ラグジュアリーシャンパンの中でも、生産量が少なく、家族経営のメゾンとして知られるKrug、その6代目、Olivier Krug氏を迎えてのテイスティングが、ミシュラン一つ星のフレンチレストラン、Jaanで行われました。
ランチとディナーの合間に開催されたテイスティングでしたが、今回紹介される3種類のシャンパンに合わせて、Kirk Westawayシェフによるペアリングメニューが用意されました。
まずは、今回お披露目となった、グランキュヴェの166エディションで乾杯。
Krugは、ワイン愛好家のシャンパンと思われがち。だけれども、感性に訴えるKrugは、愛好家だけのものではない、と言います。
その考えの元、Olivierさんが特に力を入れているというのが、音楽のペアリング。フランス国立音響音楽研究所、IRCAMの協力の元、味わいを表現する言葉から音楽を作ったりもしているのだとか。
携帯のアプリケーションの中に、オススメの曲があるということで、自身のiphoneと連動するスピーカーで、音楽を聴きながらのテイスティングになりました。
音楽は色々なものを合わせる、例えば、ロゼにジミ・ヘンドリックスを合わせたりね、とOlivierさん。
確かに、ロゼの温度が少し上がった時に出てくる、甘いスパイスのような香りは、ロックやサルサなどの音楽にもぴったりくる気がします。
グランキュヴェの特徴は、色々な素晴らしい楽器を取り揃えたオーケストラのようなもの、と語ります。
そんな今回の主役、新しくリリースされたKrug Grand Cuvee 166E Edition
ID 117002
1843年から毎年作り続けられているGrand Cuvee、166とは、それ以来166回アッサンブラージュをしたことを表しているとか。
今回は1998年から2010年までのヴィンテージ、140種類のワインをブレンドしたそうで、45%がPinot Noir、39%がChardonnay、16%がMeunierという配合に。
きりりとした酸と共に、個人的にはクリームや、トリュフのようなニュアンスを感じました。
Krugのアプリは、IDを入れるとデータが分かる画面が出てきてとても便利。
そんな今年のグランキュヴェにKirkシェフが合わせたのはこちら。
Sea Urchin Toast
Devonshire Cheddar Cheese Pancake
パンケーキの中に、Kirkシェフの実家からわずか5マイルの場所で作られている濃厚なチェダーチーズが入っています。
Krug Vintage 2004
ID 316034
涼しい年だっという2004年は、シトラスやグリーンのさっぱりとした印象が強く感じられます。
それに合わせるのは、
Pertuis Asparagus Langoustine
アスパラガスのスープ、アスパラガスに卵黄やイクラ、ラズベリーなどのアクセントを加えた、ラングスティーヌの一皿。
Scottish Scallp Hipsy Cabbage
名残のトリュフをミルフィーユのように挟み込んだスコットランド産の帆立貝はミキュイに仕上げ、キャベツで包んで。
ホタテの軽やかな旨味と、キャベツのグリーンの味わいのペアリングです。
Krug Rose 21E Edition
ID 316033
きりりとした洗練された味わいの後から、少しスパイシーなフルーツのニュアンスが追いかけてきます。
Wagyu Short Rib Pickles & Mushrooms
ロゼにはやはり、牛肉が合う、ということで、このコンビネーション。
オーストラリア和牛を24時間冷蔵庫の中で乾燥させて旨味を凝縮させ、72度で真空調理してから表面を炙って仕上げています。
Olivierさんと同じテーブルだったので、色々とおしゃべり。
Krugは家族経営のメゾン、醸造学を学んでいる息子さん、マーケティングを学んでいる娘さんのことをとても嬉しそうに話していらっしゃいました。
今回お披露目されたGrand Cuvee 166E edition は、このJaanと、もう一箇所、同じくKrug Ambassade の Tippling Club で飲むことができるそうです。
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■Tasting with Olivier Krug
日時:2018年4月18日15:30〜17:30(終了)
会場:Jaan(ジャーン)
住所:Level 70, Equinox Complex Swissôtel The Stamford, 2 Stamford Road, Singapore 178882
電話: +65 6837 3322
アクセス: MRTシティーホール駅直結