今年のAsia’s 50 Best Restaurants で、去年37位から急上昇、14位に輝いた、Le Du。
((C)Asia’s 50 Best Restaurants 2018, sponsored by S.Pellegrino & Acqua Panna)
アワードの直前にお邪魔して来ました。
いろいろなコラボレーションでは何度もお邪魔していますが、バンコクのお店に行くのは一年ぶり。
まずは、ニュージーランド・マーティンボロのソーヴィニョンブラン。さっぱり系ではなく、爽やかさの中にも果実味のあるややリッチな感じのソーヴィニョンブランでした。
アミューズは、スプーンに乗った小さな一皿。
パイナップルゼリーの上に、ごま油と胡椒の効いたピーナッツ、パームシュガー、シナモンなどを混ぜたものが盛り付けてあります。
タイなどの東南アジアでは、フルーツに唐辛子や海老塩などをつけて食べる習慣がありますが、塩分と糖分、水分を同時に取るのは、暑い地域では理にかなっているもの。汗をかく地域だけに、最初に口にする前菜では、特に意味がある気がします。
続いては、花のような形のビーツ、そしてその下には、鶏肉と玉ねぎ、牡蠣のソースが隠れています。
一皿目は、地元産のロングテールツナ。
レモンオイルでタルタルにし、上にはヤングゴードと呼ばれるウリの仲間、バジルやミント、生姜を使ったパウダーをかけて。下には、甘酸っぱいピクルスにした小さな赤玉ねぎ。カリカリとした赤米のパフを添えてあります。
クレイフィッシュ
淡水で育つ海藻のピュレは、藻類のような緑の香り。さらにフレッシュクリームを加えたソースに。もう一つの丸いものは梨。
下には、刻んだ梨と、牡蠣、タイの東側で取れるという、海ぶどうを添えて。ムース状のソースは牡蠣とタイバジルでできています。
ハタの仲間、グルッパーは、フライパンで松笠焼に。
香ばしい皮、身もしっかり熱々に仕上がっていました。レモングラス、カフィライム、ガランガルを使った辛いスープに、えのきなどを加えて、トムヤムクンの再構築のような印象。トマトのフルーティーさと、ハトムギのプチプチした食感がアクセントになっていました。
シグネチャーのリバープラウンは、海老の殻から取ったクリームソースと、卵白を素揚げにしたものをカリッとしたアクセントに。
「特に味が濃い」というタイの山間部で収穫された玄米を、リゾットに。干したイカの出汁をベースに、小エビのペーストなどを混ぜ込み、タイの味に仕上げています。上には唐辛子、赤玉ねぎを添えて。
そして、55日間ドライエイジングをしたという、タイ産の牛肉のテンダーロイン。
55度で20分ほど低温調理したということで、真ん中は透明さを保っています。牧草肥育の香りがありますが、穏やかな印象、Tonシェフにお聞きしたところ、タイのハーブなどを食べさせているのだとか。
付け合わせは卵黄のコンフィ、タイのホリーバジルのピュレ。その後、牛肉のジュにオイスターソース、フィッシュソースや醤油を加えた、海の恵みの味わいを加えた、アジアなソースでいただきます。
デザートは、フライドシャロットの入ったバニラアイス。
カヤジャムを思わせる、卵黄とココナッツミルクのフラン、タピオカ、シロップで茹でたハスの実などと合わせて、タイらしいエキゾティックな味わいに。
小菓子は、しっとりとした米粉のバナナケーキ、
ジャスミンの香りのする、ういろうのような食感のタイの伝統菓子。
World’s 50 Best Restaurant で去年世界一となった、Eleven Madison Park で働いた経験もあり、店をオープンした頃は、テクニックをどう使うか、ということにこだわっていたけれど、今は味わいに集中している。本物の味わいを出せるか、をより極めたいと思うようになった、とTonシェフ。
いくつかのメニューは、以前に味わったものでしたが、何度も少しづつ変更を重ねて、味わいのバランスが取れて来ているように感じます。
モダンタイ料理、という新しいジャンルの確立に向けて、活躍が期待できる若手シェフのお店です。
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■Le du(レ・デュ)
営業時間:ディナー 18:00〜23:00、(日曜休、ランチは人数によって応相談)
住所:399/3 Silom soi7 Silom Bangrak Bangkok
TEL:+66 092 919 9969
URL: http://www.ledubkk.com/