春のメニューを楽しみに、葵匠に行ってきました!

個人的に、何と言っても葵匠で一番嬉しいのは、様々な極上のウニが楽しめること。

シンガポールだから、良い食材が手に入らない、というのは過去の話。

こちらでは、日本を含めた中でも、その日の一番のウニが楽しめます。箱の上の01が、セリで一番となったウニの証明。

毎日数百箱セリにかかるうちの、数箱しか名乗れない「スペシャル」の品。

 

後ほどのご紹介として、まずはコースをご紹介していきます。

こちらが、スペシャリテのウニと出汁のゼリー、キャビアの一品。下はわさび菜になっていて、合間に食べるとリフレッシュ効果もあります。こちらで使われているのはバフンウニ。小型ですが、しっかりと甘みと香りがあります。

日本酒はこちらを。美山錦のすっきりとした飲み口。

そして、すっかり定番となった、藁焼き、こちらは沖縄産のマグロの赤身で。

しっとりとした身質、香ばしい藁の香りが食欲をそそります。

 

平貝は醤油と酒につけて、旨味をしっかりと凝縮させて。自家製のいくらは、塩気が控えめで自然な旨味を感じられるもの。ホワイトアスパラガスやゼンマイ、木の芽など、春の野菜が色々と楽しめます。

そして、その下にはホタルイカ。

何と言っても、味噌の旨味と深さが、普通のホタルイカとは違います。

 

そして、じっくりと炊き上げられたゼラチン質が楽しめるタコも。

 

 

大阪、泉州のたけのこが。

前日に掘ったばかりという新鮮なたけのこは、蒸してから、醤油と酒を塗って炭火で焼き上げます。

さっくりとした食感、とうもろこしのような甘みと同時に、たけのこ独特の香りがとても濃厚だったのが印象的。木の芽の甘い香りともよく合います。

刺身は右からヒラメ、シマアジ、釣りのキンキ、赤貝、沖縄のマグロ。

特に、甲殻類のような香りとクリームのような濃厚な味わいのあるキンキが抜群でした。

 

 

生のホタルイカは、醤油と酒に漬け込んで。生だと、イカ本来のねっとりとした身の味わいが楽しめます。

 

 

 

日本酒は、米と麹の香りと味わいが濃厚な「どぶ」。

 

季節のうすい豆。

上品な味わいの中にほんの少しスパイスを感じる上のスープは、実は花山椒とうすい豆をブレンダーにかけて、かつおだしを加えて作っています。

下にはふわふわの柔らかいフラン。

 

フラン自体も、うすい豆のさやで作った出汁を使っているということで、ほんのりうすい豆が香ります。

 

 

すっぽん鍋。昆布と日本酒にすっぽんのえんぺらの部分を潰して出したという出汁が、ほんのり甘く、上品でありながら脂の旨味が感じられ、あとを引く美味しさ。ムツの白子と、同じ食感が重なる胡麻豆腐を一つの鍋でいただきます。

同じすっぽんなのに、皮のゼラチン質の部分は昆布のような味、えんぺらは青背の魚のような味がしたのが印象的でした。

 

醤油と日本酒に漬け込んだ、酔っ払いボタンエビ。

こちらを切って

 

大きな殻付きの紫ウニの中に入れます。

殻付きウニは、濱本シェフ自身が藻塩とトレハロースに少しの時間漬け込み、ウニ本来の甘みを際立たせてあります。

 

酔っ払いエビは、つけ汁の日本酒に海老の出汁が染み出して、まるで海老の出汁で海老を漬け込んでいるような状態に。その旨味と塩分で、クリーミーな紫ウニをいただくという趣向。

貴重な地アワビ。黒アワビをじっくりと煮込み、その煮汁の煮こごりと共に。

イイダコは低温調理をして、みずみずしさを残して。サイドにはコシアブラが。

 

続いては、特大の岩牡蠣。20センチほどの牡蠣が登場し、インパクト抜群。

 

フランスなどの牡蠣と比べて塩分濃度が低めでクリーミーですが、フランス産と同じように長い余韻があるのがとても印象的でした。こちらは5年もの。

 

 

ここからが、寿司。

 

 

腹上一番と呼ばれる極上の部位の真ん中の部分、脂の部分の味わいも穏やかで、しっとりとして上品な味わい。

 

ホタルイカ。先ほど刺身で食べたものと同じように、醤油と日本酒に漬け込んでありますが、3週間寝かせてあるので、さらに濃厚な旨味と複雑性が感じられます。

 

そして、ここからがいよいよウニの食べ比べ。お隣の席には、このウニ目当てで、オーストラリアからやってきたという常連さんも。

 

 

東沢のナンバーワンの生ウニ。粒の大きいこと、そして表面の状態がとても整っているのが印象的。

 

ウニ独特のメロンやきゅうりのような香り、雑味のないクリーミーな味わい。それだけではなく、後味の甘みが長く続きます。

 

 

赤ウニ。

独特の苦味、濃厚な磯の香りがあります。

 

それを、海苔で包んで軍艦にすると、磯の香りが海苔の旨味でカバーされ、まるで超高級なチェダーチーズのような濃厚な旨味だけを感じる寿司に。同じ赤ウニなのに、提供方法で印象がガラッと変わったのには驚きました。

 

そろそろ季節が終わりだという、青森、ダイセンのこちらも大粒の紫うに。

 

 

握ってもらうと

 

ほぼ、おいなりさんのようなサイズ!!上品なナッツの甘い香りが印象的。ローストしていないピーナッツやカシューナッツミルクのような後味が残ります。

 

 

最後は、牛肉にウニという鉄板に、卵黄、なんと花山椒を乗せて。

日本でもなかなか手に入らない花山椒が、まさかシンガポールでいただけるなんて。

独特の柑橘のような香りで、全体を軽やかにまとめます。

 

デザートは、甘い佐藤錦、奈良の「古都花」いちご、とても甘いマスクメロンにメロンのジュースのソルベを添えて。

 

日本の希少な食材を使ったオリジナリティ溢れる料理に、シグネチャーのウニは、季節を通して変わるそれぞれの産地と連携して、年間を通して上質なものが手に入るよう気を配っているとか。訪れる人の好みに合わせて構成されるお任せコース、ぜひ味わってみてくださいね!

 

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■Ki-sho(葵匠)

営業時間:ランチ 12:00〜14:00(平日のみ)、ディナー 18:00〜 22:30、日曜休
住所:29 Scotts Road Singapore 228224
電話: +65 6733 5251

アクセス:MRTオーチャード駅から徒歩11分ほど