Resort World Sentosa内のスパ、ESPAに併設されているレストラン、Tangerine(タンジェリン)。緑に囲まれた癒しの空間で、三つ星のスペイン料理のレストラン、Azurmendiの姉妹店、タイのAziamendiで料理長を務めていた、Aisha Ibrahim シェフが12月に就任、アジアらしさを生かした軽やかな料理が楽しめます。
さらに、現在タイのセレブリティシェフ、Ian Kittichai シェフがやって来ており、4月6日までの期間限定でコラボレーションメニューを提供中。初日の今日、お邪魔して来ました。本来はランチコース($88)の提供ですが、ディナーコース($138)を用意していただきました。
さっぱりとしたパッションフルーツのジュースでスタートします。
amuse bouche
gift from the garden & kitchen と銘打って、Aishaシェフが準備したのが、taro crisp, lemongrass essence passion fruit, kaffir lime leaf
庭石のような一皿。サクッとしたタロイモの皮の中に、レモングラス、パッションフルーツ、カフィライムのすっきりとしたクリームが入っています。
続いての前菜もAishaシェフ、
onion consommé, yam, squid steamed sourdough, rambutan honey
しっかりとキャラメリゼしたタマネギの香ばしい、自然な甘さのコンソメに、ヤム芋のピュレは二種類。紫色のものは、小さなイカのわたや足を刻んだものと混ぜ合わせて、白色のものは、柑橘の香りをつけて、すっきりと仕上げてあります。
マレーシア・サラワク地域のランブータンの花の蜂蜜とフレーク状の塩を乗せたサワードゥの生地を、マントウのように蒸してあります。自然な甘みのコンビネーションです。
(料理の説明をするAishaシェフ)
続いてのIanシェフの一皿は、
lobster flan steamed, flying fish roe, crustacean-lemongrass jus
ロブスターのフランに、とびっこ、レモングラスを効かせた濃厚な甲殻類のソースをかけて。とびっこのプチプチした食感が、程よいアクセントになっています。
smoked barramundi, roots, our bacalao
bacalaoとは、スペイン料理で使われる塩鱈のこと。ふんわりと魚醤のような香りがすると思ったら、Aishaシェフは、シンガポール産のスズキの仲間、バラマンディの腹身を使って、自家製のbacalaoを作り、泡のソースに仕立てました。ほのかに柑橘類の香りを入れて。サイドには小さな蕪を茹でたもの、ひまわりとかぼちゃの種を焦がした、ほのかに甘い味わいの粉を添えて。バラマンディ自体も表面はこんがり、中はしっとりと、程よい火加減で仕上げてありました。
Ian シェフは、タイの伝統料理をアレンジした鶏肉のロースト。chicken roasted, heritage spice, baby spinach
唐辛子、胡椒の一種やクローブなど、タイ北部で親しまれている6種類以上のスパイスをブレンドし、鶏肉をマリネ、蒸してから表面をカリッとフライパンで焼きあげてあります。
目の前のガーデンで取れたラクサリーフやミントなどを使ったハーブサラダを添えて。
pork rack, aubergine paste, our miso
Aishaシェフは、100%ピーナッツで作ったという自家製の味噌に豚肉を漬け込み、通常の日本の味噌とピーナッツ味噌を混ぜた澄ましバターのソース。炭を混ぜ込んだナスのペーストとマッシュルームのパウダーを添えて。表面はカリッと、内側は脂身が柔らかくジューシーに仕上がっています。
calamansi, wild pepper
デザートは、Aishaシェフが、カラマンシーとワイルドペッパーのフォーム。甘みと酸味のボリュームは高めですが、全体がフォームなので、とてもあっさりいただけました。
jasmine panna cotta, jasmine rice tuille, jasmine rice ice cream
Ianシェフのシグネチャー、ジャスミンのパンナコッタ。ジャスミンで香りをつけた、ジャスミンライスのアイスクリーム、米粉とココナッツミルクのチュイルを使っているので、グルテンフリーのデザートでもあります。
カフィライムやレモングラス、カラマンシーなどの東南アジアらしい味わいを生かしつつ、すっきりと仕上げられた料理の数々。肉のメインコースが2皿もあったのに、食後感はあっさり。アジアの魅力の生きた料理の数々が楽しめます。
(時々クジャクが遊びに来ているのが客席から楽しめます)
タイ料理には、地域によってそれぞれに特色のあるハーブやスパイス使いがある。その多様性と奥深さを知ってほしい、とIanシェフ。
フィリピン生まれで、アメリカ育ちのAishaシェフ。アジアに戻り、自分のルーツを追求したいと語ります。日本のミシュラン三つ星レストラン、龍吟や神楽坂の石かわでも修業したというだけあって、自家製の味噌など、アジアの味を生かした料理を作っています。これからは、自分の農園を作り、さらに自分らしい味を追求して生きたいとのこと、これからますます楽しみです!
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■Chef Ian Kittichai & Chef Aisha Ibrahim at Tangerine restaurant
日時:2018年4月3日〜6日
営業時間:ランチ 12:00~14:15 (L.O.)、ディナー 18:00~21:15、 (期間中無休)
住所:18 Sentosa Gateway, ESPA, #01-563 & 564, 098134
電話: +65 6577 6336
アクセス:シンガポール中心部からタクシー約30分