ミシュランのスターシェフを招いてイベントを行っているレストラン、Curate。4月27日〜5月3日はスイス・Baselのミシュラン二つ星、StuckiのTanja Granditsシェフを招いて、Curateのシェフ、Benjamin Halatシェフとのコラボレーションイベントがの行われています。

 

 

4コースのランチは$88、8コースのディナーコースは$155。ディナーからのサプライズの皿を含めてのランチテイスティングとなりました。

去年、ミシュランスイスのベスト女性シェフにも選ばれたというTanjaシェフ。

その料理の特徴は、メインの食材と一種類の野菜を中心に構成したメニュー、ということ。

したがって、一色に統一されたメニューになることも多いとか。「皿の中がカラフルではなくて、シンプルな色合いのものの方が、食べることに集中できると思うし、作る際にも、カラフルにしてしまったら無限の組み合わせを考えなくてはならない。限られた色合いのものから選ぶ方が、よりクリエイティビティを発揮できる」という考えから。

 

アミューズは、ドイツのオリーブを使ったタプナードを混ぜ込んだマドレーヌ。

スッキリとした清涼感のあるオリーブオイルを思わせる味わい。

 

甘エビとサーモンのピュレの入った薄くパリパリした小麦生地の上に桜エビを乗せたもの。

 

 

白ワインはライチのような香りのアルザスの香り高いリースリング

 

 

最初は、二人のシェフが揃ってお気に入りだという、人参のメニュー。

 

Salmon Sashimi Tapioca (Tanja Grandits)

 

 

クミンやスターアニスなどの(「クリスマスを思わせるスパイスでしょ」とTanjaシェフ)スパイスで1時間マリネした鮭の刺身に、同じ色合いの人参、カリカリのチップスやバターを加えた人参の自然な甘みのあるピュレ、様々なテクステャにして合わせて。タピオカは、スイスのアジア系の商店で見つけて以来、独特のテクスチャが大好きになったそう。こちらは塩を加えた人参のジュースに漬け込んで。カリッとした食感の角切りの人参はテクスチャのアクセントにも。そこに加えたのは同じオレンジ色のパッションフルーツのピュレ。酸が強すぎず、丸みのあるフルーティーな酸味が気に入っているのだとか。

 

Kyoto Red Carrot Barley . Coriander (Benjamin Halat)

 

 

Benjaminシェフは、京都の金時人参を使って。以前にやってきた韓国のシェフ、MIngoo Kangシェフに教えてもらったという真空低温調理器を使い、人参を40度で6時間発酵させて。

 

 

人参にでんぷん質の香りがあることから、最初は米のおかゆと合わせたものの、もっとミューズリーのような香ばしさのあるものが合う、と大麦のおかゆに変更、ローストして、ミューズリーのようになったカリカリの大麦も加えて。刻んだ生姜に意外と合うカフィライム、細かくした鰹節や海苔など、アジアのアクセントも加えて。さらに、余韻の長いフランス産のGillardeauの牡蠣を湯がいでからディハイドレイターで乾燥させ、削ったものを振りかけて。

 

 

牡蠣を乾燥させるのは、中国料理などでも使われる手法、西洋の食材を、アジアの手法を使って表現することで、アジア料理のニュアンスを取り入れたヨーロピアンになっていました。人参のフォームの上には、コリアンダーの葉を一枚。

 

 

こちらはディナーメニューからのスペシャルメニュー、

Hokkaido Scallop Dill Dashi . Pistachio (Tanja Gandits)

 

 

北海道のホタテは、かつおだしをベースにディルを漬け込んだというディル出汁、揚げたケイパー、フレッシュなディルの葉、フェンネルザワークラウト、ローストしたピスタチオ、フィンネルを潰してまぜて揚げた天かすのようなサクサクの小さな粒を合わせて。ライムのジェルが酸味のアクセントになっています。

 

赤ワインは、ピノ・ノワールに近い印象ですが、少し野生的な羊のチーズのような香りがある、シシリアの標高500〜1100mの所でしか育たないという土着品種、中でも70〜100年の樹齢の古木からとれたブドウから。

