

シーバックトーンベリーのソルベに、角切りにしたきゅうり、バターミルクとレモンバーベナのガスパチョ、クラフトジンのMarx Ginを混ぜたフォームをかけて。「まずはレモンバーベナの酸味、続いてシーバックトーンベリーの酸味、最後にバターミルクの穏やかな酸味を楽しむという構成になっている」とBenjaminシェフ。

 

‘Omis Erdbeerkuchen’

 

 

野いちごとサワークリームを使ったパイは、Benjaminシェフの祖母のレシピから。

いちごと相性抜群のアーモンドのクラストに、サワークリームのサバイヨン、野いちごをたっぷり詰め込んで。

 

‘Kindheits Erinnerung’

 

 

「子どもの頃の記憶」という意味のドイツ語の名前がついた小菓子は、Benjaminシェフのお気に入りのお菓子が並びます。ラズベリーのパートドフリュイ、フェレロ・ロシェ、そしてドイツで食べられている蜂蜜のケーキの再解釈の一口サイズのお菓子。

 

今回から全てのメニューがドイツ語になっただけでなく、伝統料理の名前を関して、自分の解釈の伝統料理を提供する、というやり方になり、今求められている、シェフのオリジナリティによりフォーカスした内容になっていると感じました。季節を変えてまたお邪魔するのが楽しみです!

 

 

 

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■Art at Curate(アート・アット・キュレート)

営業時間:ランチ 12:00~、ディナー 18:30~、無休
住所:The Forum, Level1, Resort World Sentosa, 8 Sentosa Gateway, Sentosa Island Singapore 098269
電話:+65 6577 7288
アクセス:Sentosa Express Imbiah駅徒歩5分