マレーシア国籍で、シンガポール生まれ、シンガポール育ちのシェフ、2015年にマスターシェフ・アジアの初代勝者でもある、Woo Wai Leongシェフの料理が楽しめるレストランです。法律を専攻してから料理の道を選んだという、シンガポールでは最近増えてきたタイプのシェフ。4月30日、オープンしたてのお店にお邪魔してきました。

 

Spring onion shaobing Yeasted butter | Laksa leaf

 

「Ibid」とは、ラテン語で「同源」という意味、中国にルーツを持つ南洋(東南アジア)風モダン料理、ということで、こちらはそんな雰囲気を感じる一皿。葱餅に着想を得たパンで、イーストを混ぜた生地を発酵させ、モッツァレラと葱、ごま油などを生地に混ぜ込み、周りにトウモロコシの粉をつけて両面をフライパンでカリッと焼き上げたもの。

隣はイーストを入れたバターで、バターに砂糖とイーストを混ぜてしばらく置いたもの。イーストの香りを強調したい、と、このアイデアを思いついたのだとか。そして、真ん中にはラクサリーフのオイル。

 

Tea egg Soubise | Mandarin pu-erh broth | Gingko

中国料理のお茶で煮込んだゆで卵に着想を得たもの、オーガニックの卵黄は65度で1時間煮込んだもの。プーアル茶と氷砂糖、エイジングした陳皮、下にはフレンチスタイルの玉ねぎのソース、soubise、ブラウンバターで炒めた椎茸、揚げた銀杏という組み合わせ。少し甘めのソースが面白かったです。

 

Skewered escargot skewers

エスカルゴにウスターソースをつけて焼き、カリカリとした食感のフライドシャロットをまとわせてマヨネーズをつけ、ベタルリーフで巻いたもの。

 

White radish Porridge | Bamboo shoot | Century egg

こちらは、中国の干し大根をアレンジした料理。大根は一度塩漬けにしてから塩抜きしてソテーしてあります。切り干し大根のようなイメージです。その下には、大根の皮などの部分に、水に浸した米、豆乳、バターなどを加えて作ったスープ、ピータンの卵白の部分を添えて。

 

 

Lamb tartare Garlic yoghurt | Szechuan cumin spice mix | Lotus root

子羊串焼きにヒントを得た、子羊のタルタル。フライパンで加熱してから刻んであり、生の部分と刻んだ部分、どちらの食感も楽しめます。セロリや玉ねぎ、花椒、唐辛子、クミンなど、スパイスが効いています。

 

 

Ah Hua Kelong grouper Tofu purée | Shaoxing fumet | Charred Kailan | Coriander

地元産のハタの仲間で、黒いグルッパは、鱗側をオイルで揚げるように焼いたもの。豆腐とバターのピュレ、紹興酒とグルッパの骨からとったソース、シンガポールでもよく食べられている青菜、カイランの表面を焦がしたもの。

 

 

Short rib Black garlic | Black fungus | Angelica root | Chinese pear

牛肉のショートリブは、65度で48時間加熱、鶏の骨から取ったソースに、中国の薬膳としても使われているアンジェリカの根をアクセントに。黒きくらげは、黒酢と砂糖、醤油を加えて強火でスモークの香りをつけるように炒めてあり、ちょうど酢昆布を思わせるような味のバランス。中国産の梨を乾燥させてから再度水を加えてしっとりとさせたものを上に散らして。

 

Momoiro collar Sweet potato | Savoy cabbage | Red fermented beancurd

6時間塩などを混ぜた水に漬け込んでから、炭火で焼き上げた豚肉、面白かったのが、紅麹と紅麹を使った豆腐ようを使った甘いソース、二度揚げしたさつまいもと合わせて、かなり甘い味わいで提供していたこと。

 

蓮の葉を使った炊き込みご飯。本来はもち米ですが、さっぱりした味になる、と短粒米を半分混ぜ込んで。真ん中には鴨のフォワグラ、そして上からは鴨レバーの入った中国ソーセージを冷凍してから削りかけて、新しいアレンジ。

 

Lotus rice Mushroom | Foie gras | Preserved liver sausage

 

デザートの一皿目は、ハイビスカスとソレルの葉、ヨーグルトソルベにチェリーのピュレ、そして生姜の効いたクランブル。そこに、ハイビスカスで味をつけた餅を乗せて。

 

Hibiscus Dessert

 

 

豆乳のアイスクリームに黒ごまとサラワク産の黒胡椒のパウダー、そしてアーモンドのエスプーマ。

Soy milk ice cream Sesame cake | Almond foam | Sarawak pepper

 

コースは4コース78ドル〜、ランチ提供はまだですが、カジュアルな価格帯で丼などのワンプレートディッシュを提供する予定とか。

シンガポールらしい料理を作る、シンガポールの若手シェフというのは意外に少ないもの。今年30歳になるというWoo Wai Leongシェフ、ぜひ頑張ってほしいです!

 

 

 

 

 

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■Ibid(イビッド)
営業時間:ランチ 11:30~14:30、ディナー 18:30~22:30(日曜休)
住所:18 North Canal Road Singapore 048830
電話:+65 9151 8698
アクセス:MRTラッフルズ・プレイス駅徒歩6分