今週の27日(金)まで、モダンオーストラリア料理店Stellarで、オーストラリアのミシュランのような存在、Good food guideで2ハット(最大3ハット、ミシュランでいう二つ星のようなもの)を獲得しているメルボルンのレストラン、Estelle のScott Pickettシェフを招いて、スペシャルランチとディナーが行われています。62階からの美しい景色と共に、同じくメルボルン出身のChris Millar シェフとのコラボレーションディナーとなりました。

 

今回のテーマは、"Meet Your Farmer" オーストラリアで和牛(父牛)とアンガス牛(母牛)の交雑和牛、Tajima和牛の農家15人を招いてのイベント。

 

ディナーに先立って、メディアなどの関係者を集めてのマスタークラスが行われました。

 

 

使われるのは、セカンダリーカットと呼ばれる、お手頃な部位。「サーロインやフィレなどのプレミアムカットと呼ばれる部位よりも、最も好きなのはオイスターブレード(ミスジ)」というChrisシェフ、オーストラリアの精肉店から肉のプロ・ラファエルさんを招いて、実際に捌く様子を紹介します。

 

 

大きな塊から、幾つの筋肉に分かれているかを紹介しつつ、手早く切り分けていきます。

 

 

そのあとは、会場をルーフトップバーに移して、しばし農家の方々とおしゃべり。

 

 

女性農家のJo-Annさんとは、牛にストレスを与えない大切さ、などについて話しました。魚の神経じめも、魚にいかにストレスを与えないかが大切、それと同じように、牛もストレスがたまると、肉が黒ずんでしまうのだとか。

 

そして、Stellarに戻り、スペシャルディナーをいただきました。($165、ワインペアリングは+$90)

 

 

Consequential nibbles

 

小さなアミューズは、牛肉のタルタル、そしてサーモンのマリネ。

 

中に詰められているのは、海苔のピュレ。オーストラリアの味、ベジマイトの旨味を、違った形で表現しています。

 

Steamed sea urchin custard, Iberico, Sturia caviar

 

まずは、キャビアから味わって、と言われます。

その下のクラッカーは、イベリコハムでできたクリスピーなもの。下は日本の出汁と西洋のクリームを使った、ウニの温かいフラン。上にもウニが乗っています。

 

Greywachke Sauvignon Blanc 2016

草原の香りの、典型的なソーヴィニョン・ブランと合わせて。

 

Rougie foie gras, Golden raisin, Ginerbread

フォワグラは、レモンの皮の苦味の効いたピュレ、ヘーゼルナッツ、ゴールデンレーズンと。

 

Flametree Chardonnay 2015

酸がはっきりとありながらも、バニラや乳製品のニュアンスのあるシャルドネと。

 

Crispy skinned Amadai, Tarama beurre noisette, Zucchini, Olsson's sea salt

 

 

小型のアマダイに衣をつけて、フライパンで焼き上げたものに、ズッキーニにカンボジア産の生の胡椒を合わせます。さらに、オーストラリア料理といえば、スモーキーさ。スモークしたタラコの入ったサバイヨンソースと共に。

 

 

 

La Boheme Act 2 Dry Pinot Rose 2017

 

 

少しナチュラルワインのような香りがあり、ミネラルとヨーグルト、少しいちごキャンディーのようなニュアンスのあるロゼと共に。

 

 

Tajima Wagyu Flank MBS 8-9, Burnt carrot, Fermented black truffle

 

メインディッシュの一皿目は、Frank、外バラの一部ですが、程よい脂の乗りです。嚙み切りづらい膜の部分をきちんと取り除けば、ステーキにしても美味しいのですよ、とラファエルさんが言っていたのも納得。

 

和牛と同じく、アンガス牛も霜降りの入りやすい肉質。

しっかりとした濃厚な旨味が赤身の部分にも感じられます。

 

発酵トリュフのソース、人参、焦がした人参のピュレと共に。

 

Katnook Estate Merlot 2015 Aus

スムースなタンニンのあるメルローと。

 

 

Tajima Wagyu Flat Iron MBS 8-9, Bone marrow, Kipfler fondants, Morel

 

 

こちらは、ミスジ。噛むと弾ける脂は、この部位ならではの魅力。モリーユ茸、モリーユのピュレ、豆苗、じゃがいもと共にいただきます。上に乗っているのは、ボーンマローとニンニクのピュレ。ジョスパーオーブンで焼き上げた香ばしさに、しっかりとした旨味のレイヤーが重なります。

 

Katnook Estate Cabernet Sauvignon 2013

やや落ち着いた印象のカベルネ・ソーヴィニョンと共に。

 

Chocolate, Buckwheat, Miso

 

 

キャラメルチョコレートのクリームの上に、クランチーな蕎麦、蕎麦と味噌のアイスクリームを乗せて。

 

 

Pirramimma Late Harvest Riesling 2013

少しペトロールのような香りのある、遅摘みのリースリングと共に。

 

 

 

生産者の方々との話が弾む、楽しい時間でした。

最後に、シェフたちも挨拶。

 

こう言った、食事客と生産者が直接触れ合う場所をもっと作っていきたい、とChris シェフ。

 

 

 

 

 

このイベントは、今週金曜日まで行われています。

 

特別メニューについて詳しくは、こちらをご覧ください。

https://www.1-altitude.com/wp/wp-content/uploads/menu-4-hands.pdf

 

 

<DATA>
■Stellar at 1-Altitude(ステラ・アット・ワン・アルティチュード)
営業時間:ランチ 11:30~13:45(平日のみ)、ディナー 17:30~21:30、(いずれもL.O.)無休
住所:1 Raffles Place, Level 62, Singapore, 048616 
電話:+65 6438 0410
アクセス:MRTラッフルズプレイス駅徒歩1分