 

 

ステンレスタンクで発酵させた後、フレンチオークの新樽30%で熟成させてあります。

 

Wagyu Tenderloin All Spice Glace . Malt Gnocchis (Tanja Grandits)

 

 

オールスパイスが香るの甘めのジュのようなソース。オーストラリア和牛のフィレは、55度で真空調理した後、なすのピュレ、

ローストしたクリスピーな大麦、フライドシャロット、揚げた椎茸、バルサミコのピュレ。さらに「苦味が好きだから」ということでモルトのニョッキを添えて。

 

スパイスの印象が、赤ワインにもよく合います。

 

こちらもディナーメニューから、プレデザート。

Sea Buckthorn Berry Sherbet Bavarian Gin Espuma . Lemon Verbena (Benjamin Halat)

 

 

北欧と同様に、ドイツでも食べられている、酸味のあるオレンジ色のベリー、Sea Buckthorn Berryにレモンバーベナのスープ、年間5000本しか生産していないという、バイエルンのオーガニックのジン、marx ginとバターミルクのエスプーマ、生のきゅうりの角切りを入れて。

 

Snickers 2018 Dulcey . Macadamia Nut (Benjamin Halat)

 

 

毎年作っているという、チョコレートバー、スニッカーズをモチーフにしたデザート。去年は様々な要素をバラバラに配置していたものを、ひとさじで食べられるように、また、ピーナッツだけでなく、マカデミアナッツを使っているというのが違いだとか。

 

下は、ヴァローナのdulcayというキャラメリゼした練乳を使ったチョコレートとピーナッツバターのガナッシュ、70%のダークチョコレート、dulcayとキャラメルのアイスクリーム。

 

小菓子はロシェを再現したお菓子とラズベリーのパートドフリュイ。

 

 

今年、2018年は招聘するシェフは全員女性シェフという今年のArt series。

 

 

現在47歳、小柄で細身、穏やかな物腰は、厳しいレストランの世界で20年以上働いてきた人とは思えないほど。レストランでは、ヘッドシェフもスーシェフも、10年以上一緒に働いているのだとか。

「そのためには、Tanjaの為に働いている、というだけでなく、ヘッドシェフは自分のケータリングの店を持ち、ペストリーシェフもどんどん自分の顔と名前が出て行くようにと機会を与えて、最近はベストペストリーシェフを受賞したのだとか。

「強いチームを作るためには、話を聞くこと。今、自分のことを話すシェフは多いかもしれないけれど、聞くことができるシェフはあまり多くないのではないかと思う。話を聞いて、勇気付けること。私が男性ばかりの、怒号の飛び交うキッチンで生き抜いて来たのは、フレンドリーであること、初めての勝手のわからないキッチンでは、たくさん質問して、1日16時間くらい働いていた。そうして接していたら、誰も、私に怒鳴る人はいなかった」。

 

 

そして、シェフを目指す若い女性たちに伝えたいこととしては、「正しいことをやっているという幸せな気持ちがあったら、どんな大きな男性シェフも恐れる必要はないのよ」。

 

穏やかな春の太陽のような明るさと包容力を持つTanjaシェフ、「Benjaminシェフがきっちりと準備してくれたから、コラボレーションはとてもスムーズだったわ」と微笑みます。Tanjaシェフがシンガポールにいるのは5月3日まで。

 

5月4日以降は、二人のコラボメニューか、Benjamin シェフのオリジナルの春のメニューか、どちらかのコースのチョイスになります。

 

 

<DATA>

■Art at Curate(アート・アット・キュレート)Benjamin Halat of Curate (Singapore) & Tanja Grandits of Restaurant Stucki (Basel, Switzland)

日時:2018年4月27日(金)〜5月3日(木)

営業時間:ランチ 12:00~、ディナー 18:30~、無休

住所:The Forum, Level1, Resort World Sentosa, 8 Sentosa Gateway, Sentosa Island Singapore 098269

電話:+65 6577 7288

アクセス:Sentosa Express Imbiah駅徒歩5分